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先延ばし状態を直そうと本を読んでみたが…?

この前中古のKindleOasisを買ったことで、今の自分はKindle Unlimitedが3ヶ月無料になった。

対象書籍が無料で読み放題なこの期間を利用しなければもったいない。

なにせ大量のビジネス書が読み放題!!

これはすごいビジネスマスターになっちゃうかもな!!



……さて、手に取ったのは『人はなぜ先延ばしをしてしまうのか』。

ビジネス書なんてのは、海外書籍の翻訳本を読むのが良いと相場が決まっているのだ。なにせ評判がいいからわざわざ翻訳されるわけだし。

(ベストセラー本の内容が絶対に良いのかどうかは議論の余地があるが)


ちなみに、この本も借りてから数日放置している。
まさに先延ばししまくりな自分にとってベストな本と言える。

きっと凄まじい学びがあることだろう。

では読書開始!!


・・・

・・・


(つまんねぇ……)


全くもって読むスピードが上がらない。

なぜかといえば、「〇〇さんのすごい成功話」みたいなものを紹介し続けてページ数を稼ぐという「ビジネス書あるあるな手法」がこの本にもふんだんに使われているからだ。

あなたもこんな感じで先延ばしにしてるんでしょ?そうですよねぇ!?
みたいな例を延々と語られても、「そりゃこの本を手に取ってる時点でそうだろうよ…」と冷めてしまうのが自分だ。

今のところ「へぇ…」と思ったのは「ブラックベリー指」くらい。

さっさと本題に入ってくれないと、多分腐るほどYouTubeに存在するであろう「この本の要約動画」を見に行きそうだ。


読み進めていくと、先延ばしタイプ診断というものが途中に挟まれた。

・どうせ失敗すると決めつけるタイプ
・議題が退屈でたまらないタイプ
・眼の前の誘惑に勝てないタイプ


この3つの中であなたはどれ!?」ということを、かなりの分量の質問に答えさせた上で導くらしい。


……あのさぁ、そんなことやる必要ないの。

『全部』だよと。

それ全部当てはまって先延ばしするの自分は!!


……ふぅ、落ち着け。

ここは勝間和代方式でいこう。
本は全部読む必要なんてないのだ。

いらんと思った部分は読み飛ばそう。

出口治明 著、本の「使い方」では、「1行たりとも読み飛ばしてはいけない」と表紙に書いてあった気がするが、あの人の言う飛ばすべきではない本は大体が古典の名著のことなので、多分今回は当てはまらない。

そもそも出口治明氏は、
ビジネス書を10冊読むより古典を1冊読め」って言ってるし。

あれ? じゃあ今自分がしてることって……?

なんだか意思が揺らぎそうになったが、目次から良さげなとこだけ探して読んでみると、面白い記述があった。

あの世界的に知られる『引き寄せの法則』に関することだ。

引き寄せの法則とは、

『自分の達成したいことをしっかり思い描いてさえいれば、それはきっと将来叶うんだよ!!』

……そういう感じの法則だったと思う。

まるで日本の何かの仏教宗派にありそうなお手軽な方法だが、これが世界中の人々を惹きつけてやまない。

だってどう考えても楽だし

強く願うだけで勝手に夢が引き寄せられるなんて最高すぎる。

しかし著者は言う。

こんなもんやってるだけじゃ無意味です。
空想だけで満足して何もしない人間を生み出すだけです。(意訳)

エッティンゲンの調査によると、試験勉強にせよ、就職活動にせよ、禁煙にせよ、恋人づくりにせよ、人間関係の改善にせよ、最も効果が上がらないのは、明るい未来を思い描くことだけをしている人たちだった。

愉快な空想だけするくらいなら、このたぐいのテクニックを一切用いないほうがましなのだ。

あぁ!!耳が痛すぎてちぎれそう……!!


実際その通りなのだ。

行動に移さなければ夢を達成できるわけがない。

日々空想にふけって満足している自分に、唐突な大ダメージである。

著者が言うには、この強く願うということの大事さは否定しないが、
もう1行程必要なのだという。

その行程とは、現在の自分をしっかりと認識したあと、
「理想と現実のギャップがどれだけあるのかを自覚する」という行程だ。

それを行ってなお、夢の実現に楽観的でいられるようなら、積極的に行動を始めて先延ばしなどしなくなるという。

個人的には、「今の自分、ヤバすぎ……!?」という焦りを生むことでやる気を出すんじゃないかと思ったのだが、なんかそうでもないらしい。

まあ理屈はどうだろうが、「先延ばししない」という結果がついてくるなら良いのか。


やっぱり世の中うまい話なんてないのだ。
願っているだけでは始まらない。

まあ一部例外はあれど、基本的に成功者ってただ待ってただけの人じゃないというのは合点がいく話だ。

やっぱり気が楽になるだけの教えには注意しなければいけないなあ。


そして著者は言う。

自分が先延ばし行動に移るタイミングとパターンを認識し、それに陥ったときの復旧プランを用意しておくことが大事なのだ。

これは自分でいうと、記事を書こうと思ってPCをつけたのに、おもむろにYouTubeを開いた時とかだろうか。

このパターンは確かに危険だ。数時間吹っ飛ぶのが確定するから。

そこで復旧プランが必要なのだが、やる気を取り戻させてくれるようなものって自分にとってはなんだろうか……?

岡本太郎でも表示しとくか……?


まさかKindleの本の表紙を表示する機能がこんな形で役立つとは。

これで自分がYouTubeに誘惑されたときは、
君はそれでいいのか?」と岡本太郎に声をかけてもらえるぞ!

今日から岡本太郎にやる気を貰う生活が始まりそうである。



……で、あとはパラパラっと読んだ感じでは、朝活が大事睡眠が大事栄養が大事、とかいうビジネス書でよく見るやつが並んでたので割愛する。

最後に、ドイツの文豪ゲーテが『ファウスト』で書いた一節を載せて終わりとしよう。

今日の一日をだらだらと過ごせば、明日も同じ繰り返しになる
しかも、明日はそれがますますひどくなる

一つひとつの先延ばしがさらに遅れをもたらし
無駄にした日々を悔やむことで、また時間を無駄にする

あなたは、真剣に生きているだろうか?
いまこの時間を大切にせよ

勇気を持って行動してこそ、才能と力と魔法が生まれる

ものごとを実行してはじめて、頭脳が活発に動く

取りかかるのだ。
そうすれば、課題は完了する!

良いこと言う~~!!


お前の悩みなんて全部古典に書いてあるから」なんてことを以前どこかで聞いたが、「先延ばし」に関しても200年前に既に述べられていたのだ。

しかも最近流行りの「イマココ」要素も盛り込んでいる。

やっぱ古典なんだよなぁ……!!




……まあ自分が今後、古典作品を読むかはわからんけども。 

(先延ばし)


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