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(3/5ページ)息子の卒園でつらい幼稚園ロス~悩んだからこその思い入れ~

幼稚園生活も後半戦

年少の1年が最高だった分、その後が怖かった。

進級を控えた園児に対しては、3月下旬にあらかじめクラス名と担任氏名が書かれた封書が送られてくる。

『年中の先生って誰だろ??』

そこには、聞いたことのない人の名前が書かれていた。

妻は幼稚園2年間を過ごして園内の同級生のママ友も増え、誰と誰が同じクラスになったのか、担任は誰か、幼稚園の先生の噂など情報交換しまくっていたのだが、今度担任になる先生の噂は驚くほどなかった。
年少の担任曰くは、かなり昔から在園していてベテラン中のベテラン。
一応息子の年代で学年主任に返り咲いたが、それまでは世代交代の影響からか主任を外されていた先生だった。

『少なくとも悪い噂はなさそうだけど、長年在籍していて何の情報もないのも怖い・・・』

先に結論を言ってしまうと、年中は驚くほど平和な1年だった。
平和っていうと聞こえは良いけれど、プレや年少の時のように担任からのフィードバックなどもあまりなく、子供のことをキチンと見ていたのか心配になるぐらいだった。

息子に対しても、1年の保育を通して進級後が心配とかも言われず、二者面談も一度だけ。それもこちらからお願いして行ったが、30分程度の意見交換で終わったぐらいだった。
そして、この年以降は補助の「ほ」の字もなく、担任も別段必要ないとのことだったので、私たちはそれを信じて過ごした。

行事のほうも年少のときより難易度は上がったが、お遊戯などもキッチリ動きを覚えてやりこなした。
そして、1年の集大成である生活発表会の演劇はセリフや動きが多くなり、さすがに私も

(これ、年中児には難しいんじゃないか・・・?)

と思ったぐらい。
しかし、息子は屁とも思わずにやりこなしていた。

しかも、実は生活発表会の前週に発熱して数日欠席していたが、園児が欠席すると必ずその日の夕方に担任から親元に電話連絡がある。
それをたまたま私が応対したが、その時の息子の体調を伝えた後、

『杉間くんは演劇のセリフとかもしっかり覚えられていて、他の演目も心配ないので、このまま本番まで休ませてあげても良いと思います。』

と伝えられた。

(息子のやつ、よくやってるんだな。)

電話口で先生の話を聞きながら感心した。

そんな具合にほとんど何もなく、悪い風に言えば思い出の薄い1年だった。

いよいよ最終学年!

年長に進級し、今度は3年目の若い担任。
この年も平和一色だったが、1学期の間トイレが間に合わずに漏らしてしまうことが度々あった。
幼稚園内で最高学年になったプレッシャーだったのだろうか…。今でもなぜああなったのかは分からないままだ。

年長の担任は息子に対しては割と贔屓め。
進級式での初顔合わせの時、妻が療育通いであることを伝えるため挨拶すると、

『あー!杉間くんですね!〇〇先生からはカワイイ子だって聞いてます。』

と、開口一番言われたそうな。

行事でも、運動会は年長になるとマーチングバンドを披露することになっているが、担任は自分が息子を直接指導できる種目に選んだ。
「エコー」という鍵盤楽器で、ちょうど息子は年中のころから鍵盤ハーモニカを練習していて鍵盤系楽器は得意中の得意でおあつらえだった。
運動会のマーチングバンドは1学期早々に役割が決まり、数か月間みっちり練習するので2~3か月もすると嫌気がさしてきて、家に帰って弱音を吐く園児もいた。それは例年そうなるのだそうだが、息子はそれどころか家に帰っても勝手に自主練するほど好きだったようで、その腕前にも同級生が驚かされていたという話を妻づてで聞いたほどだった。

生活発表会でも、演劇の前に掛け声を発声させるという独り舞台を与えてもらうなど、割と良い役割を与えられていた。

前半2年が色濃かった分、後半の2年が寂しい気もしたけれど、息子は最長4年のカリキュラムを全うした。
最初こそ心配が多かったけれど、もはや【余裕の卒園】と言って良いだろう。

年々厳しくなっている我が幼稚園の教育方針

話は一転するが、私たちは息子に療育を受けさせるにあたって児童発達支援の相談員をつけているが、その方は息子のような子たちとごまんと関わってきている。
その経験談から、息子が通っていた幼稚園はここ数年厳しくなっていて、義務教育でないのを理由に、

・危害を加える子
・秩序を乱す子
・目に見えてわかる障害のある子

など、発達面等で所見のある子を退園させたがる傾向にある。

聞こえは酷いが、各学年5クラス以上という大規模園なので、ある程度周囲と同調できる子でないとついて行くのが難しくなる。
周囲との同調もさることながら、カリキュラム一つひとつのレベルも他の幼稚園・保育園に比べて難しいことをやっている。
そのため、例年数名の園児が【追い出されて】いて、療育界では『あそこは、ああいう幼稚園だから』と、批判的な見方をしている。

しかし裏を返せば、無事に卒園できればそれなりに能力アリと言え、小学校生活は余裕で送られている子が多いとのこと。
最初の年こそ色々言われて幸先も良くなかったけれど無事に全うできたので、小学校以降もその調子で育っていってもらえればと思うばかりである。

激動の4年間、そんな歴史が終わろうとしている頃、安心感と寂しさが入り混じった複雑な感情が私を襲ってきた。

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