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毎日毎日続けること 急性期リハビリテーションに想う

小さな 小さな穴に
一本 一本 ステンレス棒を刺していく 
右手 左手指で 箱から摘み
一つずつ

刺した 棒を 今度は その棒を
ペットボトルの穴に 一つ一つ刺していく
毎日毎日 繰り返し 
急性期病棟に入って 一か月後の内容だった。

緊急入院して 三日後 車椅子に乗り
点滴を受け ハートレートモニターを
付けて リハビリ室に居た。
進行していく 症状。
両顔面麻痺が出た日だった。

“直ぐに リハビリに入ろう” 主治医の先生は言った。
的確な判断だと 思う。
あの時点から リハビリをして無いと 今は無かったと思う。

“動かぬ指 動かぬ足 能面になった顔”

作業療法士のトレーナーさんは 指をほぐして 動きの介助をしてくれる。

毎日毎日 
握力など 無し 動かないのだから
些細な 事を繰り返す
“机を タオルで 拭く”
“御手玉の移動”
毎日毎日…

飽きない様に…

“洗濯バサミを 棒に付けて 外す”
“ゲームのコインを 穴に 入れていく”

滑車を使って 腕の上げ下げ…

何週も経ってから 出来る事が 少しずつ
増えていく

ネジを 締めて 緩めてを繰り返す
急性期病棟50日
回復期リハビリテーションに転院前の課題だった。


立夏過ぎ 回復期リハビリテーション
通院の日

筋肉フェチのトレーナーSは呟く
“日焼けしましたね〜
何やってるんですか?”

“ウッドデッキの錆びた釘抜き500本かな”
と言って 手のひらを重ねて見せる。

右手と 左手の厚さが全く違う

“最近 つくづく思うんだ
急性期病棟での リハビリテーションは
とても 大切なんだと”

単調で単純で それを毎日毎日 繰り返す

“多分 一回死んで 別人が入ったんやわ”って 言っている。
単調な 作業は 大の苦手だったから

“ウッドデッキのネジ 200本締めたから
あと 300本残ってんねん”

“いいリハビリですね”って 筋肉フェチSは
微笑えむ….

ギランバレーに恋をして
回復期リハビリテーション病棟にて
急性期リハビリを 想い語る日。


人は 目の前の景色が変わっても 
同じ事を 描いているんだなって ↓



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