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すてきなことば「枯木竜吟」

今日はひどい低気圧だ。

吐き気と眩暈で朝から気が重い。もちろん体も鉛のように重い。

こんな時はどの漢方を組み合わせて飲むんだっけ…と、去年の手帳を見返していたらこんなメモを見つけた。

「枯木裏龍吟」こぼくのりゅうぎん
枯れ木も強い風を受けると、龍のような音を響かせる。誰にでも価値や役割がある。

禅語を書き写していくペン字練習本の中で出会った言葉だったように思う。

車椅子やタクシーが無いと、どこにも行けなかった時期だ。寝込む時間が多く、体力も気力もなく、家の中にいてもできることが限られていて、体を起こしていられる時は写経やらペン字練習をしていた。

病気の私にも、きっと何か役割があるはず。

そうそう、メモを残した時は、そんなふうに励まされたんだっけ。

***

改めてネットで検索してみると「枯木竜吟」という四字熟語が出てきた。

「枯木竜吟」こぼくりょうぎん
衰えたものが勢いを取り戻すことのたとえ。苦境を脱して再び脚光を浴びることのたとえ。老人病人などが生命力を回復することのたとえ。また、ありそうもないことが実現することのたとえ。

goo辞書

手帳のメモとちょっと違うみたいだけど…

なるほど、こんな意味を持つ四字熟語があるんだなあ。

病気で全てを諦めなければいけないと思っていたけれど、こうやって少しずつ回復して、私にも取り戻していくチャンスがあるのかもしれない。まだ諦めなくても良いのかもしれない。

闘病のトンネルに光が差し始めた今のタイミングでこの言葉に出会えたのが、とても嬉しくて、とても不思議だった。

こんなことって、あるんだなあ。

***

自分の存在に価値を見つけられなくなってしまったとき。

病気が辛くて先が見えないとき。

この言葉のお守りを、心の中でぎゅっと握り締めたいと思う。

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