ほんの少し…鮎漁師の呟き

朝目覚めれて

濁りに　高水　鮎漁師おやすみかと
昨日の鮎祭りの疲れか　寝込んでいた

相変わらず　体力気力は　まだまだ…

昼過ぎに　ネットで
川の水位を眺める
漁協のライブカメラで状況をみる
もしかして….

バタバタバイクに飛び乗り　川見に

朝の濁りは　何処へやら

笹濁りである

まだまだ　高水
高水用の重たい投網に　刺し網に
バイクに積み込み　漁場へ

誰もまだ　入っていないのか
天然遡上鮎が　獲れる

鮎漁師が声をかけて来る

獲れた？…

タモを観て　驚いている

増水した後は　刺し網には　ゴミが
絡まり　掃除が大変で…

昨日　大漁だった漁場へ
良い鮎が獲れた

高水の堰堤

激流の中　歩いていると
生きてるなーって　
いつも　思う

良い鮎が獲れた

瀬の中に　腰を下ろし
熱った身体を冷やしていく

今日は　ここまでだなと…

帰り支度をしていたら
鮎漁師のお爺が　声をかけて来る

携帯の写真を　魅せながら
いついつ　これだけ獲れた
昨日は　夜網で　これだけ獲れたと
嬉しそう
話は　尽きない….

一通り話し終えたあと　
お爺は　呟く

“ところで　獲れたんか？”

“ほんの少し”....

門前の小僧　やっと門の前立てたくらい
昨日の鮎祭りは　
川の神さまからの　サプライズ

鮎漁師　浮世雲

今宵は
甘露煮を　五キロ炊く