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受験に落ちた子どもさんの姿に切なさを感じてしまうお父さんお母さんへ

「こんな私だからこんな結果になったんだ……全部私のせい!」


と、車の運転をしながら、涙が吹きこぼれました。
もう14年前のことだけど、受験の合格発表会場から家に帰る途中のシーンが忘れられません。



受験の合否を聞くシーズンになると、長男の中学受験のことを思い出して胸が痛みます。
あの日の私と同じように切ない思いをされてる親御さんもおられるんじゃないかと思って……。


塾の先生からも「絶対大丈夫」と言われ、模試の成績からも合格確実と思っていた学校は3つとも不合格でした。第4志望の中学に長男は進学しました。

第一志望校がダメだったときには、まだ第二志望も第三志望もあると思って、そんなに落ち込まなかったんです。
でも、第二志望が不合格で、第三志望の学校を受験しに行くときには、切羽詰まった感じに襲われました。
もう「苦しい時の神頼み」です。
とにかくすがれるもの全てにすがりつきたい気持ちになりました。
子どもを受験会場まで送り届けたあと、学校の保護者待機場所でじっとなんてしていられませんでした。
子どもが受験中に学校を抜け出して、思わず神社に行ったり、お墓参りに行ったりしてしまいました。

ところが、その結果が不合格でしたので、神さまにもご先祖さまにも、みんなから見放されたような気持になりました。

「日頃から、ちゃんとお墓参りとかいってなかったくせに、都合のいいときだけ、ご先祖さまや神さまに、おすがりしようとする、そんな私の根性の浅ましさが良くなかったんだろうなぁ」と思ってしまいました。
そういう あざとい欲深い、自分勝手な自分がほとほと嫌で嫌でたまらなくなってしまいました。
「こんな私だからこんな結果になったんだ……全部私のせい!」と、自分を責めてすごく落ち込んでいました。
(「何を非科学的なこといってるんだ」と笑われそうですが、当時の私はただただ自分を責め続けることしかできなかったのでした。)

こんな私なので、今ああしておけばよかったなどと、ご自分を責めてしまったりするお母さんお父さんの気持ちも本当によくわかります。でも、わかるからこそ、「今はそんなことしてる場合じゃないですよ」とお伝えしたいのです。


今、一番してほしいことは、傷ついたお子さんの自己肯定感が、これ以上傷つかないように導くこと。


「あの学校に通えたらよかったのになぁ……」
「○○君はあの学校に合格でいいな」
「こんな学校じゃなかったらよかったのになぁ……」
そんなふうに心のどこかで、思ってしまうかもしれませんが、
そこをあえて、
「この学校で良かったよ!」
「この学校にはこんないいところがあるよ」
「きっと素晴らしい学生生活が送れるよ!」と
心から祝福してあげていただきたいんです。


なぜそんなことを言うかというと、
長女のときそれができなかったがために、痛い目にあったからです。

実は長女は中学受験失敗してないんです。
でも兄が受験に失敗し、親子ともに辛い思いをしたので、2ランクぐらい志望校を下げて、何かあっても確実に通るという中学一校しか受けなかったのでした。
合格したにもかかわらず、失意の入学になってしまいました。

受験勉強を始めたときには、もっともっと偏差値が上の学校を目指していたので、
「今、受験勉強をがんばらなかったら、あの学校になってしまうよ」
なんて恐ろしいことを言ってしまってました。
悔やみましたが、後の祭りでした。
結局はその学校に進学することになってしまったんです。

子どもが通う学校のことを悪く言ったりすること
~それは今から思えばですが、子どもが通う学校に親が呪いをかけることだったなと胸が痛くなるくらい反省しています。

呪われた学校生活になるからです。
1パーセントでも行く可能性のある学校は、口が裂けても悪く言わないほうがいいことを学びました。
マイナスイメージで入った学校は、先生も友達も全てマイナスイメージにみえてしまう危険性が高まるからです。

娘は、わたしのせいで見るもの見るものみんな汚い色に見えるサングラスをかけて入学することになってしまったのでした。
なにを見ても魅力的に見えないし、楽しくない。
がんばって勉強して良い成績を取ったとしても、その学校で良い成績を取るのはもともと当たり前だと思われるから評価されない。
プレッシャーばっかりでやる気が出ない。成績低下……。
自己イメージも甚だしく低下して、友達や先生との関係もうまくいかず、本当に辛い3年間になってしまいました。

中高一貫の学校であったにもかかわらず、わざわざ高校受験をして他の学校に行ったのは、その呪いを解くためだったのでしょう。
呪いから解放された娘は、暗黒の中学時代を取り戻すかのように、遊びに勉強に、友達とのおつきあいも、すべて活き活きとした高校時代を過ごしました。失意の中学時代があったからこそ、必死で勉強して思う高校に行けた、その過程で得たものも大きかったようです。

一方、大丈夫だと思っていた学校を三つも落ちてしまって第4志望の中学校に進学した長男。
入学当初は大変傷ついていたと思うんですが、良き先生や良き友達に恵まれ、のんびりと楽しい充実した中学高校生活を過ごせることになりました。

よく人間の運の量は、一生でみんな同じ量に決まっているとか言われますが、中学受験の時にアンラッキーな結果で、運の貯金をしておいたおかげか、受験の恐ろしさを中学受験で学んだ成果か、大学受験ではこの上もなく幸運な結果となりました。

*****

他の人は合格しているのに、自分は不合格。
そんなときはついつい悲しさに打ちひしがれてしまい、
「自分って駄目だなぁ」と、自己否定してしまいがちです。

でも、“受験不合格にしろ、どんなことも、ただただ悲しく悔しいことではなく、その辛い経験から様々なことを学べる機会
そんなふうに思えるようになれたらいいですよね。


どうかご自分やお子さんを責めることなく、この機会にご自分が今までの逆境から学んだことや、どのように逆境と向き合ってこられたかを、お子さんにぜひ伝えてあげて下さい。


今の時代、さまざまな知識や技能、情報は検索したら数秒で山ほど出てきます。
でも、自分の親が、苦難にいかにして耐え、やり過ごし、対処したのか……
テレビのヒーローのようにかっこよくはいかなくても、自分の親もこんな苦労とともに生き続けてきた、こんなふうにしのぎ、乗り越えて今に至るんだ……

そんな生の姿は、あなたが語らないと子どもたちに伝えられませんからね。
これからお子さんがさまざまな逆境に向き合うときに
お子さんを守る、なによりありがたいお守りになることでしょう。

*****

「あの日の涙があったからこそ、今日の笑顔がある」
そんな日がきっと来ます。
またそうなるようにお祈りしていますね。


偉そうなことを書いちゃいましたが、
失敗の数だけたくさん学んできたと思うしくじり先輩ママから、老婆心ながらお伝えしたいことでした。長々とすみません。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

こんな記事を書いた私の自己紹介は

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この記事は過去に書いた記事をふりかえり、読みやすく編集してリライトしました。今かつての私のように辛い思いを抱えておられる方にお届けしたくて…


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↑記事を読んでくださった あなたのおかげでいただけました。

ありがとうございました。

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