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2025年入試の時事問題を考える その3

無料公開記事その3です。
今日は来年の入試で要注目の新紙幣に関する時事問題を紹介します。

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2025年入試の時事問題を考える|田中則行 (note.com)

2,2025年入試の時事問題を考える①~今年の注目ニュース

 2025年入試で狙われそうな時事問題を紹介していきます。掲載順は出題されやすいと考えているものです。ただし、後の方が出にくいわけではありませんし、今回紹介しなかったものでも入試で取りあげられるものももちろんあります。とはいえ、全てを扱うのも効率的ではありません。選択と集中で時事問題に取り組むのが有効です。
 今から述べるのは、2024年もしくは2025年のニュースです。

(1)新紙幣発行 

 2024年7月に新紙幣が発行されます。これはすでに発表されていたことですので、2024年入試でもよく見られました。今年の入試も踏まえて、実際にどのような大問が出題されるか紹介します。

①紙幣の肖像画(人物史)


 出題として最も可能性が高いのが肖像画に選ばれた人物に関する歴史です。今回でいえば渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎がそうです。彼らの生涯を通して近現代史について聞いてくる可能性は十分にあります。またAタイプの問題として裏面に描かれているもの(東京駅・藤・『富嶽三十六景』)が聞かれる可能性もあります。
 通史全体を幅広く聞こうとするなら歴代の肖像画を用いることも考えられます。これまで紙幣の肖像画には、聖徳太子、菅原道真、夏目漱石、新渡戸稲造、福沢諭吉、野口英世、樋口一葉など、これまで授業で学んだ人物が選ばれています。授業で学習した、よく知られている人物を通して通史を聞いてくることは十分に考えられます。
 この問題の対策は2つです。1つは主な人物とその業績を押さえることです。もちろん人物名も漢字で正しく書けるようにすることも重要です。知識を正確に入れておきましょう。
 もう1つはテーマ史として扱うことです。各人物が活躍した時代からその時代の特徴まで押さえることで対策をして下さい。

②お金の歴史


 原始時代の物々交換から富本銭に和同開珎の鋳造、宋銭に明銭の使用、佐渡金山や石見銀山の金銀を利用した貨幣の鋳造や明治時代以降の紙幣の発行と、これまでの日本のお金の歴史が出題される可能性があります。
 基本的にテーマ史ですので、各時代の特徴を流れで押さえておけば問題ありません。それに加えてお金に関する歴史用語、例えば先ほど紹介した富本銭や和同開珎などを押さえておけば大丈夫でしょう。
 時事問題を絡めた歴史分野の問題は基本テーマ史です。歴史分野は授業で習ったこと以外、すなわち日本史の領域のものはほとんど出ません。テーマ史という切り口に惑わされずに対応できればむしろ高得点を狙うことができるでしょう。

③現在のお金の仕組み、その他


 公民分野ではお金の働きや新紙幣の特徴キャッシュレスに関する問題が出る可能性が考えられます。
 お金の働きは、「交換の手段」「価値の基準」「価値の貯蔵」があります。それを押さえておけば十分でしょう。
 新紙幣の特徴は偽造防止やユニバーサルデザインについて聞いてくるでしょう。これらは現在扱っているテキストにはほとんど載っていません。秋以降の時事問題集を読むか、実際に新紙幣を手に取り、他の紙幣と比べることでどのような工夫をしているかを体感するといいでしょう
 キャッシュレスについても触れていないテキストが多いです。しかし、日常生活で交通系ICカードを通してキャッシュレスを体験しているはずです。キャッシュレスについては消費者と小売店それぞれにおけるメリットとデメリットを押さえておくとよいでしょう
 公民分野については実際に経験しないと分からない、対策が難しいものが多いです。無駄づかいはいけませんが、実際にお金を使うことで、お金の仕組みについて深く考えるといいでしょう。
 最後に地理分野ですが、出題される可能性があるものとして紙幣の原料であるこうぞ・みつまた、またそれらを用いて作られる和紙の伝統的工芸品の出題が考えられますが、歴史分野や公民分野とは異なり、小問として数問扱われるのが限界だと思われます。
 可能性は限りなく低いでしょうが、紙幣の肖像画に選ばれた人物の出身地の地理を聞く可能性も考えられますが、そこまでいくと時事問題としての対策は考えなくていいでしょう。

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