面白くなってきた

何でこんなに面白くて危険な展開を用意してくれるのか、一体どういう計らいなのか。正直、日本がコロンビアを降して、そして、ポーランドを征したセネガルと次戦第2節で、決勝トーナメント進出を賭けての大一番を迎えるとは。
対戦する3チームはどれも手強いが、セネガルの試合運びと個々人の屈強さと言ったら凄くて、今大会初のアフリカ勢勝利を挙げるだけのチームではあったし、考えられ得る諸要素プラスこの勝利がどう作用して勢いをつけてメンタルに効果的に影響して、次に日本と対峙するのか、非常に不気味かつ怖い存在になってしまったなと感じる。
戦術分析やプレー分解とかプレイヤーにフォーカスということを本当はやりたいんだけど、それ以上に、日本が関わっているということで、日本人びいき的に勝利したサムライブルーと次戦ぶつかるセネガルの勝利に繋がった?!かもしれない姿勢に注目したい。
日本はコロンビアに退場者ありと数的優位でも非常によく走り走らされやり切った試合を演じた。セネガルも攻撃したいポーランドを寄せ付けないための鋭いプレッシャーを与え続けて、正に攻撃的なディフェンスを心がける徹底ぶりだった。

勝利後のインタビューで、サムライブルーの面々は、反省を口にする者や安堵又は達成感を素直に述べる者もいたが、「最後の10分間がキツかった、しかし走り切れた」とか、「厳しかったが、身体を張れた」、「集中を切らさないでプレーできた」という言葉も多く聞かれ、印象的だった。
勝利したセネガルのイレブンのコメントは手に入れられていないが、試合を見ている限りでは、最終盤でもポーランドのパスワークを自由にさせず後方へボールを下げさせるプレッシャーをかけ続けた。全くスタミナやスプリントが落ちていく様子が見られなかったのだ。

主旨はこれらの動きを何故やめることなく、最後に勝利をもぎ取るに至ったかだ。その訳は、主導権を握っていたこと、リードをしていたこと、負けたくなかった(/勝ちたかった)。この3つに尽きるだろう。
日本から言うと、コロンビアの攻撃に苦しめられることも想定内にしてゲームの流れに逆らわずに、瀬戸際でピンチを防いできた。特に良かったことを結果から踏まえると、流れの中での失点を許さなかった、これは数的不利とはいえ、次戦に向けても自信を持つべき好材料ではないか。
リードは限界突破するメンタルと、そこからくるスタミナや予測など、頭にも体力と精神力すべてに良い影響をもたらした。前半終盤から後半およそ30分に勝ち越し点を挙げるまで、1-1の長い時間でも30分超もの間で粘り強さを保てたのは、数的優位を背景に落ち着きはらっていたことが肝だった。
またメンタルを出すが、勝っているから勝ちたいし、負けたくなどないのだ。勝ちたいから負けたくないから、最後まで走るし、追いかけ回すし、敵を利用して優位に立とうとする。負けていて、かつ、上手くいっていない時に、ミスは増えて、そして徐々に集中力や強度も薄れて失ってしまうものだが、勝っているというリードしている状況が精神安定剤になって、気持ちでもプレーしているが更にその気持ちを堅固なものにして、何をも諦めずに最後まで足も敵を上回ることも、止まらなかったということに来て、全てが上手く作用して遂に、勝利を収めた。

セネガルでもどのチームについても、ウィナーありきの結果論ではあるが、負ける気がしない試合運びを展開するし、簡単なミスをしないし、足も止まらない。
それは何故かといえば、優勢も劣勢も織り込み済みで、攻守で積極的かつ自主的にプレーして、例え失点を許したとしても一喜一憂しないで、ゲームを再構築してコントロールする。
その結果、相手のミスを誘発したり、気持ち良くプレーさせないことでイライラを募らせて、敵の集中力を削ぐことにも至って、試合巧者となる。敵が思い通りにならない様子を見るにつけ、味方や自分自身のプレーが相手を効果的に封じていることも理解できるし、敵ミスを糧にしてリラックスして心地良くプレーできる。
そのような好循環を繰り返して、今後の注目カードで勝者が生まれるのか。日本は昨夜のコロンビア戦のような栄光を積み重ねるのか。試合が終わった時に、一体誰が勝つのか、その勝利の背景に何があるのか。
一流プレイヤーや強豪チームにも目を離すことは出来ない。得点シーンにもだ。しかし、試合全体の流れやバランス、どちらのチームがより思い通りにプレー出来ているかにも注目したい。メンタルを腐らせることなく、最後までプレーするところに、もっと目を凝らそう。


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