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2021年を振り返って

2021年も相変わらずコロナ禍の影響を受けた1年だった。特にそれを実感したのは就活だ。参加したかった学内の企業説明会も去年に引き続き中止になり、就活早々ガン萎えのスタートだった。その後もオンライン企業説明会・オンライン面接などが続き、けっきょく対面での就活の機会はほとんどなかった。消化不良の部分もあるけど、就活自体いい経験になったと思う。ガクチカを考えたり、強みや弱みをひねり出したりする作業は、自分と向き合うとても大切な時間になった。
唯一腑に落ちなかったのは面接のフィードバックの隅に『顔が〇〇に似ている…』とチョコンと書かれていたことだけである。いったい何のフィードバックなのであろうか、と思いつつも、面白い会社だなと一人微笑んでいた。

それはさておき、今はただ早く働きたいという気持ちだけである。

台湾まぜそば

数少ない対面面接で行った名古屋で食べた台湾まぜそば


「面白いボードゲーム買ったからやらない?」

スネ夫のような文面のLINEを受け取ったのは9月のことだった。誘ってくれた友人とは高校時代からの仲で大学も一緒。学部の頃からボードゲームを嗜んでいたそうで、満を持して僕にメッセージを送ったらしい。誘いを受けて僕はどうしようか、と逡巡した。正直言ってボードゲームに興味がなかったのだ。だけどやらないで判断するのはなんか違う気がする。一回やってつまらなかったら帰ろう、ということで『やってさしあげよう』とLINEを返した。

友人が下宿する古臭いアパートで待ち受けていたのは『テラフォーミング・マーズ』というボードゲームだった。簡単にいうと、それぞれのプレイヤーが企業を経営し、人間が住めるように火星の酸素濃度や温度を上げ、水を整備し、居住可能な惑星にするゲームだ。

一通りの説明を受け、試しに1回やってみた結果、僕の中からふつふつと沸き起おこるものを感じた。楽しいという感情だった。僕はボードゲームにハマってしまったのだ。ゲーム自体の楽しさはもちろんだが、最も惹かれたのは、友人たちとリアルで集まり、駒やお金、トークンを自分の手で動かすというアナログ性だ。スマホなどのデジタル機器に慣れ親しんでいたことや、コロナ禍で人と人とのつながりが希薄になっていたことも相まって、潜在意識の中でスローライフ的なものを求めていたのかもしれない。(ちなみに巣籠需要の高まりからか、ボードゲームの消費金額も増えているらしいです。母数は少ないけど)

久しぶりにボードゲームというアナログなものに触れたことをきっかけに、将来デジタルに支配された世界を想像してみた。自分の子どもができたとき、「絵本の読み聞かせしてー」とせがまれて、スマホやタブレットを携えていくのだろうか。そんな風に、すべての体験が画面の中に還元されていくのは便利でもあり、寂しくも怖くもある。ちょっとくらい時間や空間を取ってもいいよね、と考えられる余裕や余白が人間の中に残っていればいいな。

まあそういう考え方をすること自体、おじさんに近づいているのかもしれないのだけど。

ブラス

ボードゲームにはまって『ブラス:バーミンガム』というゲームを自分でも買ってしまいました……


同月には約2年ぶりにスピッツのライブに行った。アルバム『見っけ』を携えた『SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 "MIKKE"』がコロナ禍の影響を受け、延期を繰り返し無念の中止。改めて、政府の示す人数制限などを遵守したツアー『SPITZ JAMBOREE TOUR 2021 "NEW MIKKE"』を企画し、スピッツにとっても新たなスタートを切った年でもあった。声を出すことは出来なかったが笑うのはOKらしく、MCではクスクス笑いがあちらこちらで聞こえた。コロナ禍以前のライブの雰囲気を垣間見ることができ、『ああ、少しずつ元の生活に戻ってるんだな…』と実感できて胸にジーンとくるものがあった。やっぱりうれしいことは、うれしい。

Vo.草野マサムネさんはライブ終わりに「またお会いしましょう!」ではなく「またお会いしますよ!」と観客に呼びかける。前者の言葉だと少し冷たい感じがすると知人から言われて以来、後者に変えたそうだ。(詳細は忘れましたがそんな感じの理由でした)そういう細かい部分にこだわれるからこそ、いつまでも音楽界のトップでいられるのかな、と尊敬の念がやまないし、それが多くの人を惹きつける理由の一つなのだろう。

スピッツ


今年は数年ぶりにnoteを再開した年でもあった。以前は淡々と記事を書くだけだったが、コンテスト参加にも取り組んだ。その中で、ずっと書きたかったフィリピン・セブ島の『ストリートチルドレン』との交流をまじえたエッセイで賞をいただけたのはうれしかった。書き終えるのに2週間くらいかかり、執筆中は正直辛かったけど報われてよかった。終始真面目なトーンやシーンなためユーモアを挟む加減が難しかったけど、違和感なくねじ込めたこともよかった。まあユーモアは無くてもいいのですが、普段から笑いがないと息が詰まってしまう性分なのです。


一昨日が今年最後の大学通学となった。だけどその帰り道、駅の改札前で友人と別れるとき「また明日」と言ってしまった。そのことを反芻しながら僕はホームに向かっていた。
僕は最近まで、物事に区切りをつけることが好きではなかった。あらゆることは連続的な時間の流れの中にあってほしいと思っていたからだ。年末に「よいお年を~」というのがなんだか気恥ずかしかった。今年卒業した大好きな先輩との別れのときも「まあ、これっきりじゃないので」と、「卒業おめでとうございます」の一言も言えずに別れてしまった。その件に関してはちょっと後悔した。

5月に姉の結婚式があった。僕は非常に気が重かった。結婚式は人生の一大イベントでまさに区切り。そういった華やかな舞台が少々苦手なことと、泣かずにいられる自信がなかったからだ。案の定、僕は泣いた。「なんでお前が泣いてんだよ」と姉にツッコまれ、ただちに涙は引っ込んだ。
ただ、予想していなかったことだが、結婚式というのは案外いいものだなと思った。誰もが二人を祝福する雰囲気があるし、親への感謝や友達からのメッセージを伝え・受け取る場としてこれ以上の場面はないからだ。感謝の言葉を中々面と向かって言えない僕にとって、結婚式を口実にすれば普段は言えないことも伝えられそうな気がするのだ。そして、終わってしまえば普段通り過ごしてしまえばよい。たとえ後で何か言われたとしても、ある種の魔法にかかっていたように「ああ、あれはそういう雰囲気だったからね」と逃げの一手も確保されている。お酒もその類いだ。
ただ、そんな情けない言い訳を考えている時間があるなら、ストレートに伝えられる方法を模索している方が人間として正しいのかもしれない。そのあたりは来年の自分に期待しよう。


あまりまとまりませんでしたが、そんな感じの1年でした。最近、修論などに追われあまりnoteを書いていなかったのですが、やはり文章を書くのは好きだな、と改めて実感しました。来年はコロナ禍もおさまって、気兼ねなく人と会える日が来ると良いです。
みなさん、よいお年を!


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