トランプショックに学ぶ支援のありかた

世論調査は人気投票です。
支持率も開票されるまでわかりません。

大統領選挙では、支持を表明するのは市民の代表でもある各州の「選挙人」と言われる人たちです。
選挙人の数は州によって違いますが、勝てる州で勝つ戦略をとった方が勝つということです。

あくまでも雰囲気で人気があることと、得票は別です。


これは、アーティストの活動にも通じる部分があります。

SNSのフォロワー数や動画再生回数ももちろん大切ですが、お金を落としてくれるかは別の話です。

動画広告でマネタイズすることも、仕組みをうまく取り込んだ戦略の結果です。

どのマーケットで勝てるかを戦略的に考えてアクションする人が残ります。

「応援」は無料でもできるのですが、アーティストにとって必要なのは、「支援」や「売上」ではありませんか?

SNSや対バンライブで出会ったお客さんは、「応援する」という手段が多ければ多いほど嬉しいはずです。

応援の方法や度合いが選べる自由があるからです。

これが実はアーティストにとっては諸刃の剣で、広げるだけ広げるのは良いものの、どこでお金につなげるかを考えた時、「既存のライブハウスや音楽販売の売上分配の比率では食えないぞ!」と気づくのです。

出演料でお金を稼ぐにしても、出すのは限られたイベンターなので、ステータスによっては頼れません。

つまり、仕組みをうまく理解して、マネタイズへつなげなければ、アーティストは継続的な活動ができなくなるのです。


では、僕らのような先輩アーティストや音楽関係者、アーティストの知人や友人は、どうしたら「好きなアーティストをサポート」できるのでしょうか?

一番簡単なのは「ライブのディスカウントやゲスト枠を使わない」「お金を払う」ということです。

先輩や業界関係者として生き残っている時点で、リッチではなくとも、ライブチケットを買うのに困る人は少ないはずです。

本当に応援してくれる社長さんなら「社員の分も50枚買うわ!」と言って買ってくれる人もいます。

「関係者に見ていただくのだから有料は失礼」という考えは、もう無くして良いと思います。

むしろ、後輩を無料で招待して、底上げすべきです。

もちろん、その関係者の意識次第なので、空気を読まなければいけませんけど。

僕は自分が応援したいアーティストのライブに行く時は、極力「前売りで取っておいて」と言ったり、ゲスト枠で入れてくれようとする人にも、通常の料金を払わせてもらいたい旨を伝えます。

それは、20代の頃、ゲストやVIPで入れてもらって沢山現場を見て学べたことが今も財産になっているから、同じゲスト枠を使うなら若い世代に使って欲しいのです。

何より、その人や空間への対価を払うことで、より大切に思うことができます。

無料で観る映画より、時間とお金と労力をかけて観る映画の方が思い出に残るのと同じ感覚です。

好きな飲食店が閉店して「好きだったのに」と嘆くより、ランチもディナーも行ってサポートすれば良いのです。


そんなわけで、人気や風潮に惑わされず、しっかり票を投じるとか、お金を払うとか、大切ですよね。

投げ銭を頂けると一層活動のモチベーションが上がります! 音楽や文筆の創作資金としてご支援をお願いいたします★