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「前橋市アーバンデザイン」を読解くvol.1 イントロ

1)「前橋市アーバンデザイン」とは?

2019年9月、前橋市は街づくりの羅針盤である「前橋アーバンデザイン」を公表した。いわゆる地域活性における都市計画のマスタープランであるが、他都市との一番の違いは「民間が先行した都市計画」であるという点だろう。前橋市のHPで公開しているが、超大作であり、概要版ですら一般人が理解するのが難しい。そこで今回、自身が前橋市で地域活性に取り組むにあたり、一般の市民にも理解できるように、この「前橋市アーバンデザイン」を細かく読解いていこうと思う。

2)よくある地方都市の課題

群馬県前橋市は人口30万人ほどの地方都市。県庁所在地ではあるが、全国の地方都市と同様、産業衰退や地価の低下で街はどんどん賑わいを無くしていった。私が生まれ、学生時代を過ごした1980年代までは街の中心部にある商店街が賑わっていたが、帰省するたびに街が寂しくなっていった。ここ10年は郊外型のショッピングモールに押され、マチナカは「シャッター商店街」に。また、シャッター商店街となった市街地中心部の再開発は、話が出ては立ち消えという事を繰り返し、市民には「前橋市が衰退してくのは仕方がない」というあきらめムードが蔓延していた。

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3)ビジョン先行型のプロジェクト

実は群馬県や前橋市は、昔から全国展開する事業を数多く輩出する地なのである。家電量販店、ホームセンター、飲食店等々多岐にわたるが、「からっ風」と言われる厳しい環境が逞しい事業を生み出すのかもしれない。そんな中でJINSも前橋市発祥の企業であり、社長である田中さんはご自身の財団を作り、前橋の地域活性を積極的に支援している。その一つが前橋市のビジョンづくりプロジェクトであり、そこから前橋市のビジョン「めぶく。」が2016年に生み出された。

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※「めぶく。」ビジョンに関しては、別途記事を書こうと思います

4)建築オールスターメンバーの参画

この「めぶく。」ビジョンが火付け役となり、前橋市、前橋商工会議所、田中仁財団を中心として具現化のためのプロジェクトが始動。都市開発では世界有数の設計事務所ZGF、また日本の建築業界の中堅、藤本壮介、平田晃久、長坂常、中村竜治、若手建築家の石上純也、永山祐子、高濱史子、そしてグローバルでは何と、ジャスパー・モリソンやミケーレ・デ・ルッキまで!やりすぎ!とも言える建築・デザインのオールスターを揃え、具体的な計画が進んでいった。(MAEBASHI TIMES vol.0/前橋デザインコミッション発行より引用)このメンバーだけ見ても、「前橋が、すごい街になるのではないか!」という期待感が湧いてくる。

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5)本当にワクワクする都市計画なのか?を探っていく

もう「期待」しかないのだが、内容は冷静に分析していこうと思う。やや民と官が先行して突っ走っている感はあるが、「市民も参加し、市民の声を聴いて作り上げた」とあるので、特にその部分は突っ込んで調べたいと思う。「前橋市アーバンデザイン」は148ページにわたる超大作なので、今後細かく分けて読解いていこうと思うので、乞うご期待!


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