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結婚式は幸せのお裾分け

青色のスーツを着て、ネクタイを締める。アップバングにし、綺麗めなピアスをつける。

高校時代、いつも一緒にいた友人の結婚式があった。

この記事に出てくるマリである。

入籍をして何年も経っており、子どもが二人いる。旦那さんとも仲良くしてもらっている私は、双方から個々になんとなく結婚式への悩みは聞いていた。話は聞けても、申し訳なさすぎるが独身の私からは的確なアドバイスができるわけもなかった。

しかし、月に一度集まっている私たち高校グループがマリの家で談笑していると、

「発表があります!」

と言い、私たちは三人目の妊娠かと思ったが、結婚式を挙げるという朗報中の朗報だった。普通に泣いた。

そして先日、出席。

まず旦那さんが二人の子どもと手を繋いで登場した瞬間に泣いた。からのウエディングドレスを着たマリを見た時には文字通り涙腺崩壊した。

神父が二人のサインした紙を広げてこちらに見せ、子どものような笑顔を向けたり、子どもたちにハイタッチをしたりとお茶目な一面を見せるなど、和やかな空気でもあった。

子どもたちは緊張していた感じだったのに、神父にハイタッチをされるとゲラが発動してシンとした式場に笑いが起こり、「いつも通りのうちらだね」なんて一緒に参列している友人と言いながらすぐに披露宴の時間になる。

写真を撮りまくり、料理を食べまくり、友人たちと話したり爆笑したりとしていると時間はあっという間に過ぎていった。

そしてお色直しでマリが退場するとなった時。親族の中から誰か一人を選んで一緒に退場する、ということが多いと思うが、まさかの私たちを選んでくれていた。

マリを除いて5人だ。皆で嬉し涙を皆流しながらマリの元へ行き、6人で退場した。人数が多いため、ウエディングドレスの裾を持ちながら退場口まで行き、最後に会場へ向かって一礼と手を振った。

お色直しから帰ってきて、さあ写真撮りまくりの時間が来たぞと言わんばかりに撮って話して、もはや私たちが占領してしまっていたのではないだろうか。申し訳ない。

でも、サプライズとして友情リングを用意し、6人でお揃いのリングをはめた。嬉しい。

と、思っているとマリの両親が「楽しそうだから私たちも入れて〜!」と旦那さんとマリの後ろに、参列していた友人の旦那さん含め9人並んで撮ったりもした。高校時代からよく交流をしてくれていた2人。相も変わらず元気で何より。

ようやく席に戻ると、「いとしさんですか?」と可愛い女の子が話かけてきた。困惑していると、「〇〇です!」と女の子は名乗る。

高校2年だかの頃に私はマリの親戚がBBQをやるとのことで誘われ、混ぜてもらったことがある。その時、妙に懐いてくれた当時まだ小学校低学年くらいの従姉妹ちゃんがいた。

声をかけてくれたこの子こそが、あどけない笑顔で私の膝の上に座っていた従姉妹ちゃんだったのだ。久しぶりすぎる再会ということと、あまりにも可愛く、綺麗になっていたから名前を言われないと分からなかった。でも、覚えていてくれたことは心底嬉しかった。

「でっかくなったなあ!」と親戚のおっさんばりにリアクションをとってしまった。一緒に写真を撮り、私たちグループの写真も撮ってくれた。なんて良い子なの…。

さらにマリのお父さんからビールを注いでもらえる瞬間もあった。なんてこった。エモいってこういうことを言うのではないだろうか。この時も友人が写真を撮ってくれていてナイスだった。

マリのお父さんは高校生の私たちが演奏をしにどこかへ行くたびに来てくれて、カメラで写真を撮り、DVDにまでしてくれる本当に優しい人だ。こんな日が来るだなんて感無量である。

お母さんはいつも明るく、もちろんお父さんと一緒に演奏を見に来てくれていた。野球応援の際には私たちの演奏している姿がよく見えるからと、相手チームの観客席に行って写真を撮ってくれていたらしい。


といった具合で、大いに楽しんだ。泣いて笑って少し酔っ払った。マリのドレス姿が見れたこと、6人で退場したこと、従姉妹ちゃんに覚えてもらっていたこと、高校時代を思い出す瞬間が何度もあった。

結婚式は好きだ。友人のドレス姿を見れる。楽しいというのは当たり前だが、嬉しくて、感動して泣く。動画を見返すと誰よりも泣いていた。恥ずかしいとは思っていない。

よく、私も友人に言われる。「結婚式呼んでね」と。そりゃ挙げるとなればもちのろんで呼ぶ。でも呼べる友人があまりにも少ない。そして親族が両親と兄しかいない。だから多分やったとしても小さいものだと思う。

それでもやっぱりドレスは着たい。友人の結婚式にしか出席したことがないため、計3回だ。パンツスーツにリボンブラウス、パンツドレス、パンツスーツにネクタイで参列してきた私でも、一応乙女心はある。

そのくせ若い頃はウエディングフォトが撮れたらそれで良いと思っていた。しかし実際に結婚式に参加すると「式、挙げてェ〜!」と心境が変わった。不思議なもんだ。

出来るか出来ないかは置いておいて、中学生の頃からの夢であるウエディングドレスを着ることが叶えられる日が来るのを祈って、幸せのお裾分けをしてもらった。


このポーズは私たちのグループを表しています


2人がいつまでも暖かい家庭を子どもたちと共に築いていけますように。

読んでいただきありがとうございました。
また来週!

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