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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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2023年10月の記事一覧

屏風の上貼り

屏風の上貼り

10月21日の記事で受け貼りした屏風の上貼りのために、まず、下書きから。
これに合わせて上貼りの和紙を染めます。

これを下書きの線の幅に短冊状に切りいよいよ上貼り

網代に組みながら、糊をつけて一本一本貼っていきます。

昨日6時間くらいかかってようやく片面が完成しました。
2枚折れなので反対の面も水曜日に貼ります。
広げた時に内側から外側に向かってグラデーションになるのが楽しみです。
網代あみ

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屏風の受け貼り

屏風の受け貼り

屏風の下貼りの最後の工程 受け貼りをしています。
二方を喰い裂き 二方を断ち切りにしています。
喰い裂きにした方には薄い糊をつけます。

ひっくり返して、断ち切りの方には濃い糊をつけます。

それを喰い裂きの部分が上に来るように少しずつ重ねて貼っていきます。
真ん中には糊がついていなくて浮いている状態なので、受け張りと言います。
受け張りをすることで下地の汚れや、しわ などなど表張りの本紙に影響し

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古い壁掛けの手直し

古い壁掛けの手直し

古い柿渋染めの壁掛けの手直し。
金属粉で装飾しようと思います。

全体にドウサ液を塗ります。
このドウサ液には少しだけこんにゃく粉を混ぜていて、ちょっとだけ漆のような粘り気があります。

まず最初に錫粉を振りました。
銀色です。

続いて真鍮粉を振りました。
錫粉に比べて、真鍮粉は粒子が大きいからか?錫粉を弾いて面白い模様を作ってくれます。

ちょっと派手だなぁ笑笑

〒700-0822 岡山市北

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協働

協働

書道家の和月さんとの協働で書に使えるインパクトのある和紙の染め紙を作っています。
今回は大和藍の染料で描いた模様。

一尺の大きなのり刷毛を使い一気に描く

じわじわと模様をつけて完成したのがトップの写真。
このあと、水洗いして藍のアクを流します。
これだけでは模様が強すぎて上に書く書が生きないので、黄檗の染液を煮出して重ね染めしようかなと思ってます。
黄檗を染めると藍色のところが黄緑に変色し、全

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繕いをしました。

繕いをしました。

20年以上使ってくださって端の方がボロボロになってしまったタペストリーの繕いをしました。
裏から似たような色の和紙を当てて繕いました。

色も褪せてしまってたので、柿渋と藍で色を入れ直しました。

いずれ10年もすると褪色していくと思います。
タペストリーの両端に電気のスイッチがあるので、裏から破れにくいように布を当ててくださいとのご依頼だったので

裏側にナナコという掛け軸に使う布を貼って補強し

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柿渋と箔

柿渋と箔

アルミ箔を使った実験をしています。
色墨はうまくいきました。
柿渋を使ってみたのですが、とりあえず、塗った時はいい感じの色に仕上がって喜んでたのですが、何日か経つと、柿渋を塗ったところが箔と一緒に剥落してしまいました。
これはこれで、自然の風化っぽいので良きですが、剥落が多すぎて、使えないかなぁという感じ。
柿渋が乾く時の縮みが激しいのと、柿渋の粘着力が強すぎるからかなと思います。
ただ、発見とし

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タペストリーの染め直し

タペストリーの染め直し

ずいぶん前に作ったタペストリー。
藍染めと柿渋染めの和紙のタペストリーです。
大切に使ってくださって嬉しいです。
端の方が少し破れてきたのと藍色が褪色しているので、お直しを承りました。

まずは水洗い。
長年の埃や汚れをできるだけ洗い流します。

水洗いして 乾いたら こんにゃく糊を塗る作業です。
こんにゃく糊を塗るのは和紙の強化のためです。

こんにゃく糊を塗って色が濃くなって、模様が浮き出てき

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