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なぜマクドナルドはコロナ禍でも売上が伸びたのか

2020年に日本では新型コロナウイルスが流行し、環境へ大きな影響を与えました。
そんな環境で一般的に外食業界は厳しいといわれ、苦戦する企業が多い中、日本マクドナルドは売上を上げています。(こちらは2020年1月~12月の決算です。)

今回はその理由をIRを用いて考察していきたいと思います。

・環境の変化

新型コロナウイルス流行の影響で最も環境へ大きな変化を与えたのは「緊急事態宣言」でしょう。

2020年4月7日に初めて出された宣言は16日に全国に広がり、約1ヶ月その状態が続きました。
これにより、人々へ不要不急事態以外の外出制限が呼びかけられ、飲食店では酒類への提供や席数の制限など感染対策が求められました。

その後、緊急事態宣言は解除されたりされなかったりですが、自粛のムードに変化はなかったといえるでしょう。
事実、飲食店は業態にかかわらず売上を落しています。(5Pを参照

・競合と顧客

上述の環境の中で、
競合(ここでは、全ての飲食店と仮定)は、自店舗に来てくれないお客さんだけでは売上維持が困難になので、他の方法でお金を生み出す必要がある。
手段は多様。恐らく、主な選択肢になったのはデリバリーとテイクアウト。

生活者は、なかなか外食しにくい。(リモートワークの浸透も拍車)
なので、飲食店に直接訪ねる以外の方法で食事をする必要がある。
例えば、フードデリバリーやミールキット、自炊。

と考えたとき、マクドナルドは競合と同様の方法ではなく、自社の強みを活かして差別化を測れる手段を使う必要があったと考えられます。

・具体的な手段

そして、具体的な手段として投じられたのが、「モバイルオーダー」と「ドライブスルー」。
これがマクドナルドがもつ強み→ドライブスルーを既に利用できる店舗が多くあり、モバイルオーダーは2020年2月には導入がされていた
おそらく、一番下にある「連結キャッシュ・フロー計算書」の投資活動によるキャッシュフローで非常に大きくマイナスになっているのは、「モバイルオーダー」「ドライブスルー」「自社配送システム」へ設備投資をしたからだと思われます。(「6月は以下の取り組みを行いました」の一番下の項目といったことです)

ちなみにですが、2人用・3人用のクーポンを発行し、複数人での利用を促すなどの施策をとっています。これは、家族層へのアプローチでしょう。

マクドナルドのIRを見てもらえれば分かりますが、客数は落ちているものの、客単価は前年度比で上がっています。(売上=客数×客単価のため、客数が落ちても客単価が大きく上がれば売上が増える)
マクドナルドは客数を会計ベースで計算しています。つまり、客数が減っていても一人が複数人数分を注文すれば客単価が増加するということです。
この計算方法なので、ドライブスルーやモバイルオーダーで複数人分を1人をまとめてうけとると上昇しそうですよね。

・結論

マクドナルドがコロナ禍(2020年1月~12月)でも売上を上昇させられた理由は、

①「ドライブスルー」「モバイルオーダー」という施策に、他企業よりも素早く投資を行い、設備を整えたこと
②①の施策を、クーポンの発行や広告で利用を促したこと

が大きな理由なのではないでしょうか。(自社配送の設備を整えたことも関係しているかもしれません。利用者にとってサードパーティーに頼むより、マクドナルド配送の方が安く済むことも多いでしょうし)


今回はIRを見て、自分なりの考察をしましたが、今後もやっていきたいと思います。
合っているかいないか、みたいなことは「有価証券報告書」とかで後でチェックします。

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