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#スーパー戦隊

役割を選ぶ正義、役割に縛られる闇。『烈車戦隊トッキュウジャー』10年越しの帰郷。

役割を選ぶ正義、役割に縛られる闇。『烈車戦隊トッキュウジャー』10年越しの帰郷。

 先日、『遊☆戯☆王』周りを全部終えたので、次は短めの作品でも観るか、ということで、『烈車戦隊トッキュウジャー』を再び1話から観てみた。

 そう、恐ろしいことに、この身体はすでに47話程度では「短い」としか感じないようになってしまっている。

※以下、『烈車戦隊トッキュウジャー』のネタバレを含む。

 なぜ今さらトッキュウジャーなのかといえば、中盤に明かされるギミックを知った上で最初から再走すれ

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“神”降臨で語る創作賛歌『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』

“神”降臨で語る創作賛歌『セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記』

 新型コロナウイルスによって変えられてしまったものは数えきれないほどあるが、その一つが「仮面ライダー映画のスケジュール」である。

 通例であれば春映画として公開されていたであろうクロスオーバー枠が、こうして夏真っ盛りに上映されている。本来であれば『仮面ライダーセイバー』の長編と『機界戦隊ゼンカイジャー』の短編の二本立てが公開されていたはずで、とくにライダーサイドはTVシリーズのクライマックスを間

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『騎士竜戦隊リュウソウジャーvsルパンレンジャーvsパトレンジャー』におけるルパパトの話しかしないテキスト

『騎士竜戦隊リュウソウジャーvsルパンレンジャーvsパトレンジャー』におけるルパパトの話しかしないテキスト

ロスが治らない 何の話かと言われれば、『ルパパト』ロスだ。前回の記事では「ルパパトが忘れられないあまりリュウソウジャーが観られない」という拗らせ具合を告白したが、一年経った今でもそれは改善されていない。リュウソウジャーもきっと面白いのだろうが、いかんせんルパパトばかり繰り返し観てしまい、その他の作品まで手が回らない状態が続いている。そんな中、恒例のVS作品が上映され、しかも今回は先輩側。要はルパパ

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『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』

『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』

ロスがエグい。 最終回放送から三か月経っても思い返せば警察と快盗のこと考えているし、4月のファイナルライブツアー参加してさらにしんどさが増している。この映画の舞台挨拶が、キャストにとってキャラクターの衣装に袖を通す最後の機会では~~~!?!?!?!?とか考えちゃって、帰りの電車でちょっと顔を伏せて泣いたりしている。そんなわけで絶賛ルパパトロスを患っている。どんだけロスってるかと言えば、録画したリュ

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『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』であり続けた最高の幕引きについて

『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』であり続けた最高の幕引きについて

 本日2月10日、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が最終回を迎えた。だがしかし、視聴者の皆さんはご存じの通り、快盗と警察の追いかけっこは終わったりしない。むしろこれからも続いていくのだろう。そう思わせてくれるだけの、考え得る限り最高のフィナーレだった。

 思えば『ルパパト』は、面白さの火が消えることなく、一年間を走りきった。2組の異なる戦隊が両立し、それぞれ異なる動機を抱え

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「春映画」を振り返る。

「春映画」を振り返る。

 春。それは出会いと別れの季節。同時に、東映特撮ファンにとっては希望と不安入り混じる季節でも”あった”。「今年こそ悪くないはず…」という期待を胸に劇場に駆けつけ、それぞれが色んな思いを胸にスクリーンを去ったことだろう。

 そう、本文における春映画とは「春」そのものを題材にした作品群ではない。毎年4~5月頃に公開されていた仮面ライダー・スーパー戦隊を筆頭とした東映ヒーローのクロスオーバー作品のこと

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