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入社して、、その後 その1


 3度目の転職で念願のB社に入社して、早一年が過ぎた。結局1年間、海外勤務になる事はなく、国内支店配属になり、日本の現場で働いた。入社したB社は、G社(私が前にいた会社)との応札で負けた事が、やはり大きく響き、海外が不調になってしまったらしい。中途採用の私を敢えて海外に行かせる必要がなくなったのだ。なんとも皮肉な話である。G社を辞めず、そのまま働き続けていたら、恐らく今頃、その応札でG社が勝ったインドネシアの仕事をしていたのだろう。
 さて、私自身約7年ぶりの日本での業務に就いたわけだが、結論から言うと、全てが良くできた。正直入社当初は、B社のような大手で、ある意味本職ではない国内で、うまくいくはずがないと思っていた。そこまでの実力はないと思っていた。しかし海外赴任時、日本人より遥かにレベルが劣っているローカル職員を長年相手にしてきたおかげで、知らぬ間に、仕事の深い所まで追求する癖がついていており、日本の業務も本質では同じものであると感じることができ、直ぐに順応する事ができた。また、海外でローカルスタッフを育成して来た経験も生きた。
 配属になって直ぐに、新入社員の教育係を任せてられた。海外のローカルスタッフと違い、私より数段高学歴の新入社員は、言葉の壁も無いこともあり、物分かりが良く、スポンジの様に吸収してくれた。教育する事が毎日楽しかった。今までの経験を全て教え込んでやろうという目標もできた。業務の方も、その新入社員がすぐに私の右腕になり、また、AEHD故の抜けている私の弱点を見事にカバーしてくれ、私自身ほぼ完璧に業務をこなす事ができた。仕事人生の中で、初めて順風満帆だった。
 そして、入社してちょうど1年ぐらい経った頃、ついに、台湾への転勤が打診された。業務の内容は、詳しくは、わからないが、何かトラブルがあり、その対応の応援らしい。ある意味チャンスだと思った。得意の海外で、また、評価されづらい中途採用社員でも、トラブル対応は例外で、トラブルを解消したら間違いなく評価される。二つ返事で承諾した。
 事務所最後の日に、新入社員(4月より2年目になったが)に、「こんな自分に1年間ついて来てありがとう」的なメールを送ったら、程なくして返信があった。

I様

お疲れ様です。

資料作成していただきありがとうございます。
この一年間で、非常に多くのことを教えていただき、本当にありがとうございました。
Iさんからの温かい指導があり、この一年で成長することができました。

先週から新入社員のkくんと一緒に現場に出て説明する機会がありますが、教えることの難しさを痛感しています。
Iさんが私に指導してくださったように、相手の立場になって考え、無理のない範囲で教えていけるように頑張りたいと思います。

台湾でもお仕事頑張ってください。
また同じ現場で働ける日を楽しみにしています。
また、そのとき恥ずかしくないように、これからも成長していけるよう頑張ります。

本当に一年間ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

 4月29日の便で台湾に向かう。不安は全くないと言えば嘘になるが、私には私を信じてくれている優秀な後輩がいてくれる。その後輩に幻滅されないように、必死になって、トラブルに打ち勝ちたい。

                    つづく





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