地方の零細企業が採用に失敗する、たった一つの理由
零細企業、特に地方にある企業にとって、採用は大きな経営課題です。
人は足りないけど、そこまで高い給料は払えない。でも、いろいろやってほしい。
そんな都合のいい人材、当然ながら来てくれません。
私が株式譲渡を受けた当時、従業員は2人しかおらず、事業の成長どころか存続すらも危うい状態でした。
特に、製造スタッフがいなければ生産量を増やせず売上のアッパーも決まってしまうため、すぐに募集を開始しました。
ですが、募集から1年たっても、採用はおろか応募もほとんどありませんでした。
応募があっても、はっきり言ってまともな求職者も多くありませんでした。
弊社に魅力がないと言ってしまえばそこまでなのですが、このままではいけないと思い、さまざまな方に採用のコツをお伺いしました。
その中で、ある社労士の方から指摘された一点を改善することで、1年で優秀な製造スタッフを2名採用することに成功しました。
欲張ると人は来ない
零細企業の経営者としては新しく採用した従業員には、あれもこれも幅広い業務をやってほしい、と何もかもやらせようとしてしまいます。
が、世間一般、大多数の人は、そんなに何でもかんでも業務をこなせる自信はない、というのが私の仮説です。
博報堂の調査によると、自分自身の力による自信があるか、という質問に「ある」と答えた人の割合は43.1%、特にどの会社も欲しがっているであろう20代、30代は39.7%、39.2%という結果が出ています。
https://seikatsusoken.jp/teiten/answer/89.html
つまり、世間の約6割の人は実際に能力があるかないかに関わらず、自分の能力に自信を持っていないのです。
ですから、当然「あれもこれもやってください!」という欲張りな求職票は忌避されるわけです。
職務内容は1種類に絞る
そのことに気づいて職務内容の記述を絞ったところ、応募数は大幅に増加しました。
それも、経験者が応募してくれるようになったのです。
人は自分が長くやってきたことに対しては自信を持ちやすいので、職務内容を絞ることでマッチした人材が集まりやすくなったのではないかと思います。
具体的には、職務内容の記述を変更する前後でこの程度数字の前後がありました。
応募数は7倍程度に増え、2名採用することができました。なお、職務内容以外の条件は一切変更を加えていません。
弊社が実際に求人票に記載していた職務内容がこちらです。
私としてはそんなに多くを求めていないつもりでしたが、この職務内容には製造のほか調達、取引先との打ち合わせ業務、出荷作業といった複数の業務が含まれていました。
そして、改善した職務内容の記述がこちら。
シンプルに製造に関わる業務だけに変更しました。
たったこれだけの変更で、目に見えるように採用活動が円滑になりました。
採用にお悩みの零細企業の方は、ぜひ一度お試しください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?