ことばを集めて新聞記者になった話(3)
新聞記者となった僕は、まず地方都市に配属された。
研修で伝えられた、「初任地は第二の故郷になる」「地方時代は第二の青春」という言葉は、まったくその通りだった。僕はそこで、記者という仕事の基礎を叩き込まれ、そして学生時代おろそかにしていた恋愛を含む、人と関わることの全般を学んだ。
駆け出し記者の日常は慌ただしい。平日休日を問わず、事件事故が起きれば布団から飛び起きて、現場に急行した。丁寧で正しい取材があってはじめて、多くの人に伝えるに値する情報が届けられる。それが記者稼業の