『ウェルビーイング』実現のために④〜安心安全は「自律神経系」からつくる〜
中枢神経系と併せて【自律神経系】も整える
その前に、【自律神経系】についてから説明します。
【自律神経系】とは、意識することなく「自律的」に、身体の様々な調整や制御をしている、と言われています。
そして、【自律神経系】には、交感神経系と副交感神経系に分かれており、それがバランスして身体の調整がされています。
(p65)『その生きづらさ、発達性トラウマ?』 花丘ちぐさ 2020年 春秋社
さらに、副交感神経系には迷走神経というものがあることがポージェス博士により発見されました。
その迷走神経には2種類あり、【背側迷走神経複合体】と【腹側迷走神経複合体】と呼ばれています。
安心安全を感じられる場の重要性
その2つの迷走神経について説明します。
まず、【背側迷走神経複合体】にです。
その働きは、消化やリラックスを司っています。この神経はマイルドに働いているときは消化やリラックスを行いますが、危機に瀕したときは急ブレーキをかけるように呼吸や心臓の働きを遅くし、〈凍りつき〉やシャットダウンを引き起こします。同書(p71)
次に、【腹側迷走神経複合体】です。
哺乳類だけに発達していったのが副交感神経のもう一つの枝である腹側迷走神経複合体です。この腹側迷走神経複合体は、仲間とつながり、安全に気持ちよく暮らしていくためのものです。(p71)
腹側迷走神経複合体は、お互いに「安全である」という「合図」を出し合うように働きますし、また、「安全である」と感じるときに、さらに活発に働くようになります。安全と絆な、哺乳類が健康を維持しながら生きていくために絶対に必要なもので、腹側迷走神経複合体は、「安全と絆」の神経系と言っても過言ではありません。(p72)
このようなことから、自分自身が安心安全だと感じられる場や仲間を持つことが重要だと言えます。
その場や仲間を持つことが、そのまま『ウェルビーイング』の実現につながると言うこともできると思います。
「安心と絆」の神経系が適切に働いているということは、人間にとって大切なことなのだと思います。
【自律神経系】をととのえる呼吸
ゆっくりと深く息を吐くと、交感神経系の働きを抑制する迷走神経が刺激を受け、私たちの心を落ち着かせてくれます。(p187)
『ポリヴェーガル理論入門』
ステファン・W・ポージェス 2018年 春秋社
迷走神経は、副交感神経系に含まれます。
この副交感神経系が呼吸により、刺激されることで、リラックスを感じることができます。
呼吸において、吸う意識より吐く意識を持つことが大切です。
例えば、深呼吸をする場合、「吸って、吐いて」とあります。
でも、これらのことを考慮すると「吐いて、吸って、吐いて」の方が深い呼吸、深呼吸がしやすいです。
そして日常生活の中で、深呼吸を取り入れてみることで、自ら【自律神経系】をととのえることができます。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
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【引用文献】
『その生きづらさ、発達性トラウマ?』 花丘ちぐさ 2020年 春秋社
『ポリヴェーガル理論入門』 ステファン・W・ポージェス 2018年 春秋社
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