「コード2035」とはなんぞや?

我々を助けてくれるのは中国だけだ!」

大統領は、詰めかけた記者たちを前にして、強い口調で言った。

これは、新型コロナウイルスによって、感染爆発が続くヨーロッパの小国・セルビアでの話。

EUへの加盟が認められず、孤独を深めていたセルビアだったが、ある時突然、空港に中国からのチャーター機が降り立った。

大統領自ら、中国の支援チームと、20万枚もの医療用マスク・人工呼吸器を出迎え、その様子はテレビの生中継で大々的に報じられた。

「困ったときに助けてくれるのが真の友人だ。我々は中国からの支援を忘れない」

世界で最初に新型コロナウイルスの感染に見舞われた中国は、2月、いち早くウイルスへの勝利宣言を行った。

その後、各国に対し、医療物資や医師団を送る外交を次々と展開していた。

それに対し、各国の反応は?

絶好のタイミングで必要なものが届けられた。マスクなどの用品は大きな励みになる。」・・スペインメディア

「中国とフランスは団結し戦っている。中国のこの措置は賞賛に値する。」・・フランス政府

さらに、ヨーロッパで最大の被害を受けたイタリアでは、支援物資が届くと、中国国歌がローマの住宅地に響き渡り、

「我々は中国からの支援に非常に感謝している、送られてきたマスクはとても貴重だ。神からの贈り物のようだ。」

と、報じられた。

そして、中国の支援はヨーロッパにとどまらず・・アフリカ諸国にも広がっていった・・

この外交は「マスク外交」と呼ばれ、「ウイルスは中国の武漢から漏れたもの」「中国政府の隠蔽が感染拡大の原因」といった、中国についてのマイナスイメージから目を逸らすためのものだ。

否!それだけではなく、いち早くウイルスを克服した「世界の救世主」のポジションを狙っているのだ。

・・そのように、日本のメディアやチャイナウォッチャーと称する評論家たちが伝えているのを、耳にした人も多いと思いのではないでしょうか。

しかし、実際のところ、この大規模なマスク外交の裏には、単なる中国の責任逃れや、高感度アップ以上の、綿密に計算された“ある恐ろしい狙い”が潜んでいたのです・・

日本の報道やネット情報では決して見えてこない中国の“本当の狙い”とは何なのか?

「中国の急所」と呼ばれている「台湾」の情報源を通して見ることで、その本音が鮮明に浮かび上がってきました。

「コード2035」コロナの水面下で動く・・習近平の野望

「中国製造2025」

これは、かつて習近平が打ち出した戦略で、ハイテク産業への進出によって、2025年までにアメリカの技術覇権を奪おうというもの。

これがアメリカの怒りを買い、2018年、米中経済戦争が勃発。

アメリカの関税引き上げによって打撃を受けた中国は「中国製造2025」について、ピタリと口にしなくなってしまった。

しかし、習近平はその野望を諦めたわけではなく、次なる戦略を企てていた。

2017年、北京で開かれた中国共産党大会。

3時間20分にわたる長い演説の中で、習近平は・・

「中国は2035年までにイノベーションの先進国に成長する」と宣言。

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建国100周年に当たる2049年までに、世界の経済・軍事・政治におけるリーダーの地位をアメリカから奪取するという、当初の目標を15年も前倒しにすると決めたのだ。

そこから中国の全ての行動は、2035年に向けて動き出したのだ。

「車線変更で一気に追い越せるチャンスだ。」

習近平の発表を受け、ある政府高官はこう言い放った。

どいうことか?というと、AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの最新技術の“国際規格”はまだ確立されてはいない。

かつてビデオの企画戦争で、後発のVHSがベーターを打ち破り、世界市場を席巻したように、これらの分野で、中国がいち早く標準を確立すれば、世界中が中国製品を使わざるを得なくなる。

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あらゆる国の政府、企業、人の個人情報を、間接的にコントロールすることができる。

そうして、一気にアメリカを追い越そうという狙いだ。

そこで打ち出されたのが、「中国標準2035」

5GやIoT、暗号通貨、自動運転技術など、未来を担う最先端技術において、中国が国際標準の座を手にするという戦略だ。

党の強権を使い、国内規格の統一に乗り出した中国。

今年の1月、ようやく2年に及ぶ準備期間を終えたと発表した矢先、武漢コロナウイルスが発生してしまった。

ウイルスによって、世界の中国離れがすすみ、計画は頓挫してしまう・・と思いきや、習近平はこの機会を、一気に「中国標準2035」を推し進める絶好のチャンスだと考えた。

そこで、まだ世界が危機感を抱き始める前の今年1月。

感染爆発の事実を隠蔽すると同時に、世界中の中国系企業や個人に命じ、22億枚ものマスクや体温計、除菌シートなど、大量の医療物資を買い占めさせ、本土へと送らせていたのだ(米政府の内部報告書が発表)。

事実、医療物資の輸入量が昨年の270%に急増する一方、密かに輸出量を減らし、世界に出回る量を抑えていたのだ。

そして、こうした動きをカモフラージュするため、2月に予定していた1月の貿易統計の発表を突然中止に・・

「今年から1・2月の統計をまとめて発表する」と素っ頓狂な事を言って、3月、世界で感染が拡大した頃に、ようやく1・2月分の貿易統計を発表。

ちなみに、中国がこのような戦略で動いている事を全く知らない日本政府は、東京都をはじめとして、あらゆる県から、善意で中国に12万着もの防護服や、大量のマスクを送るという、これまた素っ頓狂な行動に出てしまっている。

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中国はそうして世界中から集めた医療物資を、今度は人質のように世界に輸出。

世界の医療・福祉分野での主導権と、中国製品の浸透を一気に進め、コロナ以降の世界の新しい基準を作ろうとしている。

中国はWHOと連携し、「健康シルクロード」という新たなスローガンを打ち出すことで、世界各地に中国発の医療・福祉産業を浸透させようとしているが、これは国際標準を握るという本音を隠すための建前でしかない。

覇権を争って対立するアメリカが、コロナの感染拡大によって経済・軍事的に停滞しているスキに、中国は善意の支援という名のもとに、アジア・アフリカ・ヨーロッパへと、一つ一つ、オセロの駒をひっくり返すように、じわじわとそのシルクロードを広げているのだ。

AI・ビッグデータを駆使して、カネの動きから、SNS上の日常会話、極めつけは現在地まで、あらゆる個人情報を共産党が握っている国、中国。

健康を入り口に、その中国がつくった国際標準にひとたび巻き込まれてしまえば、国際機密から、企業、果ては個人情報まで・・全てが抜き取られ、管理されることになるのは見えている。

ちなみに、我が国日本も、中国からマスクや防護服の支援を受けているばかりか、ウイルス発症の地であり、第二波の感染が見られている武漢から、日本に向けて、海・空の貨物定期便が動き出している始末です。

このままでは、アフリカやヨーロッパの一部の国が侵食されてしまったように、日本もそのシルクロードに組み込まれてしまう日は近いのかもしれません・・

いかがでしたか?

コロナの発生源で、世界中に感染を拡大させた犯人であるにもかかわらず、この事を逆手に取って世界覇権を握るためにしたたかな戦略を実行している国、中国。

今の私にできること・・それは中国の本性を日本国民に少しでも伝えることができたらと思っています。

・・おしまい・・

【参考】『ワールド・フォーキャストレポート』藤井厳喜

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