北沢由宇/日向神話ゲストハウスVIVID

生粋の実践論者。東京脱出して路上でタロットを引きながら5年間全国を旅し、現在は宮崎の海…

北沢由宇/日向神話ゲストハウスVIVID

生粋の実践論者。東京脱出して路上でタロットを引きながら5年間全国を旅し、現在は宮崎の海辺で見つけた50万円の空き家を自分でリノベして宿泊業をしています。会いに来る人大歓迎。大丈夫っ教。

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内なる声に聴いた「家」を、本当に見つけてしまうまでのお話 part1

「お前の家が南にある。家を探せ」  5年前のある日、東京のワンルームに住んでいた僕はそんな内なる声を聴きました。  すぐに退去届を出して家財道具をすべて処分、大事なものは段ボールに詰めて北海道の実家に送り、100冊以上持っていた本をすべて中古屋に売り、キーボードやギターも売り払って飛行機代に替え、一人で背負える量の荷物だけを持って沖縄に飛びました。アパートを出る際、一度も振り返らずに駅まで歩いたのをよく覚えています。「南にある」と言うからには、日本最南端の県に行って間違い

    • オレも天下の回りもの。【海に落ちた】【本あげます】【冒険開始の合図】

      魚を見ていたら海に落ちた。自転車に乗ったまま水面を覗き込んでいたので自転車ごと落ちた。水をかけどもかけども進まない。荷物を背負って服を着たまま泳ぐのがこんなにきついとは知らなかった。うっかりすると顔を水面から出しておくことすら危うかった。通り掛かった男性が上からロープを伸ばしてくださり、なんとか梯子のあるところまで泳ぎ切った。海の底まで落ちた自転車も駆けつけた漁師さんが救出してくださった。命は無事、自転車も無事、お金も濡れたが一応無事。しかしスマホがどこにも見当たらない。きっ

      • 作り笑いを心掛けるな。

        笑顔が大事だとよく言われる。表情が固いのは良くないことだとよく言われる。いつもニコニコ笑顔でいると幸運を引き寄せますみたいなこともよく言われる。昔飲食店でバイトしていた時、バックヤードに「正しい笑顔の作り方」という貼り紙があった。中央に女性の笑顔の写真があり、口角の上げ方や目尻の下げ方など事細かに注釈されていた。「こんなの地獄の光景だ」とそれを見た私は思った。十年経った今でもその感想は変わらない。「正しい笑顔の作り方」は、地獄に貼られる貼り紙だ。 最近私はショート動画を始め

        • どんなことも、正義感では行うな。

          買い物をした帰り道、作業着を着てゴミ拾いをしている三人の男たちを見かけた。一人が袋を持ち、他の二人はお菓子の袋やジュースの缶などをトングで掴んで袋に入れていく。おお、これは素晴らしい。興味を持つとなんでもすぐ自分でやってみたくなる性分の私は、翌日にはトングとゴミ袋を買ってきて単身町へと繰り出した。道端の草むらに捨てられているビニール袋やアイスの容器、食品のプラ容器や吸い殻などを拾い上げては袋に入れていく。拾ってみると想像以上にゴミは多く、45リットルの袋はあっという間にパンパ

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        • 【毎週更新】魔法使いの哲学【魂のお役立ち情報】
          31本
        • 猫についての色々
          4本
        • 内なる声に聴いた「家」を、本当に見つけてしまうまでのお話
          2本

        記事

          その悪魔っぽいやつが天使だぜ。

          天使と悪魔を見分けるのは簡単だ。面白い方が天使で、つまんない方が悪魔である。カッコいい方が天使で、ダサい方が悪魔である。「これをやろうぜぇ。楽しいぜぇ」。耳元で甘い誘惑を囁いてくる方が天使だ。「そんなのだめッ! ちゃんとなさいッ!」。厳しく躾けてくる方が悪魔だ。常識を飛び越えてみんなを驚かしてしまえる方が天使だ。「常識の範囲内でお願いします」とか言ってくる方が悪魔だ。悪の親玉みたいに豪快に笑っている方が天使だ。正義の心でぷんすか怒ってる方が悪魔だ。 昔カフェでバイトしていた

          その悪魔っぽいやつが天使だぜ。

          逸れた道こそメインルートだ。

          去年の6月頃、猛烈に生きていたくなくなったのでYouTubeばかり見て過ごしていた。botみたいな定型文しか話さない人の相手をしていると疲れてしまう。セルフレジの自動音声とか電話のナビダイヤルとか、私はあれが大の苦手なのだが、たまに生きているはずの人間まであんな感じの自動音声になっている。もういいんだよそういうのは。お前じゃなくても言えるんだよそういうのは。他人の言葉を借りて、他人の思想に唆されてものを言うのはもうやめてくれ。お前の歌を聴かせてくれ。魂の口からついて出る一言を

          逸れた道こそメインルートだ。

          保護した子猫の里親に、自分がなると決めるまでの話

          一、真冬の別れと真夏の出遭い 去年の12月23日、飼っていた黒猫のViが逝去した。Viはまだ目も開かないうちに捨てられていた保護猫だった。拾い主さんの家で初めて出会った時、「この子の面倒は僕が見ます」と腹を決め、相棒として共に生きた。手のひらサイズだったViはみるみる大きくなり、やがて一歳の誕生日を迎えた。これまでnoteにも散々書き綴ったように、一緒にいて様々な苦労があった。Viは食いしん坊で、床に落ちているものは何でも口に入れて食べようとした。市販の猫用玩具の羽や紐の

          保護した子猫の里親に、自分がなると決めるまでの話

          生きていたくなくなったら、生きてるもんの命を食らいやがれ。

          自殺未遂の経験がある人となぜかよく親しくなる。辛い出来事があって本気で死のうとしたけれどなんやかんやあって死ななかった、神様に生かされた命なのでこれからは命を大切にして生きようと思っている、という話を、なぜかみんな僕の前で話し始める。自ら命を絶とうとすることは決して喜ばしいことではない。が、そういう経験をした人はどこか肝が据わっている。だから仲良くなれるのかもしれない。打ち明けられる総数だけでもかなり多いので、言わないだけで水面下ではもっと多いはずだ。僕自身には死にたいと思っ

          生きていたくなくなったら、生きてるもんの命を食らいやがれ。

          理解されずとも愛す余白くらいある。

          人はいつも好き勝手なことを言う。すこしSNSの更新をしないだけで「最近停滞してるね」とか言ってくる。そんな時、実際にはDV被害から逃げてきた女性にゲストハウスの設備をしばらく使ってもらっていたりする。いきなり赤ちゃん猫を2匹保護して、お世話に忙殺されてSNSどころではなかったりする。この世界ではなんでもかんでもオープンにできる出来事ばかりが起きているわけではない。あまりリアルタイムでお知らせしないほうが良いことや、命を守るために大っぴらにすることが望ましくないことも起こる。貴

          理解されずとも愛す余白くらいある。

          自由ドラゴンよ、胸を張れ。

          車の免許を持っていないと言うと驚かれる。「車の免許を持っていないというだけで驚いてもらえるのだな!」とわかったので、コスパの良い話題の切り口として時々活躍させて頂いている。そもそも家がなかった時期でさえなんとかなったのだから、もはや一生車の免許は要らないのではとすら思う。すべての人が同じことをできるようになる必要はない。他の人にできることが自分にはできないなんて当たり前だ。大勢の人が既にできることをわざわざ自分までできるようになる必要はない。そんなことを悩むのは無駄だ。全員で

          自由ドラゴンよ、胸を張れ。

          どうかここの草を刈らないで頂けますか。

          以前住んでいたアパートの横に、ひっそりとした草むらがあった。玄関を出るとすぐ右手に十畳ほどの急斜面があり、草がたくさん自生しているような場所だった。道路に面していたため腰下くらいの高さのガードレールに囲われていた。特に近所の家の敷地というわけでもなさそうだったので僕はたまにガードレールを越えて草の斜面に座ってぼーっとしていた。様々な植物が生えていた。暖かくなると黄色や紫、白などの花も次々咲いた。虫たちは花の蜜を求めて飛び回り、彼らの営みを観察するのが好きだった。ある時その草む

          どうかここの草を刈らないで頂けますか。

          大事なことを決める時は泣き止んでいてほしい。

          「人を助けたい」と言っている人が、心の中では「私を助けてください」と泣き叫んでいることがある。「人を癒やしたい」と言う人に限って、ご自身が病気だったり、精神的にボロボロになってしまっていることも少なくない。その人と一緒にいるだけで、多かれ少なかれ周りの人は何か痛みのようなものを感じているはずだ。「癒やす」とは真逆のことが、何もしなくても無意識に行われてしまっている。「お願いだからまずはご自分を救ってください」と思う。語弊を恐れず言うならば「百年早いわ!」とも思う。人のためなん

          大事なことを決める時は泣き止んでいてほしい。

          人に何かを伝える時に一番必要なもの【音声ソロ配信】

          「教える」「伝える」「受け取る」の秘密。

          人に何かを伝える時に一番必要なもの【音声ソロ配信】

          人に何かを伝える時に一番必要なもの【音声ソロ配信】

          幻滅されてから始まるのが愛。

          自分の書いた文章を人に読まれるのは怖い。中身がすべて出てしまうので、「なーんだ。そうでもないんだな」と思われてしまうのではないかという恐怖が常につきまとう。他人という生き物は、実にたくましく想像力をはたらかせてくれる。“見た目を整えて余計なことを言わない”。これだけで他人にとっての理想像でいることができる。「良い子ちゃん」でいることができる。「アイドル」にだってなれるだろう。自慢じゃないが、僕は結構人に好かれる。可愛がられたり、尊敬されたりもする。人に好かれたり可愛がられたり

          幻滅されてから始まるのが愛。

          その一瞬で過ぎる時間の価値を。

          僕のタロット占いには時間制限がない。メニューの表記上は「30分以上〜ご納得頂くまで」と書いている。それで実際のところどうなっているのかと言うと、その時によってまちまちだ。30分どころか最初の数分で結論が出てしまって残りは雑談タイム、みたいな時もあれば、1〜2時間かけてじっくりお話しさせて頂くことも多い。3時間を超えたことはまだないと思う。あったとしても覚えていない。「語るべき言葉をすべて語る」。僕が意識しているのはそれだけだ。こちらとしては、相手が物足りないと言えば5時間でも

          その一瞬で過ぎる時間の価値を。

          「当たり前」は運命を示す。

          今年の初め、リノベ中の動画データがすべて入っているデスクトップPCの電源がウンともスンとも言わなくなった。いずれ暇ができたら編集してYouTubeなどにアップしようと思いつつ約二年分の作業風景を撮り溜めていたらこれである。たくさんの思い出の詰まった記録たちだったが、不思議と悲しんだりはしなかった。「おう、そうか」と思った。もともと執着心というものが薄いのだろう。おう、そうか。じゃあしょうがない。たとえデータが消えたとて、起こった出来事や記憶まで消えたわけではない。全部心に残っ

          「当たり前」は運命を示す。