「環境」「チーム」考察編②

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毎週末にはセミナーがあり、メンバーはフルで参加することが強く推奨されます。例えばセミナーの為に、冠婚葬祭を欠席したことなどが、武勇伝として語られます。同じく土日の出張なども断るようアドバイスされます。内容は、講義部分はほぼ同じで、他には優秀者(弟子入り達成者)の表彰やコミュニケーションのトレーニングが行われます。講義の内容はほぼ変わらないのですが、「いずれ事業を立ち上げたら自分のチームに講義をするから、盛り上げ方や間の取り方も含めてフルコピーするんだよ」と教えられるため、同じタイトルのセミナーでも、2回目以降は合間に挟むギャグや、何をすると盛り上がるのかといった気づきをメモします。また、「能動的な学び」を目的に、オーバーリアクションが推奨されます。これは新たに弟子入りしたメンバーに、セミナーが盛り上がっていると認識させるためにも必要なことだと伝えられます。

セミナー代金はほぼ貸し会議室代のみです。メンバーの中から意欲のある者が自発的に手を挙げて、スタッフとして参加します。もちろん無給ですし、ホワイトボードペンや講師用の水やコップは自分の持ち出しで準備するように指示されます。こうして格安のセミナーを行い、これは師匠の「恩」である、という意識を植え付けます

他には、「つるみ」を重視するように指示されます。特に師匠陣には、日報や、紹介の流れにのっている友人を弟子入りに導くための相談をまめにすること、そしてランチや飲みに誘われた場合は必ず参加することが推奨されます。曰く、「結果を出している人と一緒にいることで、結果を出せる自分になる」ということです。組織のメンバーのほとんどは自己投資のために会社員とのダブルワークをしていますが、会社にいる時間は、独立して結果を出す勇気の無い人といる、「つるみ」の悪い時間だと教えられるため、少しでも「つるみ」を良くしようと、師匠陣の時間を積極的に取りにいくことが求められます。また「48時間の法則」ということも言われており、起業のためのハードワークを一人で頑張ろうとしても、モチベーションは48時間も経つと大幅に下がってしまう、だからこそ、その時間以内に「環境」のメンバーとつるむことを意識しよう、と教わっていました。つるみは基本的には自分から取りに行くものとされていましたが、中間リーダーが日時を設定して開催したり、師匠から直接呼び出されて開催されるものもありました。

他にはプロジェクトというものもありますが、私が把握している限りでは、TwitterなどSNSでの情報発信や、脱退者のネガティブ情報発信の監視を行う「ブランディング」のプロジェクトや、師匠の店舗業務の手伝い、一般顧客向けオンラインサイトの立ち上げといったものがありました。実際に携わったプロジェクトはないので、ここはメンバーからの伝聞の情報です。プロジェクトの募集においては、平日昼間から時間が取れる、ということと、一定程度の特定業務の経験(webマーケティングやシステム構築など)が求められることが多いです。応募者が多い場合の選別基準は、二次募集のかけ方から推測するに、平日に時間が取れるかどうかが重視されている印象でした。

これらの活動は、セミナー、プロジェクト、(幹部メンバーとのつるみ)、現場、つるみ、友達づくりの順で優先順位が設定されていました。プロジェクトで急な用事が入れば、紹介は後回しになるため、自分が紹介の流れに乗っていた時も、Aからの急な連絡でアポイントが直前に変更になることがしばしばありました。Aに限らず、日々のハードワークで睡眠時間を管理できなかったり、前述の優先順位があったりで、「環境」のメンバーは時間通りに行動できる人が大変少ないのが印象的でした。

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