稲田友

NTTコミュニケーションズで学校向けサービス「まなびポケット( https://man…

稲田友

NTTコミュニケーションズで学校向けサービス「まなびポケット( https://manabipocket.ed-cl.com )」のプロダクトオーナー。 2021.9からデジタル庁で教育分野のプロジェクトマネージャーも兼業で務めています。

マガジン

  • 教育ダッシュボードのつくりかた

    教育ダッシュボードのつくりかたについて、4回の記事でまとめています。 どんなデータを可視化するのか、どうやってデザインするのか、どんなシステムで実現するのか。 学習eポータル:まなびポケットで教育ダッシュボードの機能を開発した際に得られた知見や考え方を公開し、教育ダッシュボードをこれからつくる・アップデートする人のヒントになればと。

  • 教育とAI

    教育とAIについて、自分が書いた前後編をまとめています。

  • 国のセキュリティガイドラインを無視してシステム設計してみた

    【追記】2021年5月28にガイドラインの改訂版が公表され、本記事の内容はガイドラインの範囲に変更されています。ゲシュタポに拘束されてボコボコにされるかと思っていたけど、、、良かったですー【追記終わり】 文部科学省は「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を公表しています。 ただ、その内容は境界防御を前提とした校務系・学習系という括りでのネットワーク分離を前提とした内容のため、いわゆるゼロトラスト型の構成がセキュリティ対策例としては許容されていません。 そのため、思い切ってガイドラインを無視してシステム設計をしてみた、という連載です。

  • "休校が延長するとしたら" 校長先生になった気で具体策を練る

  • 学校ICTの日常化を阻む元凶は授業支援システムではないか?

    4回連載で「学校ICTの日常化を阻む元凶は授業支援システムではないか?」を書きます。

最近の記事

教科書単元オープンバッジ(名前がヒドイのでネーミング募集)

今回も前回に引き続き、デジタル教科書のこと。 と言ってもいわゆるデジタル教科書そのものではなく、教科書単元とオープンバッジについてのアイデアを書いてみます。 なお、このアイデア自体はデジタル庁で一緒に仕事している後藤さんの発案。もし「いいね」と思ったら、11/30に東京・中野でやっている以下の演奏会にご参加ください(入場無料!!)。 ※後藤さん、EdTech企業の社長やりつつ、デジタル庁にも所属していて、プロの指揮者という変人なのです。 教科書単元オープンバッジ(ネーミング

    • 【現場から声をあげて欲しい】デジタル教科書の設定を楽にしたい(切実)

      前々回に引き続き、デジタル教科書のことを書いてみます。 今回は色々突っ込んで自分なりの考えを書いていますが、あくまで個人の意見として書いていますのであしからず。 そのうえで、学習eポータル:まなびポケットの責任者として対応していくことも書いています。 ※所属組織を代表した発言ではない、ということでご理解を 「デジタル教科書、利用するまで大変」問題今年4月ごろにSNSでそれなりに話題になった件。デジタル教科書、利用するまでがかなり大変、という話です。 しまいには

      • 学びのデータは誰のもの?

        うぅ、バタバタしていて2週間空いてしまいました。これ以上間が空くと長期で書かなくなりそうなので、、、 昨日、JAPET&CECの教育ICT課題対策部会のウェビナーに参加させてもらったので、そこで話したことを1時間1本勝負で文字化してみたいと思います。 資料だけ見たいよ、という方は以下で。 今回は上記の後半部分、個人の意見として記載したP19以降を書いてみます(P1-17がデジタル庁として、P18がNTT Comとして書いているので、この場では割愛)。 テーマは「学びのデ

        • デジタル教科書ってサブスクじゃダメなの?

          今回は先週、文部科学省でのデジタル教科書に関するワーキングも始まったこともあり、デジタル教科書関連の話をしてみます。 デジタル教科書については諸々論点あるので、数週に渡って色んな角度で書いてみたいと思います(と言いつつ、今回だけになったらすみません)。 なお、突拍子もないこと書いたりしますが、あくまで個人の意見として書いています。当然ですが自分が所属する組織の意見でも何でもありません。あしからず。(リスクヘッジ) デジタル教科書のこれまでと現状前述の通り、次の学習指導要領

        教科書単元オープンバッジ(名前がヒドイのでネーミング募集)

        マガジン

        • 教育ダッシュボードのつくりかた
          4本
        • 教育とAI
          2本
        • 国のセキュリティガイドラインを無視してシステム設計してみた
          3本
        • "休校が延長するとしたら" 校長先生になった気で具体策を練る
          5本
        • 学校ICTの日常化を阻む元凶は授業支援システムではないか?
          4本

        記事

          フィンランドの学力はなぜ下がったのか?

          前回の「GIGA時代の新しい中心概念?自己調整学習・AARサイクルとは?」の後半で、「自己調整の学び」について という考察の紹介をしたりしていました。※前回の内容は以下にて 先々週話題になった「フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?」という動画が、上記に近い話が内包されていたので、この動画の紹介と、自分がこれを見たあとのリアクションや感想などを書いてみます。 ※今回は明確な結論がなく、ヤマなし・オチなし・意味はあるかも、ぐらいの内容なので、ゆるい気

          フィンランドの学力はなぜ下がったのか?

          GIGA時代の新しい中心概念?自己調整学習・AARサイクルとは?

          お盆休みで1週休みましたが再開。 前回、OECD Learning Compass 2030の解説をしたので、今回はその中で紹介されている学習モデル:AARサイクルや自己調整学習について解説してみます。 ※OECD Learning Compass 2030を解説したnoteは以下です。2nd GIGAを検討中の人は是非一度読んで欲しいです。 「令和の日本型教育」で重視された「自己調整の学び」タイトルで「新しい」と書きましたが、概念自体は2006年の教育基本法改正で学びの主

          GIGA時代の新しい中心概念?自己調整学習・AARサイクルとは?

          今さら?今だから理解しておきたいOECD Learning Compass 2030

          今回はOECD(経済協力開発機構)が2019年に公表した「OECD Learning Compass 2030」を解説してみます。 「何で5年前のコンセプトノートを今さら」って感じですが、本書は名称通り"2030年に向けた学び"がテーマになっています。今まさに全国で検討中の2nd GIGAもおおよそ2030年までのデジタル学習環境。 なので、今こそ改めて見るべき資料だと考えました。 5つのポイントに分解「OECD Learning Compass 2030」は人によってはな

          今さら?今だから理解しておきたいOECD Learning Compass 2030

          "個人情報の不適切管理"報道への対応策を考えてみる

          今回は前回の「"個人情報の不適切管理"報道を整理してみる」で書いた課題に関し、対応策を考えてみます。 今週は早めの夏休みでお休みをもらっており、確保できている1時間一本勝負で書いてみます! おさらい。個人情報の不適切管理報道の整理。改めて"個人情報の不適切管理"報道を整理したnoteは以下です。 問題と思われる部分をまとめると以下です。 アプリ事業者が、個人情報を直接取得しており、学校教育として本来は行政が監督すべき情報の管理・利用に関与できていない 事業者が利用目的

          "個人情報の不適切管理"報道への対応策を考えてみる

          "個人情報の不適切管理"報道を整理してみる

          今回は7/14に報じられた以下の報道について、論点や指摘されている問題点を整理してみます。 今週は多くの学校関係者から本件について解説を求められる機会もあり、折角なのでnoteにまとめてみようかな、と。 なお、法律は専門領域ではないのですが(大学では経済専攻。その意味ではデジタル庁に勤めるほどデジタルも専門ではない苦笑)、仕事柄、法令読んで解釈しないといけないことも多く、その作業は結構好きなんです。 そのレベルなので、もし認識誤りなどあったらバシバシ指摘いただけると助かりま

          "個人情報の不適切管理"報道を整理してみる

          "環境を通して行う教育"とデジタル

          今回で3週間連続。 【推しの子】方式で4週書いて1週休むを目標にしてみようかしら。 今回は「教育データの利活用に関する有識者会議」での上智大学の奈須先生の話がとてもステキで、皆さんにも是非見てほしいと思ったので、そこから端を発して好きに書いてみたいと思います。 どんな話だったのか?自分が何かを書くより、実際の内容や資料のほうが圧倒的に有用だと思うので、リンクを貼ってみます。 上記動画はYoutubeライブのアーカイブ。なのでいずれ消えてしまうはずなので、見たい方はお早め

          "環境を通して行う教育"とデジタル

          「不登校予測」の気持ち悪さと大事さ(後編)

          今回は週次で書けています。前回の続き、後編です。 前回の内容は以下で。 前編の振り返り前編の内容をAIで要約すると以下でした。 ということで、前編は「不登校予測」の懸念点・モヤモヤ起点で書いていたので、今回は重要性を起点に書いてみます。 NHKが"障がい者"と書かない理由前編では「不登校予測」のモヤモヤを、①プライバシー、②予測精度、③統計的差別、④そもそも不登校って問題なのか、の4つを挙げました。 そのなかで「不登校=悪いもの、みたいな風潮が個人的にモヤモヤしている一

          「不登校予測」の気持ち悪さと大事さ(後編)

          「不登校予測」の気持ち悪さと大事さ(前編)

          毎週のつもりが1週空いてしまいました。毎週は難しいかもですが、無理ない範囲で情報発信を続けていきたいと思います。 今回は、教育データの利活用という話のなかで目にすることが多い「不登校予測」について、率直な考えを書いてみます。 色んな角度でツッコミ(お叱り?)が入りそうなことを書いちゃう気がしますが、異論・反論・意見などなど、いただけると嬉しいです。 社会問題となっている不登校の増加最初に、もう皆さん知っているので書く必要ない気もしますが、不登校の急激な増加について。以下の

          「不登校予測」の気持ち悪さと大事さ(前編)

          国の「審議のまとめ」にパブリックコメントしてみませんか?

          お久しぶりです。 前回の投稿から半年経ってしまいました…。なかなかnote書く時間が確保できず、、、 でも最近、学校現場や教育委員会の方々とお会いする機会が多いのですが、「note読んでます」「更新待ってます」と仰ってくれる方がとても多く、また少しずつでも発信してみようかと思い始めました。 復帰1回目は何を書こうかな、と考え、ちょっと前に報道やSNSでも話題になった 「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)

          国の「審議のまとめ」にパブリックコメントしてみませんか?

          教育ダッシュボードのつくりかた④ ~どのシステムでダッシュボードをつくる?~

          第1回、第2回、第3回に続き「教育ダッシュボードのつくりかた」の第4回目です。今回で最終回。 これまではダッシュボードでどんなデータを取り扱うのか、それをどう表現するのか、を書いてきました。 最終回の4回目は、技術やシステム構成について書いてみたいと思います。 この記事は主にまなびポケットのダッシュボード機能の開発過程で得られた知見・考えたことなどを公表する形で書いています。 この辺り、12/20に開催されるウェビナーでも詳細話します。もしご意見・疑問・苦情などなどあれば、

          教育ダッシュボードのつくりかた④ ~どのシステムでダッシュボードをつくる?~

          教育ダッシュボードのつくりかた③ ~ラーメン屋から学ぶ活用されるダッシュボード~

          第1回、第2回に続き「教育ダッシュボードのつくりかた」の第3回目です。 3回目で中だるみしそうなので、タイトルだけ無駄に爪痕残りそうなものにしてみました苦笑 この記事は主にまなびポケットのダッシュボード機能の開発過程で得られた知見・考えたことなどを公表する形で書いています。 この辺り、12/20に開催されるウェビナーでも詳細話します。もしご意見・疑問・苦情などなどあれば、遠慮なくその場でぶつけていただけたらと。 前回のおさらい毎度ですが、前回(第2回)のおさらいを簡単に。

          教育ダッシュボードのつくりかた③ ~ラーメン屋から学ぶ活用されるダッシュボード~

          教育ダッシュボードのつくりかた② ~カスタマージャーニーマップをつくろう~

          前回に続き、「教育ダッシュボードのつくりかた」の2回目です。 一応、4~5回見込みの長い記事になってしまいますが、まなびポケットのダッシュボード機能をつくる過程で得た気づきなどをできるだけ共有していきたく、そうなると色々観点あって長くなり、、 本来は自社の競争優位のために公開しない情報だったりするので、珍しがっていただき、お付き合いいただけたらと。 ちなみに、まなびポケットのダッシュボード機能については、以下でウェビナーをやることになっています。 noteで不明点あれば、以

          教育ダッシュボードのつくりかた② ~カスタマージャーニーマップをつくろう~