コロナの“今”を映した短編アートビデオ『OUTSIDE』

本日公開というこの動画を楽しみにしていた。

森山未來×阿部海太郎
インバル・ピント×エトガル・ケレット『OUTSIDE』イスラエルの著名なアーティスト インバル・ピントとエトガル・ケレットが、日本を代表する気鋭のアーティスト 森山未來・阿部海太郎と短編アートビデオを発表!

コロナの感染拡大防止のために、舞台芸術は大変な状況に置かれている。活動を制限される日々が続き、どれ程の空虚に耐えていることか。観客側にとっても、人生の大切な楽しみが奪われたまま、今もなお終わりが見えて来ない。

そんな中でも、限られた条件の中で、新しい挑戦をしているアーティストのことを知ることがある。すごいなぁ、どんな時にもやれることはあるんだな、と教えられる。

『OUTSIDE』の原作となるのは、エトガル・ケレットの短編小説『外』。ロックダウン中に執筆された。コロナウイルスによる外出自粛解除後の喪失感、浮遊感、不穏な空気感をぎゅっと凝縮した“今”を表現した作品。

あらすじ/「夜間外出禁止令が解除されてから三日経つが、明らかに誰も家から出て来る気がないのだった。」
自粛生活を続ける人々を、警察が無理矢理外に引き出そうとする。曖昧になるコロナ以前の記憶。一体どこに向かって歩いていけばいいのか。…しかし道端の物乞いを目にして、とっさに起こった反応は…?

警戒宣言解除の後を思い出した。長く続いた自粛、ステイホームはある種の楽園で、そこから元の生活に戻ることに戸惑う人たちは少なくなかったと思う。感染への不安がなくなったわけでもない。失われた人とのつながりを埋めていく、その距離感もつかみにくい。違ってしまったどこかの世界に未だに閉じ込められているような、そんな気持ちは続いている。

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