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「お金以外の報酬」

人生を自由に使いたい。そのためにどう自分と向き合えばよいか。内省の手段としてnoteを書き始めた。

どうして仕事をするのだろう?  

お金以外の報酬について考えてみた。        

エーリッヒ・フロム 「自由からの逃走」によると。

人間は自由の代償として耐えがたい無力感や孤独感に襲われることになる。その重荷から逃避するために依存と従属を求め、結果的に自由を手にすることはなく、安定をもたらしてくれる権威に従属してしまうことになる。人間の独自性と個性にもとづいた積極的な自由を得るためにはどうすれば良いのか。自発的な活動は、人間が自我の統一を犠牲にすることなしに、孤独の恐怖を克服する一つの道であり。人間が社会を支配し、経済機構を人間の幸福の目的に従属させるときにのみ、また人間が積極的に社会過程に参加するときにのみ、人間は現在かれを絶望ー孤独と無力感ーにかりたてているものを克服することができる。と述べられている。

仕事から得られる報酬をどう捉えればいいのだろうか。

社会を支配し経済を人間の幸福に従属させる。

→金(ここでいう経済)は金のためではなく人の幸福のためのもの。

積極的に社会過程に参加する。

→社会参加。自分以外との他者との関わり。

仕事を割り切る考え方もある。仕事では時間と労働力をお金に変え、余った時間とお金を使ってプライベートにおいて有要感や一体感を得る活動をする。しかし、プライベートにおいても何らかの役割を果たす事で無力感や孤独感を解消している点では広い意味で仕事をしているとも言えよう。

養わねばならない家族がいる場合、借金を返さねばならない場合などの余裕がない時は仕事を割り切る方向に思考が触れ易い。こうした理由で単にお金を運ぶ事が目的になってしまうと、権威や組織にいっそう従属的になるだろう。かつての上司がこういった人物であったことを思い出す。その人なりの考えや状況があるだろう、個人的には問題無いが、管理職としての責務を果たさず周囲に従属を強要する姿勢に心底呆れてしまったというのが正直な感想だ。だから管理職に抜擢されたのかもしれないが。

人生の豊さ

一方的にサービスを受ける消費者としてであれば選択されることはあまり無いかもしれないが、より良いサービスを受けたり、そこから飛躍してプライベートの関係になるには選別が働く。こういった関係性の構築が積み重なって人生が豊かになっていくのではなかろうか。

仕事を割り切る考え方というのはこの点で非常にもったいない。あまりに嫌な人が前職で多かったことも一因かもしれないが。いつの間にか割り切って考えるようになっていたように思う。仕事の関係でも裁量と余裕があれば「一緒に仕事をしたい人としか仕事はしない」と選択する事もできるようになる。 仕事で関係する人々と共有する時間は活動時間の大半を占めるものである。時間を捻出し関係性作りのためにサークルに出かけるのもいいが、思い返すと長く続く関係性は基本的に職場や学校で苦楽を共にした人々だ。こうした人々との関係性から得られるものは計り知れない。気の置けない友人であり、患者さんを安心して紹介できる医師であったり、他分野のことを惜しみなく教え合えるアドバイザーであったり。しかし、ある程度の年齢に達すると利害関係や地位の関与が顕在化し難しくなってしまう。

仕事や役割を通じて良い関係性を構築する。「人間関係の資本を得る」といのがお金以外の仕事の報酬であると言えるだろう。









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