世の中を“シラフ”のまま楽しむのは難しいのか(ゆりいか)
宮崎智之著『平熱のまま、この世界に熱狂したい』(幻冬舎)を読んだ。良いエッセイだった。ここ数年、なかなか魅力的なエッセイに出会えていなかったから、読んでいる最中も「こういうのが読みたかったんだよな」と、しみじみしてしまった。
先に言っておくと著者の宮崎さんはお世話になっているライターの先輩だ。僕が20代の頃、とあるライター勉強会で出会って、それから飲みの席で度々お話させてもらっていた。物書き仕事のイロハを教わったわけではないが、若い自分の話に興味を持ってくれることが何より嬉