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持続可能なキャリアをつくる3つの視点

こんにちは。

早くも2021年は6月を迎えました。
個人的な話ですが、うちには高3と中3の息子たちがいます。
大学に行きたいという長男は、志望校を1つに絞っているようで、週末はその大学の受験説明会をオンラインで聞いていました。

驚いたのはその演出でした。
YouTubeでトークライブを見ているような、飽きさせない作り込みに、
「これが大学の受験説明会。。。」と、隔世の感を覚えてしまいました。

さて今回のテーマは、新社会人だけでなく、キャリアの長いビジネスマンの皆さんにも読んでいただきたい内容です。

ムリなく長く生き残る組織を、”サステナブル”という視点で考察してみました。


■まず、あなたを夢中にさせる仕事は何ですか?

私は、企画を練ったりアイデアを形にしたりすることが好きです。
それを人に話したり、意見をもらっていると、時間を忘れてしまいます。

そして仕事柄、反対に、起業家やリーダーから、ビジネスのアイデアについてご相談をいただいたりします。
その際、私は特に念頭に置いていることがあります。それは、こんなことです。

<持続可能性を探る3つの視点>
1)それは、わかりやすいか。
2)それは、再現可能か。 
3)それは、人と環境にやさしいか。

つまり、「サステナブルか」という視点と照らし合わせながら点検することを、必ず心がけています。

なぜなら、この視点がないと、せっかく始めたことであっても、遅かれ早かれ、誰か弱い者を犠牲にしたり、社会や環境に迷惑をかけたり、会社の評判を落とすようなことになってしまうからです。


■わかりやすさは、何よりも優先される

ではここから、3つの視点について解説をしていきます。
これからの自分らしいキャリアを探る際にも、たいへん役に立つ基準にもなります。
ぜひご自分の頭の中にあるアイデアと照らし合わせながら、読み進めてみてください。

ひとつめの、「それは、わかりやすいか」は、企画における基本中の基本です。
例えば、技術系の方に多いのですが、「こんなに優れた技術を使っているのに、なぜお客様には理解してもらえないんだろう」と嘆く人がいます。

たとえどれほど最先端で、どれほど優れた製品であったとしても、それがそのまま買い手にとって「良い製品」であるとは、かぎりません。

わかりやすさとは、買い手の「困ったこと」をシンプルに解決できるかどうか、という一点を言います。

キャッシュディスペンサーからお金を引き出したいだけの人に、
「当行のディスペンサーのデザインには、どの銀行にも使われてない撫子色(なでしこいろ)をいう色を使っているのですよ」と言ったところで、
「で、お金を引き出す手数料は、他行より安いの?」だったり、
「振り込め詐欺を未然に防止してくれるの?」といった悩みに応えられなければ、なんの価値も持たないでしょう。

専門家どうしやマニアどうし、楽しみに交わす談話だったらともかく、専門知識をいっさい持ち合わせていない人に対して、どれほど専門知識で説得されても、何も伝わりません。

いかに「買い手の言葉」で届けることができるか。
結局、買い手はそれにしか興味がないですし、それしか理解をすることができないのです。「自己満足に陥るワナ」には、知識がつけばつくほどハマりやすいことに、注意しましょう。


■ほかの誰かができるものでなければ、引き継がれない

ふたつめの、「それは、再現可能か」も大切です。

私は昔、ある事業会社の事業部長だった頃、アロマオイルを使って手軽にマッサージが受けられるサービスを立ち上げました。
最初は集客で苦労したものの、しだいに客足も伸び、常連のお客様もついてくれるようになりました。

立ち上げから半年が経ち、もう少しで黒字への転換が見えてきた、ちょうどその頃でした。会社の別部門の新規事情が、大赤字を出してしまいました。
そのあおりを受ける形で、あろうことか、私が立ち上げたアロママッサージ事業は、「たとえ1カ月であろうと、固定費は出せない」という判断を下され、あっけなく撤退となってしまいました。

新規採用したスタッフに対しても申し訳なかったのですが、なにより罪悪感を感じたのは、常連だったお客様から、本社にまで連絡があり、「いつもそこに通うことを楽しみにしていたのに、なぜ急に閉じてしまったのか」という声をいただいたときでした。

いくら優れたサービスや商品であっても、
「私にしかこれを提供できません」というものであったなら、
それを提供する人がいなくなれば、素晴らしかったはずのサービスや商品も、なくなってしまうわけです。
それによって喜んでいた人たちは、提供する人がいなくなって、かえって困ったりするのです。

本当に価値のあるものなら、誰かが受け継ぎ、長きにわたって社会にその価値を感じてもらうことが必要なはずです。


■やさしさは、どんな場面でも求められる

最後の、「それは、人と環境にやさしいか」ですが、ここまでくると理解はたやすいですね。

立場の弱い人、ものいわぬ自然、知識のない世間を、
犠牲にしたりだましたりしながら成り立つ商売というものは、
自然の摂理に反します。

いっときはおいしい思いをするかもしれませんが、いずれ色んな形で制裁を受けることになりますし、やがては自滅の道をたどることになるでしょう。

たしかに経済合理性の観点から見れば、競い合うこともたしかに大切です。
しかし、健全な競い合いから逸脱してしまい、何かの犠牲の上に自分だけがいっときの利益を手にするような形は、
それ自体が不自然だと理解をすべきです。


■何かを犠牲にする仕事も組織も、長続きしない

世間には、いわゆる「常勝チーム」と呼ばれる集団があります。
それは特にスポーツの世界、サッカーや野球、駅伝チームなどが有名ですね。それらのチームが特徴的なのは、年月がどれほど流れて、選手がガラリと入れ替わろうが、なお勝ち続けることができている、ということです。

私たちのキャリアについても、本質的には同じことが言えます。
時代がどうなろうが、環境がどうなろうが、自分だけ働き方で価値を発揮し続けるには、この3つの視点で、仕事に取り組むことが必要になります。

今日からこの視点で、目の前の仕事の仕方を、見直してみましょう。

◆◇◆ 今週の箴言(しんげん)◆◇◆
(ラ・ロシュフコーより)

幸福な人々の節制は、
幸運が彼らの気質に与えたおだやかさからくる


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