北沢由宇/日向神話ゲストハウスVIVID

日向神話ゲストハウスVIVIDオーナー、文筆家、タロット占い師。目指すは全国の空き家を…

北沢由宇/日向神話ゲストハウスVIVID

日向神話ゲストハウスVIVIDオーナー、文筆家、タロット占い師。目指すは全国の空き家を再生して次世代の人にどんどん住んでもらう「浮遊分散型未来都市」の創造。自然と循環とお金をかけずに豊かに暮らすライフスタイル。バラバラのまま調和せよ! 自分を生かし、すべてを生かして生きるのだ!

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内なる声に聴いた「家」を、本当に見つけてしまうまでのお話 part1

「お前の家が南にある。家を探せ」  5年前のある日、東京のワンルームに住んでいた僕はそんな内なる声を聴きました。  すぐに退去届を出して家財道具をすべて処分、大…

その悪魔っぽいやつが天使だぜ。

天使と悪魔を見分けるのは簡単だ。面白い方が天使で、つまんない方が悪魔である。カッコいい方が天使で、ダサい方が悪魔である。「これをやろうぜぇ。楽しいぜぇ」。耳元で…

逸れた道こそメインルートだ。

去年の6月頃、猛烈に生きていたくなくなったのでYouTubeばかり見て過ごしていた。botみたいな定型文しか話さない人の相手をしていると疲れてしまう。セルフレジの自動音声…

保護した子猫の里親に、自分がなると決めるまでの話

一、真冬の別れと真夏の出遭い 去年の12月23日、飼っていた黒猫のViが逝去した。Viはまだ目も開かないうちに捨てられていた保護猫だった。拾い主さんの家で初めて出会っ…

生きていたくなくなったら、生きてるもんの命を食らいやがれ。

自殺未遂の経験がある人となぜかよく親しくなる。辛い出来事があって本気で死のうとしたけれどなんやかんやあって死ななかった、神様に生かされた命なのでこれからは命を大…

理解されずとも愛す余白くらいある。

人はいつも好き勝手なことを言う。すこしSNSの更新をしないだけで「最近停滞してるね」とか言ってくる。そんな時、実際にはDV被害から逃げてきた女性にゲストハウスの設備…

自由ドラゴンよ、胸を張れ。

車の免許を持っていないと言うと驚かれる。「車の免許を持っていないというだけで驚いてもらえるのだな!」とわかったので、コスパの良い話題の切り口として時々活躍させて…

どうかここの草を刈らないで頂けますか。

以前住んでいたアパートの横に、ひっそりとした草むらがあった。玄関を出るとすぐ右手に十畳ほどの急斜面があり、草がたくさん自生しているような場所だった。道路に面して…

大事なことを決める時は泣き止んでいてほしい。

「人を助けたい」と言っている人が、心の中では「私を助けてください」と泣き叫んでいることがある。「人を癒やしたい」と言う人に限って、ご自身が病気だったり、精神的に…

人に何かを伝える時に一番必要なもの【音声ソロ配信】

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「教える」「伝える」「受け取る」の秘密。

幻滅されてから始まるのが愛。

自分の書いた文章を人に読まれるのは怖い。中身がすべて出てしまうので、「なーんだ。そうでもないんだな」と思われてしまうのではないかという恐怖が常につきまとう。他人…

その一瞬で過ぎる時間の価値を。

僕のタロット占いには時間制限がない。メニューの表記上は「30分以上〜ご納得頂くまで」と書いている。それで実際のところどうなっているのかと言うと、その時によってまち…

「当たり前」は運命を示す。

今年の初め、リノベ中の動画データがすべて入っているデスクトップPCの電源がウンともスンとも言わなくなった。いずれ暇ができたら編集してYouTubeなどにアップしようと思…

「運」を良くする心的メソッド【音声ソロ配信】

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「運が良い」とはどういうことか? そういう人に多い心の傾向は?

冒険に乗る人生は楽しい。

日々宮崎のゲストハウスに訪れるいろいろな人と出会って話すという生活をしていて、僕はその人生をとても楽しんでいる。お互いにこれまでの人生で経験してきたことの質感が…

僕もあなたに会いたくてここに居る。

社会の中でうまく生きていきたいなら本音を隠したほうがいい。これまで出会ってきた「うまく生きている人」の多くは皆一様に分厚い皮を被っていた。話していて「お、いま本…

内なる声に聴いた「家」を、本当に見つけてしまうまでのお話 part1

内なる声に聴いた「家」を、本当に見つけてしまうまでのお話 part1

「お前の家が南にある。家を探せ」

 5年前のある日、東京のワンルームに住んでいた僕はそんな内なる声を聴きました。

 すぐに退去届を出して家財道具をすべて処分、大事なものは段ボールに詰めて北海道の実家に送り、100冊以上持っていた本をすべて中古屋に売り、キーボードやギターも売り払って飛行機代に替え、一人で背負える量の荷物だけを持って沖縄に飛びました。アパートを出る際、一度も振り返らずに駅まで歩い

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その悪魔っぽいやつが天使だぜ。

その悪魔っぽいやつが天使だぜ。

天使と悪魔を見分けるのは簡単だ。面白い方が天使で、つまんない方が悪魔である。カッコいい方が天使で、ダサい方が悪魔である。「これをやろうぜぇ。楽しいぜぇ」。耳元で甘い誘惑を囁いてくる方が天使だ。「そんなのだめッ! ちゃんとなさいッ!」。厳しく躾けてくる方が悪魔だ。常識を飛び越えてみんなを驚かしてしまえる方が天使だ。「常識の範囲内でお願いします」とか言ってくる方が悪魔だ。悪の親玉みたいに豪快に笑ってい

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逸れた道こそメインルートだ。

逸れた道こそメインルートだ。

去年の6月頃、猛烈に生きていたくなくなったのでYouTubeばかり見て過ごしていた。botみたいな定型文しか話さない人の相手をしていると疲れてしまう。セルフレジの自動音声とか電話のナビダイヤルとか、私はあれが大の苦手なのだが、たまに生きているはずの人間まであんな感じの自動音声になっている。もういいんだよそういうのは。お前じゃなくても言えるんだよそういうのは。他人の言葉を借りて、他人の思想に唆されて

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保護した子猫の里親に、自分がなると決めるまでの話

保護した子猫の里親に、自分がなると決めるまでの話


一、真冬の別れと真夏の出遭い

去年の12月23日、飼っていた黒猫のViが逝去した。Viはまだ目も開かないうちに捨てられていた保護猫だった。拾い主さんの家で初めて出会った時、「この子の面倒は僕が見ます」と腹を決め、相棒として共に生きた。手のひらサイズだったViはみるみる大きくなり、やがて一歳の誕生日を迎えた。これまでnoteにも散々書き綴ったように、一緒にいて様々な苦労があった。Viは食いしん坊

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生きていたくなくなったら、生きてるもんの命を食らいやがれ。

生きていたくなくなったら、生きてるもんの命を食らいやがれ。

自殺未遂の経験がある人となぜかよく親しくなる。辛い出来事があって本気で死のうとしたけれどなんやかんやあって死ななかった、神様に生かされた命なのでこれからは命を大切にして生きようと思っている、という話を、なぜかみんな僕の前で話し始める。自ら命を絶とうとすることは決して喜ばしいことではない。が、そういう経験をした人はどこか肝が据わっている。だから仲良くなれるのかもしれない。打ち明けられる総数だけでもか

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理解されずとも愛す余白くらいある。

理解されずとも愛す余白くらいある。

人はいつも好き勝手なことを言う。すこしSNSの更新をしないだけで「最近停滞してるね」とか言ってくる。そんな時、実際にはDV被害から逃げてきた女性にゲストハウスの設備をしばらく使ってもらっていたりする。いきなり赤ちゃん猫を2匹保護して、お世話に忙殺されてSNSどころではなかったりする。この世界ではなんでもかんでもオープンにできる出来事ばかりが起きているわけではない。あまりリアルタイムでお知らせしない

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自由ドラゴンよ、胸を張れ。

自由ドラゴンよ、胸を張れ。

車の免許を持っていないと言うと驚かれる。「車の免許を持っていないというだけで驚いてもらえるのだな!」とわかったので、コスパの良い話題の切り口として時々活躍させて頂いている。そもそも家がなかった時期でさえなんとかなったのだから、もはや一生車の免許は要らないのではとすら思う。すべての人が同じことをできるようになる必要はない。他の人にできることが自分にはできないなんて当たり前だ。大勢の人が既にできること

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どうかここの草を刈らないで頂けますか。

どうかここの草を刈らないで頂けますか。

以前住んでいたアパートの横に、ひっそりとした草むらがあった。玄関を出るとすぐ右手に十畳ほどの急斜面があり、草がたくさん自生しているような場所だった。道路に面していたため腰下くらいの高さのガードレールに囲われていた。特に近所の家の敷地というわけでもなさそうだったので僕はたまにガードレールを越えて草の斜面に座ってぼーっとしていた。様々な植物が生えていた。暖かくなると黄色や紫、白などの花も次々咲いた。虫

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大事なことを決める時は泣き止んでいてほしい。

大事なことを決める時は泣き止んでいてほしい。

「人を助けたい」と言っている人が、心の中では「私を助けてください」と泣き叫んでいることがある。「人を癒やしたい」と言う人に限って、ご自身が病気だったり、精神的にボロボロになってしまっていることも少なくない。その人と一緒にいるだけで、多かれ少なかれ周りの人は何か痛みのようなものを感じているはずだ。「癒やす」とは真逆のことが、何もしなくても無意識に行われてしまっている。「お願いだからまずはご自分を救っ

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幻滅されてから始まるのが愛。

幻滅されてから始まるのが愛。

自分の書いた文章を人に読まれるのは怖い。中身がすべて出てしまうので、「なーんだ。そうでもないんだな」と思われてしまうのではないかという恐怖が常につきまとう。他人という生き物は、実にたくましく想像力をはたらかせてくれる。“見た目を整えて余計なことを言わない”。これだけで他人にとっての理想像でいることができる。「良い子ちゃん」でいることができる。「アイドル」にだってなれるだろう。自慢じゃないが、僕は結

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その一瞬で過ぎる時間の価値を。

その一瞬で過ぎる時間の価値を。

僕のタロット占いには時間制限がない。メニューの表記上は「30分以上〜ご納得頂くまで」と書いている。それで実際のところどうなっているのかと言うと、その時によってまちまちだ。30分どころか最初の数分で結論が出てしまって残りは雑談タイム、みたいな時もあれば、1〜2時間かけてじっくりお話しさせて頂くことも多い。3時間を超えたことはまだないと思う。あったとしても覚えていない。「語るべき言葉をすべて語る」。僕

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「当たり前」は運命を示す。

「当たり前」は運命を示す。

今年の初め、リノベ中の動画データがすべて入っているデスクトップPCの電源がウンともスンとも言わなくなった。いずれ暇ができたら編集してYouTubeなどにアップしようと思いつつ約二年分の作業風景を撮り溜めていたらこれである。たくさんの思い出の詰まった記録たちだったが、不思議と悲しんだりはしなかった。「おう、そうか」と思った。もともと執着心というものが薄いのだろう。おう、そうか。じゃあしょうがない。た

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冒険に乗る人生は楽しい。

冒険に乗る人生は楽しい。

日々宮崎のゲストハウスに訪れるいろいろな人と出会って話すという生活をしていて、僕はその人生をとても楽しんでいる。お互いにこれまでの人生で経験してきたことの質感がなんとなく似通っている人と出会えることもあって、チェックアウト時刻なんてすっぽかして数時間ぶっ通しで、されども適当な定型句や余計な建前は一切混じえず、言葉のひとつひとつを丁寧に吟味しながら大切な話ができることもある。僕はそういう体温を感じる

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僕もあなたに会いたくてここに居る。

僕もあなたに会いたくてここに居る。

社会の中でうまく生きていきたいなら本音を隠したほうがいい。これまで出会ってきた「うまく生きている人」の多くは皆一様に分厚い皮を被っていた。話していて「お、いま本心ではまったく別のことを考えているな」と思うことはよくある。さらっと服を着こなすがごとく本音を隠す。どうでもいい人に対しては天使のように愛想良く振る舞える。ある種の技芸を見るような気持ちで見事なものだなと感心しながらも、そんなことをされると

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