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本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑦和綴じ蛇腹本の画集、帙入り

こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです!

……という書き出しで去年(2023年)から始めた、自分にエールを送るシリーズ(?)7回目です。そろそろ会社設立のことも具体的に考えつつ、手は動かそう!というわけで、今回は和綴じの蛇腹本を作りました。

収める作品は、甥っ子アーティスト、木下晃希にふたたび協力してもらいました。内容は、昨年12月にハードカバーの画集を作った時とほぼ同じです。その時の本はこちら(↓)

今回は、蛇腹本のおもしろさを活かして、見開きで大きく見せる作品を3点追加。それに合わせて順番も多少変更しました。

本文紙は前回と同じ竹尾IJリーブル。貼り合わせる蛇腹本なので両面印刷可の必要性はなかったのですが、とにかく発色がよく、とくに晃希の絵にはぴったりなので、迷わずこれにしました。今回は貼り合わせであることを考えて、前回より一段階薄い連量125kgというのにしました。

貼り合わせて、広げてしっかり立つので、ちょうどよかったです。サイズはちょっとコロンとさせたかったので、前回の上製本より天地を短くして、閉じた状態で 18cm x 15cm。18cm x 30cmで断裁をお願いしました。

しっかり立つので、長い台に広げると、それだけでぐるっと見て回れるミニ展示になります。

表紙の紙は、格子に丸紋の京型染和紙。よく行く小津和紙で購入しました。最初は、中の絵を活かすためには、すっきり無地がいいかなと思っていたのですが、もうちょっと遊びたい気がして、民芸風でありながらポップな友禅紙で冒険。

そして今回は「帙(ちつ)」というケースも作りました。帙というのは、和本を包むケースで、真ん中に本を置き、左右をパタンパタンと閉じて覆います。

「帙(ちつ)」というという漢字、私は製本を習って初めて知りました。

帙の芯は本の表紙と同じで、2mm厚のボール紙。ボール紙の厚み分だけ「下」「中」「上」、そして側面である「小口」「背」で微妙に大きさが違うので、「切る」作業が苦手な私は苦労します。

本の寸法を測って設計図(?)を描きます。

帙は、たたむだけのものもあるのですが、今回は留め具がついている形にしました。留め具は「こはぜ」と呼び、これは牛骨製。一つひとつ手作りなので、微妙に形がちがいます。こはぜの穴の大きさに合わせて、紐を作ります。細く切った紙を三つ折りにして、やや濃い糊で貼り合わせます。

こはぜの長さ、これは「八分」とのこと。一分が約3mmだそうです。

内貼りの紙は、友禅紙に合わせた染和紙。2冊作ったので、それぞれ違う色にしてみました。

帙の背にこはぜを引っ掛けるところを作ります。「ち」と呼ぶそうです。

上の写真ですでに見えていますが、結構悩んだのが「外題(げだい)」という、本の表紙と帙に貼る題字です。最初はあっさり、既成のフォントで和紙にプリントアウトしようかなとか思っていたのですが……。

右側のフォントは「クレー」です。このフォント、いいですよねー。左はシルバーの箔みたいな感じで「スタンピングリーフ」という商品を試してみました。今後どこかで使えそうです。

いやいや硬すぎるというわけで、筆と墨を取り出し、いろいろ書いているうちに、ああ、こんな感じかなというところに辿り着きました。手持ちの和紙から表紙の友禅紙に合うものを探して、ぴったりだったのは手漉きの小川和紙。裾の紙の耳はそのままに。

だんだんぴょんぴょん跳ねてきました。

そんなこんなで結構楽しい本ができました!

装丁を多少派手にしてもぜんぜん平気な強い絵。

今回も見ていただき、ありがとうございました! 途中ではいろいろ悩みもするのですが、できあがるとやっぱりうれしい、楽しい。できあがった本は、作家ファミリーにプレゼントします。


ひとり出版社立ち上げの準備も少しずつ進んでいます。最近、東京都の「東京創業ステーション」のオンラインセミナーを視聴しはじめました。結構、はっとすることがあったりします。

そんなこんなのシリーズ(?)も別立てで記録していこうと思っています。でも、いちばん悩んでいるのが社名なんです……(!)

引き続き、話を聞いていただければうれしいです。ここまでありがとうございましたー! 

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