犬とネコ、そしてウサギの膀胱結石

犬も猫も、ウサギも膀胱結石ができます。
小さなものなら、尿と一緒に排出されることもありますが、大きくなってしまったものは、手術で摘出しなければなりません。放っておくと、膀胱炎の原因になったり、尿道に石が転がって引っかかってしまうと、「尿閉」という状態になり、排尿できなくなります。膀胱はパンパンとなり、尿毒症を発症します。そのまま尿が出ない状態が続くと、最終的には死亡します。

犬から摘出した膀胱結石
1ヶ月以上、頻尿と血尿が続いてました。

膀胱結石には、いくつか種類があります。ネコで多いのはリン酸マグネシウム結晶であるストルバイトです。アルカリの尿で結晶になります。
一方、酸性の尿でできるのがシュウ酸マグネシウム結晶です。尿を適性な弱酸性に維持して、材料となるミネラルを制限することで予防します。療法食も出ていますが、野菜の多給、ミネラルの多量な摂取を控えるだけで、治ることも。「減量のために、ドッグフードにお野菜をたくさんいれて、煮干しもトッピングしてます。」一見、健康に良さそうですが、野菜の多給は尿をアルカリ化しますし、骨ごと食べる煮干しはリンとマグネシウムご豊富です。尿石症にご注意を!

うさぎは、もともと尿が濁っています。尿を顕微鏡でみると、正常でも炭酸カルシウム結晶が見られます。白っぽい濁った尿が出ていても、それ自体すぐには異常になりませんが、量が多くなったり、膀胱の中で結石となってしまうと、血尿が出たり、尿閉になったりします。うさぎさんの場合、カルシウムを多く摂取していることが原因になることが多いです。牧草ではチモシーよりアルファルファの方がカルシウムの量は多いとされています。また、うさぎ用のサプリメントの中には脱脂粉乳が使われているものもあり、カルシウムの量が多くなってしまいます。そもそも草食動物のウサギに脱脂粉乳は必要ないものと思うのですが・・・。販売されていたら買ってしまいますよね。与える量にも気をつけたいところです。

ウサギの膀胱結石のレントゲン写真
メスですが、尿閉となった症例

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