大切なこと　一杯の珈琲に　思う　あさぼらけの徒然

いつしか取り寄せた珈琲豆はキッチンの
半自動の珈琲サーバーの前に並んだ。
ペーパーをセットして　水入れて
豆を入れたら　後は丁寧に淹れてくれる。
“美味しい珈琲”が出来ている。
以前の　慌ただしい生活の必需品だった。

仙人界で　手にした　ハンドミル
リハビリ目的だった。
力入らないから　手に負えず　豆を
何度もばら撒いた。

いつしか　美味しい珈琲が　淹れるようになると　病室は　喫茶室と呼ばれるように
なっていた。

我が部屋に戻り　やっと少し片付いた。
手の届く範囲に　御道具を並べ
器蔵から手に吸い付く器を選ぶ
“やっぱり　これだな”って

豆蔵から　珈琲豆を
“お気に入りのマンデリンスマトラタイガー”

ハンドミルに　セットし挽いてみる
この豆でさえ　挽けなかったのに　
軽い手応えに　なっている。
嬉しいけど　何処か寂しい….

湯が湧く頃には　部屋は珈琲の薫りに
包まれる。
毎日　毎日　あさぼらけの頃から　やっていたのにな。

久々に　おとしてみる。
豆が膨らみ　薫りを放つ

お気に入りの器に
お気に入りの珈琲
薔薇も添えて

“ゆっくり　ゆったり　ぼちぼちと”

便利さと引き換えに　一番愉しいこと
忘れてないかい……って

そんな　現生の始まりに

一日の始まりに　何します⁉️｜浮世雲　ukiyogumo 詩仙人｜note