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台湾でも発見「マンションポエム」
好きです。マンションポエムが。
もう7〜8年前だろうか。TBS安住紳一郎アナウンサーの日曜日のラジオに大山顕さんという写真家がゲストとして招かれていて、紹介されていたのがマンションポエム。
マンションポエムとは分譲マンションのキャッチコピーのこと。
不動産会社が少しでも物件を魅力的に演出しようとつける売り文句だ。その内容があまりにふわふわしていて、あたかも詩をよんでいるかのようなので、大山さんがマンションポエムと名付けた(↓このあたりを読んでいだければわかると思います)らしい。すっごくしっくりくる表現だ。
で、そのマンションポエム、日本だけの現象なのかと思いきや、台湾にも結構あるのである。マンションの広告看板って選挙広告に負けず劣らず大きい。ついついみちゃう。
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↑たとえばコレ。「平價地王 台南世界級」。平價っていうのは比較的値ごろっていうことなんだろうけど、じゃあ地王ってなんだ? そして台南世界級ってなんだよ! 台南なのか世界なのかはっきりしてくれ!
左側にある「浩瀚無極」は……、辞書を調べてみると浩瀚無「垠」なら四字熟語として載っている。「広々として限りがない」みたいな意味らしい。が、浩瀚無極はどういうこと? なにかダジャレになっているんだろうか。
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↑続いてコレ。加賀屋? って石川のあの加賀屋? だとしても3ってなんだ? なお南紡は近くの大規模商業施設の名前なので、これは非ポエム。
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↑「藏境東區 大器傳家」。藏には隠すという意味があって、境は場所という意味。東区は台南の中心部にある区の一つなので、意訳するならば「隠された東区、代々伝わる宝物」みたいな意味かな。東区ってあんまり住宅地として人気のない区なんだろうか(そうは思えないけど)?
「富藏美學→隠された富の美学」っていうのも気になる。
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↑皇帝の龍、天が晴れる? これはいかにもポエムっぽい。
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↑これは台南市のちょっと郊外にある官田区というところで見つけた看板。
「官田の奇蹟2」。2ってなんだ。「大面寬別墅」の「大面」はメンツとか体面という意味、「寬」は広いという意味。さらに「別墅」は別荘だそうです。「自慢できる広々とした別荘」みたいな意味かな。なお、この墅は台湾マンションポエム界では相当な頻出語です。
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↑なぜプリンセス。ポエムとは関係ないが赤い矢印が何を意味しているのか気になる。
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↑右側の青い看板にある「市政栄華、明星學區」とは。
明星はスターとか花形という意味なので、「市政の栄華、花形の学区」という感じ? その下に安平國中小とあるので、きっと安平の近くにできるマンションなんだろう。調べてみると台南市の市政府は安平の近くにあるみたい。ということはこの学区は教育水準も高い学校があるのかな。それにしても市役所近くの立地ってそんな魅力的か?
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↑また出てきた「地王」。「珍稀」は珍重する、「門票」は入場券なので、「東区の王様になろう、類稀なる棲まいへの切符」という感じか? なお、この防疫を訴求する広告はよく見かける。コロナ下ならではなのかな。
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↑明朝体の感じと、最後の「――」がいかにもポエムって雰囲気を醸し出す。まったくよくわからないけど、想像するに「この邸宅に棲まうことのできる人はそう多くない。エレベーター2台に向かって献げる……」。いや絶対違うな。下手すぎる。
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↑定潮って何だろう。定まった潮流? つまり普遍的な価値みたいなことを言っている?
「層峰眼界」はよくわかんないけど日本のマンションポエムでいうところの「日本を眼下に収める」みたいなことなんだろう。写真からみるにタワマンっぽいし。この看板は台南でみかけたど、マンションは高雄にあるみたいですね。
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↑TIME OF HAPPINESS。愉楽の刻(林真理子かよ)。ところで台南に地下鉄(捷運)ってないはずだが、なにをアピールしているんだろう?
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↑濃い緑の「隈研吾台南新高度」はきっと隈研吾事務所の設計であることをアピールしたいんだろうな。この写真ではちょっとみにくいが物件名?は「研森」。隈研吾の森をイメージした物件なのかな。なんか日本人的には研ナオコのほうを思い出しちゃう。
その下の河睦はなんだろう? 和睦なら親睦という意味だけれど、河沿いにあることを何かかけている? 英語の「symbiosis」は生物との共存、共生という意味らしい。
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↑最後は個人的に一番好きなマンションポエム。
「雙公園 會呼吸的家」。雙は「双」の繁体字なので「公園ふたつ、呼吸できる邸宅」みたいな感じ? 常識的に考えればマンションで「呼吸できる」というのはあたりまえな気がするが、あえてそんな字句を持ち出すことで、空気のきれいさ、公園が近辺にある贅沢さを訴えている(はず)。
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マンションポエムってポエムなので、中国語の学習者にとっては正確にそのニュアンスを汲み取るのはかなり難しい。日本のマンションポエムだって「住む」っていえばいいところを「住まう」「棲む」「暮らす」「この街の主人公になる」とかやけに大袈裟な言葉づかいするもんね。
それに、その土地その土地に現地人が抱く印象や評判がどれだけ頭に入っているかも理解のポイントになる(東京なら港区→金持ちが住む場所、城東→下町っぽさ、など)。
逆にいえばマンションポエムがすんなり理解できるくらいになれば、中国語の習得という意味でも、現地の土地勘という意味でも、一流になった証拠といえる。
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【2022/10/29の日記】
きょうは5時半起床で漁光島のゴミ拾いボランティアに顔を出してみた。昨晩の帰宅が1時半だったことを考えると、すごい、自分、若い。聞いていた通り景色がきれいで、1/3くらい二日酔いだった脳がかなりしゃきっとした。ここでも台湾のみなさんは全員でにぎやかに写真撮影。楽しそうで本当に癒される。 pic.twitter.com/xtTb7VIs11
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
南区議員の候補者や、最後のほうは台南市長も来ていた。そこまで大規模なイベントではないけれど、選挙前だからマメに顔を売っとかないといけないのかな。記念の集合写真は市長が「◎○△□讚不讚!?」って煽って、みんなで「讚👍」と叫んで撮る形式。◎○△□には活動に参加している団体名称が入る。 pic.twitter.com/xge5N0rphv
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
そのイベントに協賛している?奇美食品が肉まんを振る舞ってくれていたので、それが今日の朝食。余っていたらしく2つ目ももらった。いずれもいわゆる日本の肉まんと一緒で、熱々で、おいしかった。帰宅後はさすがに寝た(20歳そこらなら寝なくてもなんとかなるんだろうな)。 pic.twitter.com/BPG6sM46z2
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
昼食はずっと来たいと思っていたが営業時間との巡り合わせが悪かった近所のお店。鱸魚肉湯(清湯)の大が120元、肉燥飯が20元で、あわせて140元=約640円。生姜がきいていて、熱々で、さらに毎回同じパターンの感想だが「甘くなくておいしい」。いつも肉系の湯は飽きるから、またぜひ来たい。 pic.twitter.com/BlS2iiLNmR
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
きょうはお茶愛好家の台湾人のみなさんに台湾茶レッスンをしていただいた。お茶の種類が茶葉の発酵度合いによること、最近は炭酸水で割って飲むスタイルも市民権を得ていること(香りがひきたつらしい)、茶葉を保存用に固めたおせんべいみたいな形状のものをそのまま餅乾と呼ぶこと…などなど学ぶ。 pic.twitter.com/ivgt0RGuoo
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
お団子みたいに丸めた茶葉にお湯を注ぐとき、「滾滾滾滾滾滾滾」って言ってたのがおもしろかった。滾=転がるとか、沸騰するとかっていう意味。もうきっとこの単語の意味は忘れない。どこを切り取ってもそのまま川島小鳥の写真集になりそうなおしゃれなお店だった。
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
有時甘杯https://t.co/VmB6iNr12P pic.twitter.com/MZJSEoFG06
夕食は胡麻雞絲冷麵(120元=約550円)。ちょっと麺が硬めだがゴマだれがおいしい。「きょうのセルフサービス飲料」が甘くない麦茶だったのも好感度高し。このまえ台湾人の大学2年女子が「無糖のお茶を飲む意味がわかんない。それなら水飲めばいいじゃん!」って言ってたけど、やっぱり無糖が好き。 pic.twitter.com/bjhstTvvnc
— u5505 (@u5505tainan) October 29, 2022
机に向かっての勉強時間はゼロ……。
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