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ディプティックの新「アパルトマン風ブティック」は、アートギャラリーも兼ねていた

香水メゾンのディプティック(Diptyque)が、パリ1区に「アパルトマン風ブティック」をオープンさせたというので、行ってきた。

なんでもここは、ブティックとアートギャラリーの中間に位置するお店だという。

店舗面積は400㎡、パリのリュクスなアパルトマンを彷彿とさせる贅沢な造りだ。

以前はレストランだった。ディプティックの社長がこの場所に一目惚れしたのだとか。パリ1区。


フランスの情報誌には「ハイブリッド・リビング・スペース」と書いてあった。

その名の通り、店内はリビングとかキッチンとかバスルームという風に区切られていて、各所に香水やキャンドルがずらりと並んでいる。

一階、エントランス左。


パリ発祥のディプティックだが、数ある店舗のなかでもこちらがいちばん広い。

まずは、キャンドルの素敵な香りに出迎えられる。

パリの老舗カフェ「CAFÉ VERLET」をテーマにした限定キャンドル。生クリームやビスケットのグルマンな香り。


センシュアルでグルマンな香りに出迎えられて、脳がリカバリーする感覚を抱いた。

というのもわたしは、いつも自宅で仕事をしているせいもあって、自分の匂いに飽きていた。

・・・匂いに飽きるって、ある。

安心するけど、飽きる。

たとえば。

エレベーターにどえらい美人が入ってくると、一瞬、息が止まる。

背筋がピシッとなって、全然知らない人なのに、「変に見られたくない」とか思ってしまう。(同性だけど)

それで家に帰って思うんだ。
「自分、もっとがんばろ」

安心=気が抜ける=いろいろさぼる=自己肯定感が低くなる、だから。

で、あの美女に良い刺激をもらった、って思う。

これこそ脳のリカバリー!

・・・こんな感覚を、新ディプティックに入って抱いてしまった。

エントランス右にはディプティックのカフェ。


エントランス右手にはカフェもあった。

これはパリの老舗カフェ「CAFÉ VERLET」とのコラボだそうで、コーヒーのほかマフィンやサラダといった軽食も用意しているそう。

ヴィーガン対応。キヌアサラダ。


螺旋階段をしずしずと昇っていくと、二階にはリビングスペースが広がっていた。

エル・デコのページを肉眼で見ているような感じに、またもや脳がリカバリーする。

パリ16区のアパルトマンのような雰囲気。


サロン(リビング)の奥には、これまたリュクスなバスルームがあった。

フランスの湿気に対する危機感どうなってるの、といつも思う。


そこにはディプティックの香水瓶をかたどった楕円形の鏡がある。

モザイク、寄木細工(風)、石を組み合わせた美しい装飾だ。(フランス人は寄木細工に惹かれるらしい)

美。


フローリスト兼園芸家のステファン・シャペル氏が手掛けたガーデンスペース。


個人的に興味深かったのは、香水ミュージアムがあったこと。

もちろんディプティックの歴史に限っているが、貴重な資料をこの目で確認できたのは嬉しい。

1961年に設立されたディプティック。およそ60年前の資料だ。


ディプティックはこの3つのキャンドルからスタートした。


ほかにはワークショップ専用の部屋もあって、香りと関係のないフラワーアレンジメントやペインティング、鉢植えなどのプログラムが用意されているらしい。

ちなみにここは期間限定ブティックで、2024年4月19日から2027年末までのオープンとなっている。

ディプティックファンにはもちろんだが、そうでない方もきっと、いい感じの「非日常」が味わえるだろう。

そういえば、パリではゲラン本店なんかでも定期的にアートのエクスポジションを開催している。

匂いとアートを融合させるなんて最高。さすが。

嗅覚への刺激って、視覚の刺激よりも「脳のリカバリー」に効くんじゃないだろうか。





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