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アニメ語り

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駆け抜けるように全話制覇したい。
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我々は試されている。『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』

我々は試されている。『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』

 『KING OF PRISM』の新しい劇場作品が公開された。これがどれだけ凄いことなのかは、シリーズを追ってきたファン、通称“エリート”でなければ、あまり実感ができないかもしれない。公開初日の都内は台風が接近し荒れ模様の天気だったと聞くが、劇場では通常・応援上映共に座席が埋まっている様子がTLを賑わせていた。もはや自然災害では防ぎきれないほどにエリートたちの熱量は増しているが、その動機は新作が観

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あの怪異は私だったかもしれない。『劇場版モノノ怪 唐傘』

あの怪異は私だったかもしれない。『劇場版モノノ怪 唐傘』

 TVシリーズに一切触れないまま、『劇場版モノノ怪 唐傘』を観た。友人からの薦めと、『ガッチャマンクラウズ』のオタクなので中村健治監督のお名前につり球釣られた形で観にいった。そしてどうなったかといえば、ずっとこの作品のことを考えている。

 豪華絢爛。幻想的。全編がさながら絵巻のようであり、万華鏡のようであり。本作の映像をどう表現すれば良いか、私の貧弱な語彙では本質を捉えなれない。ファーストカット

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孤独を耐えられる者でなければ。『コードギアス 奪還のロゼ 第4幕』

孤独を耐えられる者でなければ。『コードギアス 奪還のロゼ 第4幕』

 配信に先駆けて、『コードギアス 奪還のロゼ』を劇場にて最後まで見届けた。後追い世代として、全世界と同じスタートラインに立って浴びる全く新しいコードギアスの物語。4ヶ月間、楽しかった。後はサウンドトラックの配信を待つばかりだ。

 して、これまでの感想として、第1幕では強いクリフハンガーを連発することによる「騙される」快感が得られたことを、第3章を通じてギアスそのものが無効化されるという苦しい状況

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シャニマスのアニメ 2nd season 第1章を観たぜ。

シャニマスのアニメ 2nd season 第1章を観たぜ。

 ドーモ、伝書鳩Pだ。

 アニメ『アイドルマスター シャイニーカラーズ 2nd season』の先行上映第1章を観てきたぜ、という実に長ったらしい前置きが出来ることを、嬉しく思う。前回からの公開スパンを鑑みるに元から決まっていた2ndだとはわかってはいるが、計2クールにも及ぶ話数で、しかも担当ユニットまで劇場の大スクリーンで拝める機会をいただけたのは、アニメの内容がどうであれまずは喜ぶべきことだ

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カリスマの不在と敗北―。『コードギアス 亡国のアキト』

カリスマの不在と敗北―。『コードギアス 亡国のアキト』

 とある事情から8/2までにこの作品を完走する必要が生まれ、急いで観ました。コードギアスの名を冠し、そのDNAを継承しつつも異なるテーマに挑んだスピンオフ。戸惑いながらも全5章を追い、その苦い結末に何を想ったのか、いつも以上に乱暴に書き殴ってみようと思う。

※以下、本作並びにコードギアスシリーズ
(『反逆』『復活』『奪還』)のネタバレが含まれる。

マクロからミクロへ移ろう闘いのスケール 『亡国

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インチキのできない世界で。『コードギアス 奪還のロゼ 第3幕』

インチキのできない世界で。『コードギアス 奪還のロゼ 第3幕』

 『コードギアス 奪還のロゼ 第3幕』を観た。物語もいよいよ佳境。来る最終章へのお膳立てが整ったタイミングで、忙しくて感想を書けなかった2幕と共に今の状況を振り返りたい。

※以下、『コードギアス 奪還のロゼ』のネタバレが含まれる。

 『奪還のロゼ』の物語は、始まった瞬間からトリッキーなアニメだった。囚われの姫を救うはずの物語は、一幕ヴェールを剥がせば「姫が影武者を救う」話にすり替わっていく。名

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TCG未経験だけど、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』を観た。

TCG未経験だけど、劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』を観た。

  思えば、全てはこの映画を観る身体を作るための、長い旅だった。周りの決闘者がこぞって絶賛する、『遊☆戯☆王』生誕20周年を祝う祭りにして、原作者・高橋和希監修が描く、原作漫画のその先――。

 ここまで来られた達成感と共に、ついに観てしまうのか、という恐怖もある。みっちり、と言うには程遠いが、一年間漫画やアニメといった媒体で(あとリアル友人とカードショップに行った)常に生活の身近にあった遊☆戯☆

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TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観た(記憶編〜闘いの儀)

TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観た(記憶編〜闘いの儀)

 2024年6月13日、アテムが冥界へと還る後ろ姿を見送って、私の旅も一段落した。TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』全224話、完走――。ちょうど一年前に原作漫画を全巻購入して、原作⇒TVアニメ⇒劇場版へと歩を進む決心をして、ようやくここまでたどり着いた。

 ちょくちょくその他のコンテンツに浮気しつつ、これだけの話数のアニメを一年かけて追ったともなれば、万感の思いがある。ゆく先々で出会

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ムービーナーズ様にて『劇場版ウマ娘』の記事が公開されました。

ムービーナーズ様にて『劇場版ウマ娘』の記事が公開されました。

 書いた。読んでほしい。

 ちゃんとnote上では話していなかったけれど、実はムービーナーズ様からお声がけいただき、自分の文章を載せていただけることになりまして、これが三本目。noteを続けて6年以上、こんな素人を拾ってもらえるなんて、「継続は力なり」を人生で一番感じた瞬間でした。

 ムービーナーズ様は書く題材について自由度が高く、別に続編やTV放送すらないタイミングで『フットルース』の話をし

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TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観る(KCグランプ編)

TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観る(KCグランプ編)

デュエルって楽しむモンなんだよ 一向に原作通りの展開が進まないまま、放送週で換算すると一年以上続いた『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』のアニオリ展開。個人の魂や世界の命運をかけたドーマ編の激闘を経た遊戯たちに降りかかる新たな問題。それは「日本に帰る手段がない」ということ。

 そこに手を差し伸べたのは出来る弟のモクバ。彼は海馬コーポレーションの自家用ジェットで遊戯たちを日本に送り返してくれるという

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劇場用再編集版『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』でウマ娘を知る

劇場用再編集版『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』でウマ娘を知る

 競馬を愛するフォロワーから「馬イイ話」を聴く機会があった。競走馬とジョッキーとの間に結ばれた友情や、数々の名勝負の裏に隠されたドラマチックな秘話などは、門外漢が聴いても驚き、感動できるものばかりだった。

 その彼女が熱を上げて話してくれたのが、騎手・和田竜二さんと、愛馬テイエムオペラオーのお話。世紀末覇王と呼ばれた名馬と、それを乗りこなした人間との深い深い絆の物語は、思わずこちらも唸ってしまう

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またしてもコードギアスに騙される喜び。『コードギアス 奪還のロゼ 第1幕』

またしてもコードギアスに騙される喜び。『コードギアス 奪還のロゼ 第1幕』

 お久しぶりです。
 令和コードギアス初見オタクです。

 コードギアス。長年、タイトルは知っていれど観ていなかった作品群の最古参にリストアップされていながら、フォロワーの強烈なプッシュによって一気にゼロレクイエム、そして復活までを見届けたのが三年前で、このコンテンツに関して自分は新参もいいところ。

 なればこそ『奪還のロゼ』の発表には胸が踊った。生まれて初めての「みんなと同じスタートラインで楽

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TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観る(ドーマ編)

TCG未経験だけど、TVアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』を全部観る(ドーマ編)

 ご無沙汰しております。あまりに進捗の報告がないため、最初のnoteを投稿してからフォローいただいた遊戯王関連のX(Twitter)アカウントからのフォローが外されていましたが、ずっと水面下で観てたんですよ。ホントに。

 これまでの『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』といえば、原作漫画でも屈指の人気を誇る「バトルシティ編」の途中にアニオリを挟み、一企業の重役5名が徒党を組んで自社の社長にダル絡みし

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『戦姫絶唱シンフォギアXV』支配を超えて辿り着く、神様も知らない未来。

『戦姫絶唱シンフォギアXV』支配を超えて辿り着く、神様も知らない未来。

 2024年2月10日、TVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』シリーズを完走した。かれこれ数年間は見て見ぬふりをしてきたコンテンツなのに、一度触れてしまえば一ヶ月で修めてしまうなど、自分の嗅覚の無さを痛感せずにはいられないが、それはそれとして、楽しい一ヶ月であったことは間違いない。この場を借りて、作品を薦めてくださった方々にお礼を申し上げます。

 して、2019年放送の完結作『XV』は、前回の『AX

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