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帰り梅雨

窓を叩く雨をぼうと見つめている
寄り掛かるコンクリートの硬さ
背骨までもが石になる

流れていく粒の行方を追っている
巡り巡って
あの雲の向こうに行きたいと思う
光は見えず

ホットコーヒーの湯気に鼻先を湿らせて
雨の匂いが濁る
跳ねた髪の毛を人差し指で弄ぶ

降ってくる雨の全てが言葉だったら
私は今にでも庭に駆け出して
恵みを全身に打ち付けるのに

でも私は雲だから
だらしなく言葉を落としてしまう
一つ落とせば堰を切ったように
ぼたぼた、ぼたぼた、
積み上げた言葉は落ちていって
空っぽになるまでげえげえ吐いたら
まっさらになる

まっさらになって消える
せめて
蒼になれたならよかったのに

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