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ブルーチーズが苦手でも美味しい入門編

今回の和樂webで、アンベール(Ambert)というフランス中央部にある小さな町の、手漉き紙の工房「リシャール・ド・バ(Richard de Bas)」を紹介しました。

そこで、出会ったもう一つのもの。それは、ブルーチーズ、フルム・ダンベール(Fourme d'Ambert)でした。フルムとはチーズの型のことで、形という意味のフォーム(Forme)が語源と言われています。d'Ambertというのは、「アンベールの」という意味で、Ambertという地名に、前置詞のdeがくっついたものです。このフルムを使ったチーズは、アンベール以外にも存在し、Fourme de + 地名、と呼ばれているものがいくつもあります。このフルムに穴が空いているのは、チーズを成形する過程で水を切るためです。

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アンベールは、オーヴェルニュ地方(Auvergne)にあるのですが、ここには有名なチーズが5種類もあります。特に有名なものだと、カンタル、サン・ネクテールあたりでしょうか。カンタルは紀元前から存在するといわれ、フランス最古のチーズのうちのひとつです。

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そのうちの3種類を食べ比べしてみました。

まずは、フルム・ダンベール。ブルーチーズが苦手な人でも食べられそうなクセのなさ。青カビもカビっぽさはなく、塩分が強い部分といった印象。白いミルキーなベースにほどよいアクセントを与えてくれます。アンベール村でも「食べやすい入門ブルーチーズ!」と銘打っていました。

続きまして、サン=ネクテール。なめらかな舌触りの中にナッツのような香ばしさです。皮は食べるか食べないか、という説がフランス人の間でも分かれます。サン=ネクテール村のレストランで、皮を残していたら、お店の人に「合わせて食べるのが美味しいのに」と言われてしまいました…。地元の人は皮まで愛しているのですね。

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サレールは、フランス最古のチーズといわれているカンタルと基本は同じなのですが、より製法の決まりごとが多めです。牛乳が美味しい4-10月の期間限定生産で、生乳使用です。これは旨味の塊です。チーズ好きにはたまらない、チーズ味が濃縮されたセミハードタイプです。子どもの好きな味で、2歳の娘はバクバク食べていました。

さて、ブルーチーズのフルム・ダンベールを入門にうってつけ、としましたが、更に更に食べやすいものがコチラ!

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サンタギュール・クレーム(saint agur creme)です! こちらは大量生産品ですが、「オーヴェルニュのブルーチーズ(bleu d'auvergne)」に含まれます。本来、サンタギュールはブルーチーズなのですが、それをトロットロのクリーム状にしたものです。カビっぽさは一切なく、もう旨味旨味旨味のクリームです。パンに塗っても良いし、クラッカーでも、料理に加えても美味しいです。もちろん、ワインのおつまみにもバッチリです!
写真は、増量版のパッケージなのですが、ふつうサイズだと、我が家ではあっという間になくなってしまいます。
フランスでは、スーパーの量産系チーズの売り場で、ベルキューブや、ブルサンと並んで、3€前後で売られていることが多いです。日本でも「クレーム・ド・サンタギュール」という名前で売っています。日本に住んでいる友人の話では、輸入ものを扱うスーパーで600円ぐらいだそうです。
もし見かけたら、ぜひお試しあれ!


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