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「女の幸せ」って言葉が反吐が出るほど嫌い

女に生まれただけで絶対に付いて回る言葉が結婚、妊娠、出産の3セットだと思うのですが、それを当たり前の幸せだと押し付けてくる人たちが大嫌いです。

女としての性を持って生まれたからって心が女だと思ってる?女として生まれたからって性的対象が男だと思ってる?

今日はそんなお話。


私のこと

大前提として、まず私のことを少しだけ知ってほしいです。

私は性的少数者です。自分の性認知は女ですが、性的対象に性認知がなく、恋愛志向も認知できません。専門用語で言うと、バイセクシャル、クォイロマンティック。

育った環境も少々特殊で、両親が離婚しているため、母と住んだり、祖父母に育ててもらったり、父と住んだり、親戚の家に預けられたり…転々としていました。

「それなりに真っ当な大人になれて良かったなぁ」と自分で思うくらいには中々人生セミハードモードだったな、と。

最近はLGBTQ+について、世の中の認知が追いついてきたかなと思うので、いずれ私のセクシャリティについて掘り下げられたらいいなと思ってます。


できれば結婚したくなかった

そんな私は結婚することを望んでいませんでした。誰か一人だけと関係を続けていく難しさ、捨てられるんじゃないかという恐怖心、恋愛をする度に傷付いて、傷付けて。そんなのを繰り返していくうちに、いつの間にか特定の相手を作ることを諦めてしまっていました。

そして、複雑な家庭環境だったからこそ結婚に対しての魅力なども感じていなかったため結婚を重要視していませんでした。

自分が誰かと生涯を共にできると思っていませんでした。自分が結婚するなんて未だに不思議に思うくらいです。

両親も「まさか兎依が結婚するとは思わなかった」と「青天の霹靂だ」と言うほど、周りからも私は結婚しないと思われていました。

そんな私がなぜ結婚をしたのか。

旦那と出会ったのは職場でした。
休憩室でヤンキー座りをしてタバコ吸ってるガラの悪い人を見て「あ、この人と結婚するんだな」って思ったのです。今考えても本当によくわからないのですが、後にこのガラの悪いヤンキーが本当に旦那になるんだから人生不思議でしかない。

一目惚れって言えば聞こえは良いですが、見た目もタイプとはかけ離れていて、性格も趣味も合いません。いや、本当になんで?としか言いようがないのですが、これが後に旦那になるんです。

私は結婚願望はないけれど、一応女として生まれたからには妊娠と出産は人生の経験としてしておきたい。旦那は結婚願望はないけれど、子ども好きで自分の子どもはどれくらい可愛いのか身を持って知りたいし、子育てがしたい。

そんな運命的な出会い(?)と需要と供給が一致して(?)、結婚をしました。


身内からのマタハラが一番キツい

結婚をしてすぐに子どもを作ろうとは思いませんでした。当時24歳だった私は、まだキャリアも積みたいし、遊びたいし、なにより貯金が必要でした。子どもには私みたいな思いをしてほしくない、真っ当な環境で愛情を一心に注がれるべきと考えていました。

旦那も仕事を変えることを決め、無職の期間があったこともあり、すぐに子どもを!という環境でもありませんでした。

夫婦の意見としては数年は子どもを設けず環境を整える期間と認識を擦り合わせ、上手いこと結婚生活を送っていたのですが、それを良しとしない人が私の身内にいました。

父方の祖母です。

私は父方の祖母が昔から嫌いです。「女は結婚して子どもを生むことが幸せ」「普通が一番いいんだよ」と宣い、自分の理想を私の幸せと勝手に押し付けてきます。

結婚してから顔を合わせる度に「ひ孫はまだ?」って聞いてくるデリカシーのなさすぎる人。

・人のセックス事情に口出ししないでもらえますか?
・結婚しただけでも良しとしませんか?
・結婚したら妊娠出産しなくちゃいけませんか?
・子ども欲しくないと思って望んで避妊しているんですが?
・私が働けない間の金銭面的保障はしてくれるんですか?
・私が不妊で何百万もかけて不妊治療してたらどんな気持ちだと思う?

と、再三注意をしていたのですが、その度に祖母は「おばあちゃんをいじめて楽しい?」と被害者ヅラをするのです。いや、本当にその台詞は私が言いたいヤツ!!!!

私の父は再婚しているのですが、継母と父の間には長年子どもが出来ませんでした。長い不妊治療の末ようやく一人息子が誕生したのですが、それまでに掛った費用は高級車一台買えるくらいと教えてもらいました。

そんな継母が祖母の「孫はまだか?」攻撃を食らっていたかと思うと心が痛くて痛くて、父にはもっと継母に感謝して大切にしろと思うばかりです。


妊娠したけど絶対に教えてあげない

そんな祖母からの攻撃を約7年食らい続けたのですが、自分の年齢もそろそろ考えなきゃいけなくなってきたので、ようやく避妊を辞めて妊活を始めました。

暢気なもので「避妊辞めたらすぐ出来るだろ〜」なんて思っていたのですが、そんなにすぐに出来るものじゃありませんでした。基礎体温を測ったり、排卵検査薬をしたりなど独自の妊活をしました。

結局、病院でタイミングを取ってもらい、デュファストンという黄体ホルモンを補充する薬を飲んで妊娠することが出来ました。一応自然妊娠なので良かったと思っています。

無事に母子手帳をもらうことができたので、両親には伝えておこうと思い、父へ報告。その足で祖母の部屋に顔を見せに寄ったら、「兎依ちゃん、ばぁちゃんもう82歳なんだよ。そろそろ兎依ちゃんの子の顔が見たいよ」と始まったので挨拶もそぞろに帰ってきました。

父と継母には安定期が来るまでは祖母には内緒にしてくれ、とお願いしておいたのだけれど、祖母の発言にへそが曲がったので「生まれるまで教えてやらん!」という気になってしまった。

私の心が狭いのだろうか。


女は子どもを生む機械じゃない!!

どこぞの議員が「女は子どもを生む機械」と発言して大炎上したけれど、そう思ってる中高年が多すぎて日本人大丈夫か?と心配になってしまいます。

少子高齢化が問題となって、子どもを生むことを政府が推奨しているが、推奨してるならばもっと子どもを育てやすい環境にしてくれませんか?

女のキャリアはどうお考えですか?
子どもを一人育てるのにいくらかかるか知ってますか?
私達世代は年金受給できないと言われているのに子どもを作る気になれって言う方がおかしくないですか?
なんで女同士、男同士の結婚は駄目なんですか?
なんで女同士、男同士のカップルは養子を持てないんですか?

女に子どもを生めって言う前にやらなきゃいけないことたくさんあるんじゃないですかね?日本を支えている政治家の方々は。

生めない体の人だっているのに。心の認知の不一致で生みたくない人だっているのに。女は子どもを生んでなんぼって本当に思ってるんですか??女だからってなんでこんなに苦しめられなくちゃいけないんですか?


女の幸せ=結婚妊娠出産ではない

もういい加減に認知を改めてほしいのが、生物学的女性が必ずしも性を受け入れてるわけではないということです。

私は有り難いことに自分の性認知に違和感がないため、端から見たら順風満帆な人生を送れています。
しかし、本当に結婚したかった相手(生涯を共にしたかった相手)は?と聞かれると「女性でノンケだったので、諦めることしかできなかった」と答えます。

そういう人だっているんです。

私の幸せを他人が勝手に決めないでほしい。女の幸せって一括りにしないでほしい。

妊娠、出産についても周りはとやかく言わないでほしい。本人が言いたいときは言えばいい。無駄に聞くな。

「自分の子どもはかわいいよ〜」を押し付けてこないでほしい。「他人からみたら別にそんなに可愛くないです、お宅の子ども」って思ってしまうんです。

私の心が狭いだけの話だったかもしれない。でもそれくらい私は他人に女の幸せを押し付けられるのが大嫌いなのです。捻くれた女の末路かもしれません。

周りから見たら私は本当に順風満帆な人生を歩んでるから、説得力のカケラもないかもしれません。

けど、これだけは絶対に譲れない。

幸せの形はそれぞれだから、他人が口出すことじゃない。勝手に決めつけないでほしい。


不快に思った方は、ごめんなさい。私はこういう人間です。
少数でも誰かに寄り添えてたら幸いです。

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