匿名の仮面を被れば神に成れた。あらゆる事件や不祥事に首を突っ込み、罵詈雑言で当事者を汚した。痛め付けることに快感を覚え、また僕を崇める信者すらも現れた。止まらない共感、肯定の言葉が並ぶタイムラインは、高級なワインよりも心身を酔わせた。いつしか仮面を外せなくなり、本当の顔を失った。

画像1 【140字小説9】

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