yukino kuronaga

やまぐち、ふくおか、とんで、とくしま。

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神山町で暮らす、働く人たちへの取材記事

徳島県・神山町という、ちょっと不思議なエネルギーがあふれる山あいのまちに暮らし始めて、まるっと2年が経ちました。縁もゆかりも無い町でしたが、気がつけば挨拶を交わしたり、通りすがりに手を振り合う友人・知人が町の中に増え、安心して居られる場所ができ、穏やかに、心地よく暮らせるベースがしっかりと固まってきた感じがあります。 この町へ移り住んできてから、ありがたいことに神山で暮らし、働くさまざまな方へのインタビューの機会をいただいてきました。 生まれも育ちも神山で、長くこの地で暮

    • 働いてみたかったところで働いてみる。

      心の中でこっそり「働いてみたいな」と思っていたお店で、働き始めました。わたしにとってそれは、生き方の大革命のようなこと。「やってみたい」よりも「やった方がよさそう」で選んで「あの時あっちを選んでいたら」「あれ、やってみたかったなあ」と後悔を繰り返す自分と、そろそろ別れを告げたかった。きっと、今がその時だったんだと思います。 そもそも「やってみたい」と人に口にするまで、すごく時間がかかった。それは、いろいろと個人的な事情もあるけれど、結局のところ「人からどう見られるか」が怖か

      • 小麦畑が育んでくれるもの。

        わが家の目の前にある畑の小麦たちが無事、収穫を迎えた。「一緒にやりたい」と手を挙げてくれた友人たちと手刈りでの収穫に臨んだのは、6月始めのこと。 「はじめまして」の友人同士が出会う機会になっていたり、よく顔を合わせる人でも、いつもと違う時間をともにすることで、改めて知り合う機会になっていたり。小麦を中心にいろいろな関係が繋がったり、広がったり、深まったりしていくのを感じた時間だった。 この地で小麦を栽培しているのは、わたしのパートナーであるごろちゃん。ふだんは、パンやチー

        • 苗の力を信じて、そっと手を添える

          今年も、江田集落(神山町)で米作りに取り組む「エタノホ」の田植えに参加させてもらいました。昨年に続いて、2度目。 素足のまま田んぼに足をつっこんだときの、あの「じわ〜」っと沈みゆく感じも、「どろっ」っと足の甲に重たく乗っかってくる感じも、味わうのはひさしぶり。「そうだったそうだった」と、懐かしい気持ちが湧いてくる。体はよく覚えている。 まずは、田んぼの縦・横に一本ずつ、垂直に交わるよう紐を張る。その紐に沿うよう一列に並べるのは、手作りの田植え用定規。数十年も前から集落で大

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        神山町で暮らす、働く人たちへの取材記事

          災害ボランティアとして、ボラキャンすず(鉢ヶ崎オートキャンプ場)に滞在予定の方へ/施設や周辺の情報

          石川県珠洲市での災害ボランティア活動に参加する際、一番頭を悩ませたのが「荷造り」でした。「食料や水はどのくらい持っていくべきか?」「着替えはどのくらい持っていっておけば?(洗濯はできる?)」など。被災地の状況が把握できないがゆえにどこまでの準備をするかとても悩ましく。 さらに、今回わたしが滞在した「ボラキャンすず(鉢ヶ崎オートキャンプ)」についても施設や設備の細かい情報を見つけきれず。「念の為・・・」ともしもの備えで荷物は増える一方。 しかし、いざ滞在してみると、「持って

          災害ボランティアとして、ボラキャンすず(鉢ヶ崎オートキャンプ場)に滞在予定の方へ/施設や周辺の情報

          被災された方の諦めたような言葉が、とても苦しかった/石川県珠洲市での災害ボランティア活動記録

          4月27日〜5月1日の4泊5日で石川県珠洲市へ。 「アウトドア義援隊」の一人として、能登半島地震で被災した地域・家の片付けなどに取り組みました。 元日に発生した「能登半島地震」。 スマホのニュース画面に出てきた輪島の火災の写真を見て、あまりの衝撃に言葉を失ったこと、今でも鮮明に覚えています。 発生直後はネット検索や報道系のYoutubeなどで被災地の状況を知ろうとしたり、「自分にもなにかできないか」「せめてもの」という思いから被災地域への支援を行う組織へ寄付をしたりしてい

          被災された方の諦めたような言葉が、とても苦しかった/石川県珠洲市での災害ボランティア活動記録

          ”伝わるように”と向き合うと、自分自身が理解を深める時間になった。

          つい先日、とある報告会を小さくひらいた。 1ヶ月ほど前に参加した「原発立地を訪ねる」というスタディツアーのなかで、わたしが見聞きしたことを報告する、というもの。 「原発銀座」とも呼ばれる福井県の若狭地方を訪れ、その地で暮らす方々の声や、2011年の震災当時に被災した方のお話を聞くという濃密な2泊3日間。 ツアーを通じて痛感したのは、いかに自分が日々のエネルギー(=電力)というものに意識を向けてこなかったのかということ。 朝起きてから、夜眠るまで、いや、眠っている間もずっ

          ”伝わるように”と向き合うと、自分自身が理解を深める時間になった。

          「わたしが作らなくてもいい一冊には、したくない」

          待ちに待っていた郵便物が届いた。封を開け、あらわれる姿に「わあっ」と思わず声が漏れる。 艶や光沢のない黒地の表紙に、活版印刷で刻まれた銀色の「25th」という文字。綴じ糸もおなじく、銀色で統一されている。細部にもこだわりを持って丁寧に作り込まれていることが伝わってきて、「いいものを受け取ったなあ」と開く前から気持ちが高揚する。 そんな作り手の言葉から始まる一冊のZINEが、わたしの手元に届いた。 紙面を構成するのは、15人の25歳(=25th)へのインタビュー記事。とい

          「わたしが作らなくてもいい一冊には、したくない」

          自分のネガティブキャンペーンをしても、仕方がない。

          「すんごい、たのしかったんよ〜」 と何度も伝えてしまうくらいには、たのしい時間を過ごしていたみたい。はじめてのメンバーで、それぞれが持ち寄ったお酒とごはんを囲んだ。 思いのほかお酒がまわっていたようで、記憶はうっすらとしかないけれど。またおじゃまできるといいなあ、と淡い期待を寄せてしまう。 自分が発する言葉に関して、よく、一人反省会が脳内でひらかれる。 「あんなこと、言わなくてもいいのに」 「なんで言っちゃうかな〜」 「また余計なことを」 ひらくのではなく、ひらかれ

          自分のネガティブキャンペーンをしても、仕方がない。

          明日が待ちどおしくなる試み

          最近のわたしには、毎朝たのしみにしていることがある。それは、カレンダーをめくるということ。 ことし初めて、日めくりのカレンダーを買った。SNSを見ていて、偶然広告として表示されたもの。普段、広告なんて煩わしくて避けるのに、このときだけは目に止まってしまった。そうして、思わずタップして、遷移先のページでお買い上げしていた。あまりの即決に、われながらちょっと驚いた。 めくるたび現れるのは、食にまつわるオノマトペ。 たとえば「さくさく」「かりかり」といった、食感にまつわる音。ほ

          明日が待ちどおしくなる試み

          おもいがけず、のご褒美。

          先日宿泊した宿で迎えた朝が、とても清々しかった。 6:30には起きて、軽く身支度。 7:15から、みんなでラジオ体操。 そして、そのまま宿の女将の案内で、ご近所さんぽ。 いっぱいに降り注ぐ太陽の光。 心地よく肌に触れる風。 ほんの少し歩いて宿へ戻ってきた頃には 頭と心がすっきりしているのを感じた。 ・・ 偶然いつもより早く目が覚めた昨日。 あの清々しい感覚を味わいたくなって、外へ繰り出していた。 ごみ捨てがてらの、ほんの数十mだけど。 いつもは歩くことのない時

          おもいがけず、のご褒美。

          忙しなくすごしていると、見過ごしそうになる。

          茶摘みに茶作り、代掻きに田植え。そして、近所の川に蛍が舞い始めた5月は過ぎ去り、気がつけば6月に。 こう並べてみると、暮らしている土地が、それはもう、豊かな環境なのだと身に染みて感じる。季節の移ろいとともにある生活、というか。きっと本来のひとの営みは、そうゆうものなんだろうな。 忙しなく日々を重ねていると、そんな豊かさをついつい見過ごしてしまいそうになる。ふっと手を止め、周りの景色に目を向ける余白、意識的につくっていきたいな。 5月は友人が、わたしの暮らす神山町にやって

          忙しなくすごしていると、見過ごしそうになる。

          心が折れても、たのしいと感じる暮らし。

          暮らしの拠点を移し始まった新生活。1ヶ月という時間の流れと、自身が体感したスピードとの乖離があまりにも激しくて、動揺している。まだ1ヶ月しか経っていないと思えないほどに、濃密、濃厚。 同時に頭と心と体と、うまく噛み合っていないというか、ちぐはぐで。自分という箱の中にちゃんとそれぞれが収まって、機能し合うことができていない感じがする。頭ではこう考えている、考えたいのに、気持ちは違う方向に。かと思えば、体は勝手にぐったりしていたり。 それぞれが孤立しているというより、互いに絡

          心が折れても、たのしいと感じる暮らし。

          ひとのペースにのまれず、自分の心のままに

          2021年も残りわずか。 今年はどんな一年だっただろうか。振り返りをしていく中で、残しておきたい気持ちがあったので、ここに記しておくことにします。 社会人1年目を終え、2年目に突入した今年。 仕事を覚えてきたことで、その量も一気に増え、忙しくもあった。 その中で、休職という自分にとって、とても大きな選択をしたりもした。 ・・・ 日々いろんなことに興味を持ち、時間の許す限りぎっしりと予定を詰め込んで、目まぐるしい日々を過ごしていた、大学時代。 右も左もわからず、早く

          ひとのペースにのまれず、自分の心のままに

          自分の中で描いた物語で残せるか、説明できるか

          8月に仕事を休むことを決意して、約4ヶ月。 明日(12/8)から、再び職場に戻ることになりました。 「もうすっかり気持ちも切り替えて、戻ることに前向き!準備オッケー!」かと言われるとそんなことはなく。むしろ、指先でつんっとつついたら崩れちゃいそうなくらい、やわやわな精神状態。。 病気欠勤としてお休みをいただいていたので、復職するには産業医の許可が必要とのこと。そのための面談を受けるべく、先日会社へと向かいました。 最終面接で初めて訪れてから、何度も歩いてきた会社への道の

          自分の中で描いた物語で残せるか、説明できるか

          今を乗り越えて広がる景色がある、と思いたい

          8月のお盆休み明けから、”休職”という形で長期のお休みをいただいている。 期間は、一旦3ヶ月。 その休職期間の終わりが近づいていることを、先月あたりから意識せずにはいられなくなってきた。 これからどうしよう。 職場に戻る? 辞めて、違う環境に飛び込む? 飛び込むにしても、まず家を探す必要がある。会社借り上げの部屋に住んでいる私は、当然退去しなければならないから。 とはいえ、休職期間で貯金はずいぶん使ってしまった。 すぐに引っ越せるほどの資金がない。 地元に戻る

          今を乗り越えて広がる景色がある、と思いたい