「環境」「チーム」脱退編①

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「自己投資」の説明を受け、「環境」の考える起業への道がどういうものかということや、前述のような疑問は概ね解消しました。ただ、消えなかった疑問もあり、そのために私は迷いを感じるようになりました。

私は以前、集団投資を装ったポンジスキームに騙されて被害を受けたことがあるのですが、「〜系〜人」という言い方や、会員のランク制度、「紹介者への還元」といった謳い文句が、ポンジスキームのそれと似ていました。もちろん実際の商品があり、その購入代金と引き換えに製品が手に入る以上、ポンジスキームとは明確に違います。ただ、最高で30%ものポイント還元を行う商品の原価は、いったいいくらなのでしょうか

そして何より、純粋な起業家たちの学びの場を想像していた私にとって、このシステムは違和感しかありませんでした。この組織にいる限り、起業の条件は9系50人の達成と決められています。つまり、少なくとも9人、自分を信じてついてくると決めてくれたパートナーに、月15万の商品購入を勧めなければならない。その事実を知った上で、組織に他人を勧誘できるだろうか。私は自信を失いました。

組織では「ネットなどで辞めた者の情報に触れることには何の意味もない。成功したいときに失敗者の話を聞く時間などない」と教わってきましたが、もはや成功よりも「やめた人がなぜ辞めたのか知りたい」という欲求が止められなかった私は、一番引っかかった「自己投資 15万」というキーワードでネット検索をかけてみました。ここでその全てには言及しませんが、「環境」がもとはモデーアというネットワークビジネスを行っている会社の製品を売っていた「ワンダーランド」という組織が、モデーアとの繋がりが切れた後に改称してできた組織であることや、「店舗から購入」という体裁をとっているため法律上マルチ商法に該当しないものの、実際にやっていることはマルチと変わらない、といった内容でした。

私の頭に浮かんだのは、友達の顔、親の顔でした。転職を考えていた会社の友達Cは、私がAを紹介した後「Aってマルチの人じゃないの?」と言ってきたため、それ以降連絡を絶っており疎遠になっていました。その時は純粋な起業家集団だと信じ切っていた私が、分かっていないとCを遠ざけたのですが、Cの直感の方が正しかったのではないか、と。また親孝行のために充分な時間とお金を掛けることが私の夢の一つでもありましたが、現状では実家に帰省する時間など取れるはずもなく、また、それを達成できる頃には自分のビジネスパートナーが同じようにハードワークと自己投資に苦しんでいるはず。そんな風に稼いだお金で、見栄張って親孝行と言えるのだろうか、とも考えました。

もちろん、努力の仕方は人それぞれです。「環境」も実態のない組織ではないですし、お金の流れも今となっては明白なので、パートナー探しを続けていけばいずれ起業して店舗を持てるのも事実。ただ、この手の商法にトラウマのある私が、精神的な迷いと金銭的な不自由さ(月々15万の自己投資を続けていれば、収支はうまくいってトントン、いかなければ赤字になるのは、当時の収入を考えれば明らかでした)を抱えながら、同じテンションで活動を続けられるか。無理だ、と感じました。そして抜ける決意をしました。

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