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「たくさんの想いを込めて推敲を重ねたLINE」 最近いつ送りましたか?

2020年は123冊を読了した。

その中から一番自分の心に言葉を突き刺してきた本を紹介したい。紅白を観ながらではあるが、2020年の本を紹介するものであるから、これは今年中になんとか投稿しなければならないという使命感に駆られている。

2020年は様々な本を読むことができた。基本的には特定のジャンルが好きということはなく雑食だ。それぞれによって面白いという基準は違うが、僕の場合は「メモしておきたい言葉があるかどうか」が一つの基準である。記録に残したいとう気持ちは、どこか自分の価値観や琴線に触れていると思うし、自分のことを理解することにも繋がるはずだ。あとは、あまり暗記が得意な方ではなくて、脳がいっぱいになってしまうので「忘れるために」と言う意味合いもある。



『明け方の若者たち』著・カツセマサヒコ

さっそくだが、2020年読んだ本の中から一冊紹介してくれと言われたら、僕は迷わずこの本をあげる。

どこの書店に行っても、必ずといっていいほど目に付くところに置いてあるため、知っている人もいるだろう。物語の概要は僕が説明するよりAmazonで見てもらった方が分かりやすいと思うのでそこで確認してほしい。

この本の特徴は自分が経験しているはずがないのに、どこか懐かしさを運んでくることである。本来、本の良し悪しなんて細かく語るものではないし、フワッと「あの本よかったな〜」ぐらいがちょうどいいはずだ。でも、どうしてもメモをとっておきたい、どうしても周りに共有したいと思わせる言葉がある。それがこの本の、著者の魅力だと思う。今回はそのたくさんある言葉の中から厳選して紹介したい。


誰からも賞賛されるような存在になるよりも、たった一人の人間から興味を持たれるような人になろうと決めた。

全員から好かれる。そんなことはありえないって、頭ではよくわかっている。けれど、嫌われたくなくて、あわよくば好きっていってもらいたくて、、、という風に、好きと嫌いのグラデーションの中を行き来することが誰にでも経験としてあるのではないか。

「好き」の反対は「嫌い」でなく「無関心」であるように、「褒める」の反対も「無関心」なのかもしれない。

万人に好かれる、褒められることを目指すよりはやっぱり身近にいる誰か一人にでも関心を持って接してもらいたい。その積み重ねが広がっていけば、結果的により多くの人に伝わる。それが僕の周りにいる好かれたり、褒められたりしている人の特徴だ。まずは、身近な人に興味をもってもらえるようにする。身近な人に影響を与える。この言葉とともに心に留めておきたい。



人生は、打率では表さないんだよ。
野球と違って、何回打席にたってもいいし、何回三振を取られてもいいの。ただ、一度だけ特大のホームランを出す。そうしたら、それまでの三振は全てチャラになる。

「過去は変えられないけど、過去の解釈を変えることはできる」という言葉と同じようなにおいを醸しだしていて、そそられてしまう。オセロみたいに、最後にシロを置くことでクロがひっくり返っていくのにも似ているかもしれない。

脱線しました。さて、著者が言うように、人生では一本だけでも"特大のホームラン"を打てばいいのである。打たなくてもいいって人もいるかもしれないが、僕はいつか打ちたいので、肯定して話を進める。

いつかホームランは打ちたい。ホームランの打ったあとの姿を想像する。

でもその前に、この言葉は僕にホームランを打つ気はあるのか?と思わせてくる。ホームランを打ちたいのにバットを短く持っていないだろうか。そもそも、バッターボックスに立とうとしているのか、と問いかけられているような気もする。

ボロボロになっても、いつまでもバッターボックスには、バットを長くもって、立ち続ける人間でありたいと改めて思う。



たくさんの想いを込めて推敲を重ねたLINE

最後にこの表現を紹介したい。これは文章ではないが、想像するとなんともくすぐったい文字列である。

僕らの世代はガラケーからスマホに移行するぐらいの年代だと思う。メールからLINEに変わり、短時間かつ短文でのやりとりが増えた。

学生時代は異性からのLINEを今か今かと待ちわびていたこともあった。そして、勉強なんてそっちのけで何を書くかについて長時間考えたこともあったなと思い出してしまう。

歳を重ねるにつれて、LINEはグループの連絡手段としての意味合いが強くなり、来たらすぐに返信を迫られるようになっていく。しかし、この言葉を聞くと、日々の喧騒に埋め尽くされて忘れてしまっていた存在を思い出させてくれる。

みなさんは今、LINEのタイムラインにどんな文が並んでいるだろうか?



以上、この本の中から引用した言葉を紹介した。他にもまだまだ心に刺さる言葉たちがたくさんあった。同年代の方にはぜひこの本をお勧めしたい。1つは自分に刺さる言葉があると思う。また、読了済の方はどの言葉が心に刺さったか宜しければ共有してもらえると嬉しい。


2021年がくる。


「あけましておめでとう」と共に、ぜひ大切な人に「たくさんの想いを込めて推敲を重ねたLINE」を送ってみてはいかがだろうか。

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