中井千恵

陽だまり動物病院の院長です

中井千恵

陽だまり動物病院の院長です

最近の記事

ハムスターの脱毛

    • 安楽死について

      最近、ワンちゃんの安楽死処置を行いました。人だと「尊厳死」って言ったりします。日本では認められてないので、以前、患者に頼まれて実施した医師が逮捕されたなんてニュースがありました。 動物は、あります。普通に。とは言っても、当院では滅多にありません。海外は割とすぐに安楽死します。「癌」の診断がついたら、まだ全然元気でも、苦しむ前に安らかに眠らせてあげようという感じです。 私の中で、飼い主様が希望されたら実施しますが、一旦、よく家族で話し合ってもらったりします。家族の総意なのかは、

      • 犬の慢性鼻炎

        今、うちの動物病院は、慢性鼻炎の犬や猫が多く通っています。犬はダックスフントが多いです。鼻水が止まらないのです。原因を特定しようといろいろ検査はしますが・・・。結局、原因が特定できず・・・なんてことも。 自分の息子が幼いときに、いつも鼻炎に悩まされていました。「鼻をかむ」ということが、うまくできず。「ふんっ」って出すんだよと教えても、なかなかできませんでした。犬も同様に、鼻水をふんって外に出すんだよと言ってもわかるわけがありません。結果、蓄膿症のように膿が鼻腔内にたまったり

        • ペットの腎機能低下と血圧測定

          腎不全とは、読んで字のごとく腎臓が働いてない状態です。人間だと透析が必要な状態ということ。動物では現時点では「透析」という方法は現実的ではありません。一つには、血管がそうそういくつもなんどでも使えるわけじゃないこと。そして、もうひとつはそのコスト。とても通常の臨床現場で気軽に行える金額ではありません。 動物の場合、腎不全というよりも腎臓機能低下の時点で治療をしないとどうにもならないということになります。完全な腎不全に陥ってからだと、もう手立てはありません。早期発見して、残さ

        ハムスターの脱毛

          マイクロチップの威力

           朝の診療開始前に一人の男性が駆け込んできました。 「犬とバイクがぶつかって、犬が死にそうだよ!」 聞けば、この方は事故の目撃者で、現場まで来てくれという事でした。現場までは車で5分くらいでつきました。 大きな幹線道路の脇の歩道に、大型犬が横たわっていて、そのそばに男性が二人。一人は原付バイクを運転していて犬にぶつかった方でした。 30kg以上はあると思われるその犬は、すでに心肺停止で、瞳孔も開いていました。 警察を呼んだとのことで、事故の処理などはおまかせし、犬を

          マイクロチップの威力

          ササミは尿石症の犬に与えてはいけないのか?

          先日、飼い主さんから、「尿石症の犬にササミを与えてはいけないとネットにあったのですが本当ですか?」と聞かれました。 正直なところ、そんな話は聞いたことがありませんでした。それで、ネットで調べてみると、なるほどそんな風に書かれている記事を見かけました。というか、「犬 尿石症」で調べると、まぁまぁたどり着きます。その記事によると、なぜササミがダメなのか、「リンが多く含まれているから」とのことでした。 ササミ以外の肉と、比較してリンの含有量が特別多いのでしょうか。調べてみました

          ササミは尿石症の犬に与えてはいけないのか?

          犬のワクチンアレルギーを軽く考えたら、危険!

          暖かくなってきましたね。4月から狂犬病ワクチン接種のシーズンが始まります。公園などでの集合注射や動物病院でのワクチン接種で、1年のうち一番ワクチン接種される犬が増える時期です。病気の予防のためのワクチンですが、犬によっては接種後副反応が起こり、重症だと命を落とすこともあります。 当院ではワクチン接種をした後、最低でも15分程度は院内にいて様子をみさせていただいています。ワクチン接種後の副反応で、軽いものはワクチンアレルギーと言われ、1〜4時間くらいたってから顔が腫れたり、下

          犬のワクチンアレルギーを軽く考えたら、危険!

          犬とネコ、そしてウサギの膀胱結石

          犬も猫も、ウサギも膀胱結石ができます。 小さなものなら、尿と一緒に排出されることもありますが、大きくなってしまったものは、手術で摘出しなければなりません。放っておくと、膀胱炎の原因になったり、尿道に石が転がって引っかかってしまうと、「尿閉」という状態になり、排尿できなくなります。膀胱はパンパンとなり、尿毒症を発症します。そのまま尿が出ない状態が続くと、最終的には死亡します。 膀胱結石には、いくつか種類があります。ネコで多いのはリン酸マグネシウム結晶であるストルバイトです。ア

          犬とネコ、そしてウサギの膀胱結石

          猫の伝染性腹膜炎

          猫の伝染性腹膜炎という病気があります。 症状は、大きく分けて2種類あって、腹水や胸水が溜まってしまうウェットタイプと、肉芽腫ができて神経症状等を発症するドライタイプです。 原因はコロナウイルス。と言っても、今人間界で騒がれてる新型コロナウイルスではありません。以前より猫の間で感染する猫特有のコロナウイルスです。 感染経路ははっきりわかっていませんが、経口感染が有力です。舐め合ったり、フードを介して感染するということですね。 感染しても無症状の猫も多いです。潜伏期間も短い

          猫の伝染性腹膜炎

          老犬の顔の腫れ-歯周病

          「目の下が腫れてきた」ということで、来院されるわんこがいます。老犬に多いのですが、原因としてかなりの高確率で、「歯根膿瘍」が疑われます。 歯根膿瘍とは、上の奥歯の根っこが歯槽膿漏のため化膿して、炎症を起こし膿が貯まることです。顎の骨が溶けて、ついには顔の皮下にも炎症、感染が進み、ひどいと皮膚が破れて膿が出ます。 内科的な治療は抗生物質の投与ですが、繰り返すことも多く、完治のためには抜歯が必要になること少なくありません。 奥歯は歯の根っこが2〜3本あるため、一つの根っこが化

          老犬の顔の腫れ-歯周病

          自己紹介

          動物病院を開業して、18年になります。ホームドクターとして365日仕事の毎日。日々の診療の中で思うことを時々発信します。

          うさぎの心不全

          ウサギさんにも、心不全はあります。でも、早期に発見されることは稀です。また、具合が悪くなって病院でみつかることもまた少ないです。多くは、急性心不全で急に亡くなります。亡くなる直前まで、元気に動いて、食べて、ウンチしてる子が多いと思います。 先日、食欲不振のウサギさんが来院し、呼吸が荒かったので、胸のレントゲンを撮りました。心臓が大きくなっていて、胸腔の2/3くらいになり、肺を圧迫していました。 そっと、心臓に超音波を当てて、心臓の内部を確認すると、心臓の壁は薄くなってました

          うさぎの心不全