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秋の風 鮎漁師の呟き
朝目覚めれて
墓参り
田舎の墓地に 皆が集う.....
特別なイベントなど無い日常....
“川行って来る”
ウエットスーツに着替えて
スパルタリハビリへ
昼から猛暑だと....
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昨日まで 鮎達が居た鮎溜まり
水が澱み 鮎は居ない
川を下るも 水は温く
鮎は居ない
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下った川を 遡って歩く
時には胸まで
時には 足首ぐらい
水の負荷を変えながら
いつもの漁場から 更に遡る
濡れたウエットスーツに
南風が 当たる
ふと 肌寒さを感じる.....
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頭上を車が 行き来する 橋の橋脚
その深場に 良い鮎が溜まる
土用隠れで 獲れなくなった時
鮎漁師が 皆 集まる漁場でもある
大鮎は居る
綱慣れした 大鮎達は 網を見切り
身を隠す
いま 歩いて来た川をまた 下って行く
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鮎漁師は 誰も居ない
語りに来る 長老達も居ない
スパルタリハビリ
毎日毎日 川に居る
毎日毎日
川の景色は変わる
鮎の居場所も 毎日 毎時
変わって行く
チャラ瀬の中に鮎は居た
大鮎に 若鮎に
天然遡上の稚鮎も いっぱい居る
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獲れた鮎達は 直ぐに腹を出し
氷たっぷりのクーラーボックスへ
水は温い....
いつしか風は 秋の気配がする
気がつくと 四時間近く
川の中を 歩いている
体力も ほどほどに 付いたようで....
帰って 獲れた鮎を仕分けして
遅めの昼餉を
一服すると
椅子に座って 寝てしまう
いつしか
冷凍庫は 鮎がいっぱい
鮎好きな人達に 届きますように
鮎漁師 浮世雲拝
秋の風