uma kinoshita

フォトグラファー、ライター、翻訳者。日々のエッセイやスナップの引き出しのようなnote…

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フォトグラファー、ライター、翻訳者。日々のエッセイやスナップの引き出しのようなnoteです。写真家サイトはhttps://www.umakinoshita.com/

マガジン

  • 創作のかけら

    写真のこと、本づくりのこと……..。展示のお知らせ、報告も。

  • 日々のかけら

    日々のささやかな思いなど……

  • Travelogue - 旅はいつも大事なことを教えてくれる

    2022年11月にイタリアに行って感じたことを書いています。後から振り返れば「人生リセットの旅」になりました。2023年10月にアメリカに行ったことも少し。

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「福島」と12年、写真家として向き合って

2011年の東日本大震災以降、福島の写真を撮ってきました。これまでに4つのシリーズを制作、発表しています。写真家としての活動の中では、長いプロジェクトになりました。震災から12年目を迎えるにあたって、何を考えながら作品をつくってきたかを振り返りたいと思います。 なお、写真はすべてCONTAX645で撮影、フィルムはカラーはFUJI PRO400、モノクロはKodak TMAX400、上川崎和紙に乳剤を塗布してプリントしています。 東京から「自分に何が撮れる?」 2011

    • 本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑧ハードカバー写真集に挑戦!修了展のお知らせも

      こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……という書き出しで去年(2023年)から始めた、自分にエールを送るシリーズ(?)8回目です。ひとり出版社のことは別途投稿するとして、製本学校の一年コースも終わりに近づいたところで、修了展に出展する作品を作ったというご報告をさせてください。 なお、先にお伝えしておくと、この修了展はどなたでもご覧いただけます。一年間一緒に学んだ(楽しかった〜!)同期の仲間だけで

      • 【サイアノ(日光写真)に挑戦】プルシアンブルーの世界に宿るもの

        こんにちは、UMA(ゆま)です。製本に関する投稿が続いていましたが、ひさしぶりに写真の話をさせてください。 私は2011年の東日本大震災以来、福島で写真を撮影、発表してきました。この1年は現地には行っていないのですが、終わりにしたというわけではなく、ここまで時間が過ぎたところで、もう一度、これまでの写真を見直したいと思っていました。 写真家の中には「作品は一度発表したらもう終わり。次を撮らないと」という人もいて、それもわからないわけではありません。でも、しつこいだけかもし

        • 本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑦和綴じ蛇腹本の画集、帙入り

          こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……という書き出しで去年(2023年)から始めた、自分にエールを送るシリーズ(?)7回目です。そろそろ会社設立のことも具体的に考えつつ、手は動かそう!というわけで、今回は和綴じの蛇腹本を作りました。 収める作品は、甥っ子アーティスト、木下晃希にふたたび協力してもらいました。内容は、昨年12月にハードカバーの画集を作った時とほぼ同じです。その時の本はこちら(↓)

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        「福島」と12年、写真家として向き合って

        • 本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑧ハードカバー写真集に挑戦!修了展のお知らせも

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          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑥和綴じ写真集、函入り

          こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……というような書き出しで去年(2023年)から始めた、自分にエールを送るシリーズ(?)6回目です。製本修行、年末年始もひとがんばりしました! 今回は、昨年暮れに埼玉県の小川町に行った時、古い細川紙が手に入ったので、それを使って和綴じの写真集「しんと悲しみが満ちる地へ / In Silence and In Sorrow」を作りました。(ちなみにこのシリーズは

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑥和綴じ写真集、函入り

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑤ハードカバーの画集に挑戦!

          こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……という書き出しで、自分にエールを送るシリーズ(?)5回目です。製本修行、なんとか続いています! 今回のご報告(?)は、いよいよ角背上製本! 背中がフラットなハードカバーの形で、甥っ子アーティスト、木下晃希の画集を作ってみました。中におさめたのは、今年の9月、松坂屋上野店のアートスペースで開催された個展『KOKI ZOO』の展示作品です。 順番を考えたり、

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑤ハードカバーの画集に挑戦!

          【US旅日記02】UBERドライバーのアメリカンドリーム

          こんにちは、UMA(ゆま)です。寒くなってきましたね。きょうは、10 月に手製本の展示でアメリカに行ったときのことを少し書きます。よろしければおつきあいください。 帰りの飛行機は朝6時発。宿泊していたプロビデンスからT・F・グリーン空港までは約10キロ。近いとはいえ、一応2時間前にチェックインしようと思うと、4時前にはUBERを呼ばなくてはならない。 この旅のあいだ、UBERは本当に便利だった。事前に聞いて通りだが、アプリで簡単に呼べる。近くにいるドライバーが来てくれるの

          【US旅日記02】UBERドライバーのアメリカンドリーム

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました④フランス装で写真集

          こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……とかいう書き出しで、自分にエールを送るシリーズ(?)4回目です。製本修行、挫折せずに続いています! 今回のご報告(?)は、福島を撮った一番新しいシリーズ「記憶の方舟」の写真集を作ったこと。フランス装という手法(本の背に糊をつけて表紙を貼り、表紙の三方は折り込んで仕上げる方法)を使っています。 フランス装については、学校で習って以来、「軽やかな感じがカッコ

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました④フランス装で写真集

          【US旅日記01】ロードアイランドで、紙を作る人、紙を作品にする人の展示に参加しました

          こんにちは、UMA(ゆま)です。10月19日から22日までロードアイランド州プロビデンスで開催されたNorth American Hand Papermakers の年次総会に参加しました。名前のとおり、紙を手で作る人たち、それを作品にする人たちの集まり。やはり紙が好きな人はどこにでもいるのですね! 以下のページに、参加アーティストの作品が掲載されているので、ぜひ見てみてください。作りたいものを実現するために紙を選ぶのではなく、紙ありきで、紙を活かすために考えられた作品はと

          【US旅日記01】ロードアイランドで、紙を作る人、紙を作品にする人の展示に参加しました

          【フィルム族の苦悩】さよならコダック、よろしくイルフォード

          こんにちは、UMA(ゆま)です。ひさしぶりに本業の写真の話をさせてください。といっても、興味のある方がどれだけいらっしゃるか、大いに疑問な「フィルム」のことです。 私は自分の作品づくりについては、いまでもフィルムカメラを使っています。愛機はCONTAX645という中判カメラです。もっぱらモノクロで撮るので、フィルムはコダックTMAX400。この組み合わせは、CONTAX645を手に入れた2007年から変わっていません。私にとっては安定の組み合わせです。 ところが、絶滅危惧

          【フィルム族の苦悩】さよならコダック、よろしくイルフォード

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました③「美しい本」にあこがれて

          こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! ……とかいう書き出しで、自分にエールを送るシリーズ(?)3回目です。まだ挫折せずに絶賛精進中!今回は、最近作った『木から紙ができるまで』の本を見ていただきたいと思います。 じつは私は紙、とくに和紙が好きで、これまでの手製写真集にも使ってきました。時々、紙漉きを習いに行ったりしています。それがご縁で、紙漉きワークショップのお手伝いをすることもあり、その時に私の紙

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました③「美しい本」にあこがれて

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました②フランス装

          この春から製本の学校に通い始めています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです! 少しずつ周囲にも言ってみたり(ここでも書いてみたり)して、外側から気持ちを固めつつあります。具体的な目標があると、学校に行くのでも、自分の気持ちの入り方が違います(個人の感想です)。とはいえ、できなくても、誰に迷惑をかけるわけでもないので、そのあたりは気楽に……。 さて、その製本学校、このあいだは「フランス装」を習いました。背のボンドだけですべてを留めて、あとは折り込んで仕上げます。こ

          本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました②フランス装

          【展覧会レポ】写真と絵の二人展「Rafiki ~ともだち~」に見る「多様性の架け橋になるアートの力」

          こんにちは、UMA(ゆま)です。きょうはとても幸せな気持ちになれる写真と絵の展示のご紹介です。 その展示、写真家の加藤直子さんと画家の木下晃希さんの二人展「Rafiki ~ともだち~ 動物を写す写真家と写真を写す画家と」は2023年5月5日から21日まで、京都の知恩院和順会館で開催されています。 同展では、加藤さんが撮影したアフリカの動物たちの写真と、その写真をもとに木下さんが描いた絵が約50点並べられています。 ふたりの出会いは約3年前、木下さんが加藤さんの写真集「S

          【展覧会レポ】写真と絵の二人展「Rafiki ~ともだち~」に見る「多様性の架け橋になるアートの力」

          本づくりがしたくて、製本の学校に通い始めました①紙ばさみ、和綴じ、蛇腹本

          こんにちは、UMA(ゆま)です。春になって生活が変わった方も多いのではないかと思いますが、私もちょっと変化がありました。製本の学校に通い始めたのです。今日はそのお話をさせてください。 授業は隔週で1年間。隔週といっても、ひさしぶりの学校通いで2週間に1回というのは、案外ハードです。夏には合宿、1年後には卒展もあります。 まだ4月の2回を終えたところですが、1回目は紙ばさみ、2回目は和綴じ製本を教わりました。どちらも自分でやっていたものの、習ってみると、もっと手早くきれいに

          本づくりがしたくて、製本の学校に通い始めました①紙ばさみ、和綴じ、蛇腹本

          カメラを持ちかえると撮りたい桜の絵が変わる? sx-70とRX100IIIとF3と

          こんにちは、UMA(ゆま)です。桜の季節ってやっぱり特別ですね。写真を撮る人にとってはシャッターを切る回数が圧倒的に多くなる季節でもあります。楽しいですよね! きょうは、カメラを持ちかえると、撮りたくなる桜の絵が変わりませんか?というお話をさせてください。歴代のカメラで撮ってきた写真を見ていると、ふとそんなことを思ったんです。最終形のイメージが変わるからでしょうか。 そんなわけで、ここからは、カメラごとにこれまで撮ってきた桜の写真を振り返ってみようと思います。どうぞよろし

          カメラを持ちかえると撮りたい桜の絵が変わる? sx-70とRX100IIIとF3と

          神田伯山さんの講談はVR映画を超える没入感だった!

           念願かなって、神田伯山さんの講談をはじめて生で聞くことができた。  伯山さんのことは、ラジオで知った。TBSラジオの『問わず語りの神田伯山』だ。最初は、ボヤキとも愚痴ともつかない「大人の本音」が面白くて聞いていた。  そこから、ある日ふと「講談って何だっけ?」と思った。頭の中で落語と区別がついていない。そこで、YouTubeで伯山さんの講談の動画を探した。  その時の感動というか、一種の驚きは、言葉にしにくい。面白い。とにかく面白い。映像より、よほど生き生きと絵が浮か

          神田伯山さんの講談はVR映画を超える没入感だった!