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境界が薄れていくレストランと食料品店

今回はこちらの記事を読んで、考察したことを書いていきたいと思います。

テーマは「ゴーストキッチン」です。

・「境界が薄れる」とはどういうことか

「境界が薄れる」というのは、端的に言えば「食料品店がレストランの要素も持つようになる」ということです。
これは、デリバリーにおいての話で、記事の中ではゴーストキッチンを用いていることが分かります。

つまり、食料品店がもつキッチンを使用頻度が高くないときに有効活用して商品を作り、フードデリバリーで届ける商品を作るということです。
商品はその食料品店のお惣菜でもいいですし、ゴーストキッチンとして貸し出して他社のレストランの商品を作ってもらってもよいでしょう。

ゴーストキッチンとして貸し出した時、食料品店・利用するレストラン・デリバリー利用者の3方にメリットが発生します。
食料品店:資産をより有効活用でき、新しいマネタイズができる
レストラン:調理以外の部分が、予め用意されている
デリバリー利用者:食料品だけでなく、フードも注文できる

というメリットです。

食料品店の視点からみれば、今のキッチンをそのまま新たな形で有効活用できます。

ゴーストキッチンを利用するレストランは、スーパーと併設されているメリットを活かせます。食材は手に入りやすく、キッチンはたくさんの総菜を作るための設備がそろっていて充実しているでしょう。それに、導入した食料品店がオンラインスーパーを以前から運用していれば、顧客が初めから存在しているところに参入できます。

利用者は、食料品店これまでより注文できる商品の幅がひろがり、いわゆるUXの価値が上がります。「食材と一緒にパスタもデリバリーしてもらう」ということが出来るようになるはずです。

記事内で紹介されている、ClusterTruckやGhost KitchensはKrogerやWalmartと提携して、上記のメリットを生かして事業を行っているのだと思います。

・なぜレストランと食料品店が提携するに至ったのか

ここで、どうして上述の流れができたのかを振り返っていきたいと思います。
元々は、それぞれが単独で存在していたはずなので、なぜそうなったのか改めて考えていきます。

記事内にもありますが、やはり一番は新型コロナウイルスの流行(以下、コロナ)が事の発端でしょう。
コロナの流行は飲食店・外食業界に大きなインパクトを残しました。人との接触をさける社会的・環境的要因が生まれ、これまでのやり方だけでは売上をあげづらくなったのです。
そこで、日本では中食・内食と呼ばれる、「食料品・フードデリバリー」や「テイクアウト」が注目を集めました。

ただ、当然、色んな企業が参入すればただそれを行っているだけでは差別化にならなくなり、レッドオーシャンになります。デリバリーも「サードパーティー」と呼ばれるサービスを利用すると、利益率の低い外食業界では最終的な利益にはなりにくいという問題もうまれてました。

そこで、自社で仕入れ・調理・配達まで全てを行ったり、ゴーストキッチンで店舗も持たなくしたりすることで、費用を削減し利益を残そうとするレストランが生まれてきています。
食料品店は商品を店先で受け取れるようにすることや、自社配達サービスを作ることによってUXの向上を測る流れになっています。

今回はそんな食料品店とレストランの利害がコロナ禍で一致した結果生まれたものだと考えられます。
そして、結果として生まれたものはユーザーにとっても嬉しいもののはずで、まさしく「三方よし」のサービスになっていくのではないでしょうか。

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