オリックス・吉田正尚選手を17回敬遠したら、何回失敗しているのか 〜吉田正尚選手への今季17敬遠の結果を一つひとつ振り返る〜
今シーズン計17個の敬遠を受けた吉田正尚選手。セパ両リーグで最多の見通しです。では、その敬遠という選択肢の結果、相手チームは失点を防げたのか、はたまた失敗したのか。17の敬遠を一つひとつ振り返っていきましょう。はたして累計はどうなのか、最悪の結果となったのは…
セ・パ両リーグで一番敬遠されている打者・吉田正尚
今シーズンの敬遠数はこちらの記事で取り上げました。セ・パ両リーグでも突出して吉田正尚選手への敬遠が多い状況でした。
なんとオリックスが受けた敬遠の85%を吉田正尚選手一人で稼いでる状況です。
本記事での敬遠策の成功・失敗の定義
吉田正尚選手が受けた敬遠の一つひとつ振り返っていきましょう。なお、何を持って敬遠策の成功・失敗とするかですが、今回は下記のとおりとしようと思います。
今回の敬遠策成功・失敗の定義
敬遠策成功:後続を抑え、結果的に無失点でそのイニングを終えた
敬遠策失敗:後続に打たれ、そのイニング1点でも失点してしまった
※吉田正尚選手ならHRだったかもしれない、結果的に1点で抑えることができたという見方もできますが、今回は失点=失敗と定義しようと思います。
1個目 / 17個分 7月2日 西武 vs. オリックス
吉田正尚選手が始めて敬遠を受けたのは7月2日 西武戦。二死3塁の状況なので、そのまま勝負するという選択のほうが自然ですが、吉田正尚選手は前試合と本試合で2試合連続でホームランを放っていることもあり好調の状態。西武は敬遠を選択、結果、4番 ジョーンズを打ち取り3アウトチェンジ。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:1
敬遠策失敗:0
2個目 / 17個分 7月9日 オリックス vs. 日本ハム
2個目は7月9日の日ハム戦。二死2塁の状況なので、敬遠策をとっても自然な場面です。(まださほどホームランの出ていない状態のジョーンズ選手ですが、長打力を考えるとそれはそれでリスキーですが)。結果として、暴投はあったものの、ジョーンズ選手をサードゴロに打ち取り3アウトチェンジ。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:2
敬遠策失敗:0
3個目 / 17個分 7月21日 楽天 vs. オリックス
3個目は7月21日の楽天戦、満塁策として敬遠策を取ります。満塁策で4番を迎えるというのもハラハラするものですが、結果的には空振り3アウトチェンジとなります。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:3
敬遠策失敗:0
4個目 / 17個分 7月22日 楽天 vs. オリックス
ここまで3つの吉田正尚選手に対する敬遠策の成功を許してしまったオリックスですが、ここで初めて一矢報います。4個目は7月22日の楽天戦。一死2塁の場面で一塁を埋めるため敬遠を受け、続くは5番 ロドリゲス選手。ロドリゲス選手はファウルフライに打ち取るものの、6番はジョーンズ選手。見事タイムリーツーベースを放ち、9回に貴重な追加点をあげます。結果的にこの試合、オリックスは楽天に7-11で勝利します。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:3
敬遠策失敗:1
5個目 / 17個分 7月25日 楽天 vs. オリックス
続く5個目もオリックスは敬遠策を打ち破ります。小田選手がタイムリースリーベースを上げ、9回に貴重な追加点。この試合、オリックスは楽天に3-6で勝利します。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:3
敬遠策失敗:2
6個目 / 17個分 7月26日 楽天 vs. オリックス
楽天戦での敬遠策が続きます。9回 二死2塁の場面で吉田正尚選手を敬遠。続く4番ジョーンズ選手を打ち取り、ゲームセット。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:4
敬遠策失敗:2
7個目 / 17個分 7月29日 日本ハム vs. オリックス
7個目は7月29日の日本ハム戦。7月末の段階ですでに7つと、吉田正尚選手よりもジョーンズ選手勝負を選ぶ傾向ができてしまっています。ここでも敬遠策は成功。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:5
敬遠策失敗:2
8個目 / 17個分 8月6日 日本ハム vs. オリックス
8個目は8月6日のロッテ戦。3番 伏見選手のヒットと、マーティン選手の悪送球もあり2点を失ってしまいます。悪送球によるものですが、ここでは失敗としてカウントします。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:5
敬遠策失敗:3
9個目 / 17個分 8月9日 オリックス vs. ロッテ
9個目は8月9日のロッテ戦、一死2、3塁の場面で敬遠。一死での満塁策ということで失点も覚悟しなければならない場面、しかも8回裏の1点リードという厳しい状況ですが、失点なしで逃げ切る最高の結果でこの回を終えます。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:6
敬遠策失敗:3
10個目 / 17個分 8月23日 オリックス vs. 西武
10個目は、8月9日のロッテ戦、一死2、3塁の場面で敬遠。吉田正尚選手を避け、4番 中川圭太選手と勝負というのは今季初の場面でしたが、結果的にサードゴロに打ち取ります。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:7
敬遠策失敗:3
11個目 / 17個分 9月2日 オリックス vs. ソフトバンク
11個目は9月2日のソフトバンク戦。9回2点リード、一死2、3塁の場面で敬遠を選びます。続く5番 ジョーンズ選手は打ち取るものの、6番 安達選手にタイムリーを許し3-3の同点に追いつかれます。結果的にこの試合は延長10回 3-3でゲームセット。
もし仮に吉田正尚選手がホームランを放って逆転サヨナラになっていたという可能性ももちろんありますが、あくまで失点しているので失敗にカウント。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:7
敬遠策失敗:4
12個目 / 17個分 9月16日 オリックス vs. 楽天
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:8
敬遠策失敗:4
13個目 / 17個分 9月19日 オリックス vs. 西武
13個目は9月19日の西武戦。5番 ロドリゲス選手が勝ち越しのタイムリーを放ちます。この試合、オリックスは西武に6-3で勝利、まさにこの敬遠策が勝敗を分けたのかもしれません。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:8
敬遠策失敗:5
14個目 / 17個分 9月25日 オリックス vs. 日本ハム
17個の吉田正尚選手への敬遠策のうち、最悪の結果となるのがこちら。これまで多くの吉田正尚選手への敬遠を受けてきた、オリックスにとっては最高の結果で雪辱を果たします。続く5番 モヤ選手が満塁ホームランを放ち、日本ハムを大きく突き放します。結果的に試合はオリックスが日本ハムに9-2で勝利。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:8
敬遠策失敗:6
京セラドームのライト上段に届く満塁弾。きっとオリックスファンの方々は何回見ても気持ちいいものでしょう。
15個目 / 17個分 10月9日 日本ハム vs. オリックス
14個目で満塁ホームランを許すという最悪の結果となった日本ハム。続く15個目も日本ハムによるものです。今回は、満塁策後の押し出しフォアボールで失点してしまいます。押し出しフォアボールというのもファン目線では落胆してしまいますよね。結果的に試合はオリックスが日本ハムに4-6で勝利。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:8
敬遠策失敗:7
ここまで敬遠策成功・失敗 累計は成功8、失敗7と、オリックスによる敬遠策を打ち破るケースが増えイーブンが近づいてきました。果たして次の結果は…
16個目 / 17個分 10月21日 楽天 vs. オリックス
16個目は10月21日の楽天戦。モヤ、ジョーンズを打ち取り3アウトチェンジとなります。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:9
敬遠策失敗:7
17個目 / 17個分 10月29日 日本ハム vs. オリックス
最後となる17個目は、10月29日の日ハム戦。今回はモヤ選手をショートゴロに打ち取り、3アウトチェンジ。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:10
敬遠策失敗:7
まとめ
ここまで吉田正尚選手への17個の敬遠策の結果を見てきました。無失点で乗り切ることができたケース:【敬遠策成功】は計10回、結果的に失点を許したケース・【敬遠策失敗】は7回となりました。
敬遠策成功・失敗 累計
敬遠策成功:10
敬遠策失敗:7
結果だけ見れば、無失点で乗り切れる確率のほうが高いというものの、中には満塁ホームランを許すという最悪の結果になったものもあれば、押し出しフォアボールになったケースもあり、やはり敬遠策というのはある種博打的なリスクな策といえるでしょう。今回の結果も今後の記事でより深く分析していきたいと思います。
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