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フランスは階層社会っていうけど、それはいったいどういったことなのか?

フランスに来て一番驚いたことは、社会が明確に「階層」で別れていることです。現在では、 1980年代に教育の大衆化が始められ、多少はその階層の違いも薄れてきましたが、それでもまだまだ違いが色濃く残っています。(もちろんそれは英国や他の国でも残っていますが、いつも言っていますが、私はフランス専門でお話をしているため、フランスのこと限定で続けさせていただきますね。)

日本では、1870年に明治政府が公家・大名を華族かぞく、武士を士族、百姓・町人を平民とし、四民平等といって天皇とその一族以外はすべて平等にしました。

そのため私たちの時代の日本では、裕福か貧乏かの差があったとしても、階層による明確な違いはあまり感じない状況で生きていたのです。

それがフランスでは違いました。

パリの社交界でその美しさと話術で「東洋の真珠」とまで呼ばれ、それなりの地位があったデヴィ夫人ですらそのことを経験しています。7年も交際して婚約までしたフランス国王ルイ14世の家系である、エルゼアル・ド・サブラン=ポントヴェス公爵とは結婚はできませんでした。

わたくしが白人でないという理由で、周囲からの反対はそれは凄まじいものでした。
70年代当時「二人の結婚は太陽が西から昇るよりも恐ろしい」と表現されて、それは絶対に結ばれない恋を象徴する言葉。
わたくしは深く傷つきました。

「二人の結婚は太陽が西から昇るよりも恐ろしい」

って、ひどくないですか?

黒人も受け入れがたかった時代ですが、それ以上にアジア人がフランスの貴族界に入るなんてことは、ありえないもあり得ないことだったことがうかがえます。

私がフランスに来た当時も、日本人のブログで、

「フランスは、出路で全てが決まるのです。だから許されないのは当然のことでしょう。」

と、普通に、なんの疑いもなく書いていた人がいましたが、当時の日本的感覚ではとても受け入れがたい文言で、こんな言葉を普通に言うようになるフランス社会にびっくりしたものです。

しかしながら、実際にそういった世界がフランスでは存在していたのです。

超えられない階層、地位。

そして、それは時代によって学歴なども加わりかわっていきますが、現在もそういった違いは存在しています。

今回はそういったお話をしていきたいと思います。

しかも、2022年最後の記事としまして、かなりの長文でお届けします(^^♪

フランス語の文学の授業で受けた衝撃

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