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映画『ブラックパンサー』が、歴史的傑作である理由について

この映画が「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」という枠組みを超え、広く世界に受け入れられ、称賛され、アカデミー賞・作品賞にノミネートされたこと。

それは、テン年代のポップ・カルチャー史に刻まれるべき美しい奇跡である。

それは、今作が「黒人」や「女性」といったマイノリティーな存在にフォーカスを当てている作品だからではない。

むしろ逆で、「黒人」や「女性」が、「白人」や「男性」と対等(もしくは、優位)な関係性であることが、今作で描かれる世界における絶対的な共通認識となっているからだ。

そう、ブラックパンサーやオコエ、ナキアの活躍を描く上で、何も特別な「理由」はいらないのだ。この認識のもとで紡がれたストーリーが、全世界で記録的な大ヒットを記録したことは、まさに新しい時代の必然だったのかもしれない。

今や、全世界の一大テーマとして掲げられている「多様性」という概念。2018年、そこに、最も美しくリアルな輪郭を与え、その可能性を堂々と証明してみせた今作の功績は、やはり、あまりにも大きすぎる。




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