《ゲーム開発》弱者が強者大企業にどう立ち向かうか?
フリーゲームプロデューサー、うきょうです。
先日東京ゲームショウ2020が終了しました。
今年はコロナの影響もあって
すべてオンラインでの開催となり、
正直、記事を見ていて熱量が
伝わらないなと机の前で感じていました。
やっぱりイベントは生がいい。
それはさておき、
ゲームショウの頃は家庭用ゲームだけでなく、
スマホ新作プロモーションが大きく
動くタイミングでもあります。
今年もスマホでがっつり各社が
PRしていきましたよね。
ただ、今回は例年以上に
海外制作の新作が多く目立ちましたね。
その点についてはまた
別の機会で触れたいと思います。
少数精鋭が大規模に勝つ戦略とは?
話を変えて本題です。
ゲームに限らず、ビジネスの世界は
小さな会社が取るべき戦略の1として、
ランチェスター戦略があります。
ランチェスター戦略は簡潔に書きますと、
もともと戦場で少数部隊が
勝つための手法とされた戦略です。
ビジネスの分野でもよく応用されており
一例をあげますと
弱小企業は「局地戦」と
「差別化」を行い、
強者の強みを発揮させないところで勝つ、
という戦略です。
これを例えばゲーム事業に
当てはめるとどうなるかというと、
局地戦とは、特定ジャンルの特定カテゴリー、
特定市場において絶対的に
有意な部分を徹底して磨き上げて勝負すること。
わかりやすく伝えますと、
最近だと話題のTV CMでも話題の
「G123」がやっているサービス全体と
言えば伝わりやすいかもしれません。
G123の戦略はランチェスターにも当てはまる
G123は企業名ですが、
事業体としては中小企業です。
会社の歴史としてはゲーム事業は日が浅いですが、
会社が仕掛けている戦略は
ランチェスター戦略の事例としても
当てはまるところが多く、
中小企業、大企業としても
参考にすべき部分はとても多いので取り上げてみます。
G123がとっている戦略は
たとえば、下記3点が目立ちます。
①ブラウザで遊べるゲームという市場で
徹底してラインナップしていること。
=スマホとPCで遊べること。
②広告やビジュアルが少し
エロっぽくて女性の露出が多いこと。
=比較的高年齢の男性を徹底ターゲティング
③軍事シミュレーションという
ニッチジャンルの「ビビットアーミー」
一点突破で表にPRを仕掛けていること
大企業は仕掛けづらいことを
徹底してやっている
①市場選択の事例
市場選択はビジネスを開始する上で
一番重要で、市場がないところに商品を作っても
売れる確率はとても低くなりますので
できる限り市場があるところを狙う必要があります。
そういう視点で考えた時、
①のブラウザゲームという
市場を選択したことは大正解です。
1年前ぐらいの記事にも書きましたが
私はRPGをするならば、PCとブラウザが
いいと書いたのですがそれは
今でも考えに変わりはありません。
それは純粋にハイエンド機種好きのゲーマーと
年齢層、顧客単価が高いからです。
②広告展開の事例
特に②においては、G123はとてもあこぎです。
かなりきわどい露出の女性キャラを利用しており
上場企業やブランドタイトルが取りづらい
手法を徹底しています。
↑ G123が仕掛けた広告はいわゆる炎上商法に近いのですが、そこまでは燃えなかった。ゆえに結果としてはネガティブキャンペーンに落ち着いたわけですが、自作自演まで含めてプレスリリースを出していたりと、確信犯でやっていた感じですね。
大手の代理店が「胸糞悪い!」と口にしていたのですが、差別化とポジショニングを行う戦略の1つでもあるということです。実際、やるかやらないかは価値観や真善美によるのでなんとも言えませんけどね。
つまり、こういう炎上しやすい案件を狙ったりとか、大手がやらないことをやりこなすっていうことも局地戦や強みの1つということです。
③ニッチジャンルでNo1を採る事例
軍事シミュレーションで
ブラウザゲームとなると
過去たくさんありましたが、今はほぼ死滅しました。
家庭用ゲームでは大戦略などがその独壇場でしたが
(大戦略Webはまだサービス中だけど)
ビビットアーミーは常に改善と回収を
愚直に繰り返している努力多きタイトルです。
そういう点では、この手のタイトルが
無料で、しかもスマホでもPCでも
気軽に遊べるというの圧倒的な優位性です。
さらにはしっかりと改善と回収を繰り返して
遊びやすくなって大々的に告知をしてきたので
大きくユーザー数が増えた要因でもあると思います。
もともとターゲット層が高年齢で
お金払いもいいところでしたので
少人数でも成り立っていたサービスですが
この機会に大きく躍進できたのはとても大きい。
といった感じで
G123の事例を1つ
ご紹介させていただきましたが、
このように着々と力をためて、
特定ジャンルで局地戦を挑む
サービスの生き方もあるということです。
もう1つの事例はスマホゲームですが
coconeのポケットコロニーなどもあります。
今はなき
アメーバピグのスマホ版のようなものと
言えば伝わりやすいかな。
いわゆる部屋コミュニティゲームですが
当初はゲームというジャンルで
開発とサービスを行っていましたが、
どうにもターゲット層が違うということで、
ゲームジャンルを
コミュニティ・カジュアルという分野に
お引っ越し。
さらにはターゲットを
20代。30代女性と徹底的に絞り込んで、
とにかく可愛いを全部盛りして、
サービスを一気に爆発させたタイトル。
CMでもわざわざ20代、30代を連呼していたわけですが、これは完全に代理店起案だと思っている。実際問題この頃はピグはサービス終焉に向けて動いていたところ、この市場がぽっかり空いており、そこをガチで狙いにいったこと、内容をかわいいとペット全盛りで振り切ったという点で課金単価とコミュニティが活性化した成功事例。
まさに局地戦の局地戦を仕掛けた結果ということになります。
補足:ポケコロはココネとしてはなんとしても成功させたい要因が会社の履歴や増資タイミングを見ればわかります。当時ポケコロはそこまで売り上げが高くなかったにもかかわらず、ゲームジャンルとカテゴリーを棲み分けてしっかりとストアで1位を獲得しています。その後、丁寧なアップデートを繰り返してTV CMで数億規模のタイトルにまでのし上げた。
当時は千会長という、日本のハンゲームを立ち上げたカリスマがリーダーシップを取っていたことも大きいと思います。
弱小企業が生きていくに欠かせない
もう1つの要素
特に個人アプリ開発者に関しては
マネタイズが大きな課題です。
それは、何を取りあげても
中小にも大企業にも
勝てる要素が少ないからです。
ましてやアプリは
ブラックオーシャンで差別化すらも難しい。
そうなると
広告課金、
広告掲載や広告販売
小額のサブスク
ガチャ系
などが考えられるでしょうが、
個人的にはそれ以外のことも
想定しておきたいことは外せないです。
私の場合は
プロダクトを作ってから
どう売るのか?という制作工程ではなく
まずは何が売れるのか?を
徹底的に調べてから
プロダクト開発に入るので
あまり大外しはしないのですが、
いずれにしても
いかにしてファンの方から
より多く払っていただけるのか?という
工程が組み込めないことや
ビジネスモデルができない限り、
特に個人開発のサービスは
生き残りが極めて難しいですね。
やってはいけないこと
弱者が取るべき戦略として
基本的にやってはいけないことは
大企業の猿真似です。
一般的に大規模企業は
ライバルの力を無力化するために
中小企業がやることをすべて満たしてきたり
または市場浸透戦略として
大規模広告で中小企業の新規獲得を封じ込めるなど、
参入障壁をより高めて自社を有意に導きます。
そのため、例えばゲーム要素でも
あのゲームはあの要素もあの要素も入っているから
これもいれようぜってなると間違いなく破綻する。
そうするぐらいならば、
大企業がやらないことを突き詰めることや
厳選した絞り込みを行って
1つの分野で尖りまくることです。
ただしここで忘れてはいけないことは
市場性があるところでやることです。
絞り込む、で間違えてはいけないのは
市場で獲得できそうなところまで
絞り込んでしまうことです。
当たり前ですけど
ユーザー層は多くて困らないですが
たまに間違えたマーケッターは
市場範囲までを狭めてしまって
誰もとれませんでしたー(テヘ)
みたいな感じになることです。
ここに関しては話すと長くなるので
今回はこれぐらいにします。
【執筆者:うきょう】
経営者・事業者向けに売上コミットをサポートする社外プロデューサー&ディレクター|PlayLife代表|売上向上講座を毎週開催|ゲームプロデューサー21年。日中台韓で50作品以上リリース、Han Game売上No1実績|Softbank〜LINE出身|代表作:チョコットランド、アトリエオンライン
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