【23】商標登録ができそうかどうかを、申請前に確認する方法はないのか?

こんにちは、横浜市の商標弁理士Nです。
劇場版「鬼滅の刃」のブルーレイ&DVDが、間もなく発売されますね。

さて、前回の記事では、「商標登録が認められない理由」について、できるだけシンプルにお話ししました。

商標登録の審査では、約30の項目がチェックされますが、その中でも特によく引っかかるのが、以下の3つの理由でした。

(1)その商標が、商標として機能し得ない場合
(2)その商標と、同じ商標・似ている商標が第三者に登録されている場合
(3)指定商品・指定役務の記載が適切でない場合

【18】商標登録にかかる費用はどれくらいか?」で見たように、商標登録をするためには、スムーズに進んだ場合でも、(1)出願時と(2)登録時に、それなりの費用がかかります。
※本記事では「申請」とは言わずに、正確な「出願」という語を使います。

もし、審査で引っかかって商標登録ができなかった場合、(2)登録時に必要となる料金は支払う必要はありませんが、(1)出願時にすでに支払った料金は戻って来ません。つまり、商標登録ができなかった場合には、ある意味、無駄な出費を生じてしまうことになります。まさに、泣きっ面にハチですね・・・。

また、「【16】商標登録にかかる時間はどれくらいなのか?」で見たように、商標登録の審査完了までには、「約1年」もの時間がかかります。つまり、1年も待った挙句、商標登録ができなかった場合には、その時間的損失も大きいと言えます。

特に、「商標登録ができるまでは、念のため、商標を使うのは控えておこう」という、慎重な事業者にとっては、それから代案となる商標を再度出願していると、早くてもあと1年は使用開始を待たなければなりません。これでは、なかなか事業を進展させることができないでしょう。

このように、商標登録ができなかった場合には、費用的にも、時間的にも、経営的にも、かなりの無駄が生じることになり、申請人にとってはかなりの痛手です。

では、商標登録ができそうかどうかを、出願前に、あらかじめ知る方法はないのでしょうか?

出願前にあらかじめ確認することができれば、その可能性が低そうな場合には、商標の変更をスムーズに行うことができます。そして、商標登録ができそうな商標だけを出願することで、登録ができずに費用や時間を無駄にするといったオチも、回避しやすくなるはずです。

結論から言うと、

100%正確に知ることは不可能です。

しかし、

ある程度の可能性を、予測することは可能です。

それでは、それをどうやって知るかというと、

「商標調査」を実施するのです。

この商標調査は、商標実務の中でも、もっとも重要だと言っても過言ではありません。

では、この商標調査とは、誰が、何を、どうやって調査するのでしょうか?

というわけで、次回はこの商標調査について、お話ししたいと思います!

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【企業・経営者向け】
「はじめての商標と商標登録のためのお話」は、
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